デンマークの「幸福度ランキングNo.1」を支えるのが、”高福祉社会システム”です。
消費税率は25%と世界3位の高さで、所得税は40%〜60%で概ね給料の1/3が控除されるなど、
日本と比べると非常に税率は高いです。
そう聞くと「高すぎるのでは?」と思ってしますが、デンマーク人たちは皆、すべからく納得しています。
教育費は大学まで無料。
医療費も無料。
出産費も無料。
保育施設利用料の2/3は国が賄います。
介護も行政が行うため、まさに”死ぬまで無料”が続きます。
高額な税金を納めるかわりに、これだけ自分に税金が還付される感覚を普通の生活の中で持てれば、
納得できる話かもしれません。
もう1つの焦点は”累進課税ではなく一律課税である”という点です。
要は「年収300万円の人も1000万円の人も等しく税金取りますよ」という話。
「その税金は必要な人に分配してあげましょうね」という考え方で、税制が敷かれています。
例えば先ほどの医療費などは、家庭医と呼ばれる主治医が国民ひとりひとりに割り当てられ、主治医が判断した場合に限り病院で診療を受けられるという仕組み。
税金の無駄遣いを防ぎ、必要な人に使うという合理的なシステムの例です。
そういう社会システムに触れた上で、一般的なデンマークでの”働き方”に話を移します。
法律で労働は週37時間までと決められているのだそうです。
つまり、週5日勤務なら1日あたり約7時間。
残業という概念は、ほぼ存在しません。
同様に、年間6週間の有給休暇を取る制度も定められており、普通に取得が可能です。
仕事は効率的にやってこそ、という意識が高いようです。
誤解を生まないように触れておくと、仕事はどうでもいいのではなく、効率的に仕事ができる人ほど優秀であるという意味合い。
デンマークの社会システムは、高福祉国家の名の通り、みんなが一定の生活水準を保障される環境にあります。
「必要以上に頑張らなくても、生きてはいける」という、経済的不安が比較的小さい社会であるということが見えてきます。
この社会システムの存在、そしてそれが国民も納得の上に運用されていることが、幸せ度ランキング1位の大きな要因であると思います。
デンマーク特命全権大使閣下。
フレディ・スヴェイネ大使閣下経歴。 生年月日:1957年7月31日
1981年:コペンハーゲン大学卒業文学修士(歴史専攻)
1982年: デンマーク外務省入省
1988年 1月: 在ブリュッセル・デンマークEU代表部書記官
1991年:デンマーク外務省課長
1993年: 在仏デンマーク大使館参事官(経済担当)
1997年: デンマーク外務省部長
2000年:デンマーク企業A.P. Møllerグループへ部長として外務省より出向
2003 年:デンマーク外務省通商貿易政策担当審議官
2004年:デンマーク外務省トレード・カウンシル事務局長・大使
2005年9月:駐日大使
2008年6月:デンマーク農業理事会CEO
2010年:デンマーク外務省EU/EPA担当大使
2010年9月:駐インド大使(ブータン・スリランカ・モルディブ兼任)
2015年8月:駐日大使