朝、彼が友達の家まで
迎えに来てくれた。
『せいか、おはよう』
『おはよう……』 と
挨拶を交わした。
たった一晩会わなかった
だけなのになんで
こんなに照れくさいんだろう。
外は大雨でドライブには
残念な天気。
お気に入りの音楽が
流れるなか、
スタバでドライブスルーして
コーヒーを飲みながら
高速にのった。
1度行ってみたいねって
言ってたサービスエリアに
車を止めてパンやお菓子を
たくさん買って
車の中でふたりだけの
ピクニック。
おしゃべりしながら楽しんだ。
『雨の日のドライブも
楽しいね』って
言ったら
『そうだね。せいかがいたら
なにをしてても楽しいよ』って
その言葉がうれしくて、
思わず顔をそらしそうに
なったけど 『せいか』と
名前を呼ばれて、
ふと目を合わせた。
一瞬の沈黙のあと、
彼の顔がゆっくり近づいてきて
そして耳元で、
静かにささやかれた。
『……愛してる』
その低くてやわらかな声に、
体がゾクッと反応した。
思わず見つめ返したら
自然とキスしてた。
アウトレットにも立ち寄って、
前から欲しかった
新しいお皿をふたりで選んだ。
どっちの色がいいか悩んで、
『これ、せいかが好きそう』って
彼が決めてくれた。
買い物のあと、
ソフトクリームを1つだけ買って、
ふたりで一緒に食べた。
最初の頃は、
間接キスすら恥ずかしくて、
ドキドキしながら
受け取ってたのに
今では、何も言わなくても
自然に渡し合って笑い合ってる。
こうして少しずつ、
ふたりの距離が
近づいていったんだなって、
ふと気づいて、
うれしくなったデートだった。