コロナウイルスが語ること(5) |   荒野に呼ばわる声

  荒野に呼ばわる声

      耳を澄ませば聞こえてくる
                 
                   南山 遥

 コロナウイルスの最大の教訓

 

 武漢で始まったパンデミックのコロナウイルスが教えてくれることは、数多くある。

 このウイルスは生命体でなく、ただ遺伝子とタンパク質の殻しかない物体で、自ら増殖することができない。ゆえに人間に侵入し、細胞に取り入ってその材料を使って増えていく。脳や知能もない物体であるが、我々人間に語っていることは多い。

 

 その最大の教訓は、「変異できること」である。ウイルスですら、自己を変異して強化していく。

 

 この2年、我々はこのウイルスの教訓に学んだだろうか?

 

 外側のコロナ対策や手立て、方策は右往左往しながら、何とか進めてきた。しかし、本来人間がもっている精神的な面、こころの内面の変化、強化、革新はできたのであろうか? 

 

 人間の進化は、外側の変化と内面の変化とによってなされてきたのは事実だ。しかし、人間の最大の進化の秘密は、外に失ったものを、内に、精神的に回復、代償した結果にある。これは歴史が明らかにすることころである。

 

 どんなに外に滅びの嵐が吹き荒れても、人間はもう一つの強力な解決の道を知っている。

 荒野に道を教える声が響いている。