「スケジューリングをして宿題を言われた通りにやれば成績は上がる」は本当か?そしておすすめの本は? | 南洲翁塾

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おじゃったもんせー 南洲翁塾です。

 

私も指導歴が長く、保護者の方のお悩みをご相談うけることが多いですが、そんな際によく

「スケジューリングを切れば成績が上がると聞きましたが、本当でしょうか」

「宿題を出して勉強内容を管理すれば、成績が向上するのではないでしょうか」

と質問されることがあります。

 

これは非常によくある質問ですが、このあたりの話には大きな落とし穴があります。スケジューリング、宿題で、成績が自分が必要なレベルまでのびるのであれば、すでに集団授業で模試などで必要なだけの成果が出ているはずです。

 

●そもそもどうしてこういう話が広がっているのか。

こういう話が広がっている背景には、いわゆる全国区の上位校、特に中高一貫校では、中学の早い段階で高校までの内容を終了しているという話が広がっているのが原因の一つのようです。つまり、「早いペースで学習を進めている。だから受験実績がよい」という様に思われているということです。

 

このことはある一面においては事実で、実際に私が通っていた学校でもペースは早かったですし、生徒がそのことについて少しでも不満のそぶりを見せると、先生方は「灘高校ではお前たちよりも早いペースで進んでいる」と当時情報交換を教員同士でしていた関西のトップ高校を引き合いに出し、生徒を鼓舞していたものでした。

 

「受験実績がよい学校が早いペースですすめている」ということは正しいと言ってよさそうです。

 

●逆は必ずしも真ではない

しかし、因果関係が逆の「早いペースで学習を進めている。だから受験実績がよい」ということは必ずしも正しくなさそうです。前述の内容で述べているような学校は中学受験の段階でとても厳しい選抜を経てきております。

本人たちはそのことについて言及することは、角がたつので、教育業界のプロでない限りあまりないでしょうが、彼らの学力レベルは「小学校のクラスで一番、二番だった子」のそれではなく、その子たちだけを集めて改めてレベル別にクラス分けして一番上クラスになり、その上で「そのクラスの中でごくごく少数の上位の子」たちが徹底して鍛えられてはじめてボーダーラインに入るくらいが標準のレベルの選抜です。

 

全国区の上位校が早いペースで学習をすすめていて、高いパフォーマンスを発揮できるのは、「学校がそもそもそのカリキュラムに耐えうる人材を選抜している」というのが理由になります。

 

●昨今では、同様に「ペースの早い授業進行」で進めている学校や塾も多いが、、、

 先日、ある地元の博士とお話をしましたが、その博士は「最近はこの辺りの高校もすごく進めるペースが早い。あれじゃあ、生徒が気の毒ですね。」と話をしていました。その博士は教育にも携わっていますので、カリキュラムの進度のペースだけを全国区の上位校にあわせて早めても、生徒たちにとっては害でしかないということをわかっているのです。

 このことは保護者の要求に表面的にあるいはビジネスとして答えた形なのだろう、と推察します。ですが、「お客さんが言っているから言われた通りにやりました」という信念なきスタンスは教育とは相性が悪そうで、実際は多くの生徒にとっては、表層的な学習にとどまり、結果受験の成果も望んでいるようにはならないように思います。

 

●大切なのは「ペースをまねること(表面)」ではなく、「どのように勉強しているか(中身)」

 何事も大切なのは表面的に真似ることではなく、その中身です。全国区の上位校は「早いペースで学習消化させても、正しいフォームで勉強できる、フォームが崩れない」だろう生徒を集めてそれらを学習させています。勉強の「フォーム」とは

・情報認知のゆがみのなさ

・思考プロセスの正確さ

・体力

・師に対する誠実さ(課題を表面的にではなく、誠実に進めるという意志)

などが例示できると思います。

 これらは、言うは簡単、行うは難しの典型で、ほとんどは膨大な量を課すとこれらが崩れていきます。

 

●大量の情報を表面的に流すのでは意味がない。

 ここに「スケジューリング、宿題万能説」の問題点があります。実際はスケジューリングをいくら設定し、いかに宿題を出しても単独で完結できるほどの学力がすでになければ、あまり意味がないどころか返って害になりかねません。

 実際に私が指導を承る場合でも、私が最初に意識して確認・修正しようとするのは、表層的な、親や教師向けのアリバイ工作的な学習を内容のある形に修正する、ということです。

 

●アリバイ工作のための学習から、内容のある学習を習得するためには?

 内容のある学習を習得するためには、やはりしっかりできる先生に学習に対してのスタンスや情報処理に対してのノウハウを習い、自身もそれを少しずつ学んでいくことが必要です。よい先生の見極めは何の情報もなしには難しいので、「客観的な選択基準」をしっかりもつことが必要です。

 

スポーツや武道と同じように実際に選手の時に優秀な成績を収めていなかったコーチが技術指導をすることは勉強においてもできません。自身が将来的に行きたい学校を確認し、できればそれよりよい学校、せめて同一水準の学校に推薦ではなく、しっかりと受験で合格した先生を選ぶとよろしいでしょう。

 

●「客観的な選択基準」にかなう先生の著作を読むのもいい

 実際にそのような先生にならうことは、地域性の問題もあるし、お金もそれなりにかかるのでハードルは高いかもしれませんが、まずは本で総論的な部分の内容を確認するだけでもよろしいかもしれません。

 

私自身も当ブログでそのような情報を配信したいと思いますが、時間の兼ね合いからなかなか更新頻度が多くはできません。なのでいくつかおすすめの先生の本を紹介したいと思います。(広告案件ではございませんし、直接お会いした人を紹介しているわけではありませんので、バイアスはかかっておりません。ご安心ください。)

 

1.東大家庭教師が教える頭がよくなる勉強法 吉永賢一先生(東大医学部出身)

   :コンパクトに勉強法が並んでいる名著です。一冊ならば、まずはこれがおススメ☆

2.数学は暗記だ! 和田秀樹先生(東大医学部出身 緑鉄会代表)

   :「数学は暗記だ」は極端な言い方をしていますが、書かれている内容は非常に参考になります。

3.大逆転勉強法 南極流宗家

:二浪の学習の上で全国模試でトップや一桁を取れるようになってから大学に行かず    

風水師になった異端の人ですが、書かれていることはきっとお役立ちすると思われます。

 

私自身も、選手時代もしっかりと学力の高さを示して実力が保障されているこれらの先生の本を読んで、自身の指導方法に何か加えられるところはないかを確認したりもします。(往々にして、そのような先生の本は、私の経験的に得たノウハウと合致することがほとんどであり、やはり自然と共有、合致されるところはあるなあ、と実感します)

 

 お手頃に実力派のノウハウの確認をしたい方は上述の本を!

 しっかりと誠実なノウハウを身に着けたい方は南洲翁塾へ!

 https://tatsukinanshu.jimdofree.com/%E6%8C%87%E5%B0%8E%E7%90%86%E5%BF%B5/

 

 

【本日の名言】

・誠実に謙虚に、そして熱心にやることである

 

・愚直と笑わるるも終局の勝利は必ず誠実なものに帰すべし。