いつもよりゆっくりめに
目が覚めた土曜日の朝。
隣で寝ていた彼は
すでに起きてて、
めずらしく寝坊しちゃった。
リビングに行くと、
ソファでスマホ見ながら
のんびりしてる彼が、
『おはよ』 って言い
こっちを見てにこっと笑う。
『ねえ、朝マック行かない?
久しぶりにドライブスルー
じゃなくて、中で食べよ』 って
彼が言った。
休日の朝に、
ふたりでマクドナルド。
別に特別じゃないけど
なんかそれが、すごくいい。
部屋着のままじゃ
まずいかな?って思ったけど、
『帽子かぶれば平気だって』って
彼に言われて、
私もキャップをかぶって
最低限のメイクだけして、
ゆるっとした服で外に出た。
土曜の朝のマクドナルドは、
家族連れでちょっと
にぎやかだった。
そんな中ふたりで並んで
注文をして、
トレイを持って席についた。
『ソーセージエッグ
マフィンうまっ』って
ご機嫌な彼の隣で、
私はホットケーキを
ちまちま食べながら、
なんでもないこの時間が
愛おしくて仕方なかった。
『こんなふうに、
ふたりでなんとなく
出かけるの
すごくいいよね』 って
私がぽつりとつぶやくと
、彼がカップを持ちながら言った。
『うん。めちゃくちゃ平和で、
めちゃくちゃしあわせ。
こういう日が続いて
ほしいなって思う、
ねっ、せいか』
彼のその言葉に胸が
きゅっとなった。
どこにも出かけなくていい。
なにもしなくてもいい。
でも、
“なおやさんと一緒にいる”
それだけで、
特別な一日に
なるんだって思った。
帰りの車の中、
『次の休日は、
もうちょっと遠くまでド
ライブする?』って
聞かれて私はうなずいた。
来週は晴れるかな。