紀州明恵上人伝と葛城修験の世界 観覧記 | ♫ラジオ寺子屋・高野山♫ 南山坊のブログ

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今日は和歌山県立博物館和歌山市立博物館の特別展へ出向きました。
県博は「生誕550年記念 紀州 明恵上人伝」、市立は「葛城修験の世界」です。


県博は何度も訪れていますが、市博は初めての訪問。常設展も和歌山市にまつわる縄文時代〜近代の興味深い展示があります。
写真にも載せましたが、天王塚古墳(和歌山県では最大規模の古墳で6世紀中葉(古墳時代後期)頃の築造と推定)の実寸大 復元模型(撮影可)の内部に入れたり、紀州徳川家の品々など現在の和歌山市の文化・歴史に関する資料が展示されています。






また特別展は、これまで馴染みのあった大峰修験とは異なる葛城山系修験の世界を垣間見る事ができます。
和歌山市加太は母の実家がある地域で、小さな頃は何度か友ヶ島を訪れた事があるものの、これほど信仰深い行場であったとは恥ずかしながらこの年まで詳しく知りませんでした。。



そして、県立博物館の「紀州 明恵上人伝」
特別展の名前に「伝」を付けるだけあって、明恵上人の尊き信仰の一生涯を知ることができます。
とりわけ、私が関心をもったのは春日信仰と舎利信仰で、現在の高野山においても明神信仰に付帯する舎利信仰と重なります。抑も高野山で明神様を拝む次第は、安流の春日御本地供を元に編まれているので関係深いことは当然です。

その他、等身大の明恵上人尊像や今でも毎年金剛峯寺の常楽会で唱える「四座講式」や光明真言関係の次第、華厳教学にまつわる資料・曼荼羅など、奥深く幅広い信仰の諸相に圧倒されました。

市・県いずれの特別展も図録があり、詳しい解説が記されています。
県博は図録以外に、例えば白洲正子の『明恵上人』など沢山ある関連書籍を販売すれば一般の方にも重ねて知っていただけるのでは?と思います。

以上、二つの博物館の特別展観覧についてつらつらと書いてみました。ありがとうございます。

※県博に隣接する近代美術館前に黒川紀章の中銀カプセルが展示されています。