ちょっと現実から離れたい時におすすめの一冊

村上春樹さんの『回転木馬のデッド・ヒート』

こんにちは☺
 

本日は、ちょっと不思議な読後感の短編集を紹介します。

村上春樹さんの「回転木馬のデッド・ヒート」です。

 

 

 

あらすじ(ネタバレなし)

「人生は回転木馬のようなもの」
そんな印象的な言葉から始まる短編集。

 

どこにも行かないのに、止まることもできない。
誰にも勝たず、誰にも負けない。

 

そんな人生の中で、人は見えない何かと競い続けている――。

 

事実と小説のあわいをすくい取った、
静かで不思議な8つの物語が収められています。

 


この本を読んだきっかけ

最近少し忙しくて、長編小説を読む余裕がありませんでした。

 

でも、ちょっと現実から離れたい。
そんな気分になって短編小説を探していたときに見つけた一冊です。

 

「メリーゴーランド」ではなく
「回転木馬」と表現しているタイトルにも惹かれました(笑)

 


心に残った言葉

・終わってしまったことを嘆いてみたって仕方ない。

 現状を維持する、今となってはこれが全てだ。

 (P69)

・習慣というものは不思議なものだ。

 ほんのちょっとした要素が欠けただけで、

 自分が世界の一部から見放されたような気分になってしまうのだ。

 (P189)


読んでみた感想

とても印象に残る作品がいくつもありました。

 

でも「何が良かったのか」を
うまく言葉にできない。

 

それこそが、この作品の魅力なのかもしれません。

 

読んだ人にしかわからない、
なんとも言えない余韻が残ります。

 

特に印象的だったのが
「レーダーホーゼン」という話。

 

長年連れ添った夫婦。
夫は浮気を繰り返し、それでも妻は我慢し続けていました。

 

ある日、妻がドイツ旅行へ。
夫にお土産を聞くと「レーダーホーゼン」が欲しいと言われます。

 

妻は現地で苦労してそれを探しますが――
その出来事をきっかけに離婚を決意します。

 

それはとても静かで、揺るぎない決断でした。

 

女性は、ほんの小さなきっかけで
長年押し込めていた感情が一気にあふれることがあります。

 

突拍子もない話に見えるかもしれませんが、
とてもリアルに感じました。

 

他の作品も、
不思議なのにどこか現実にありそうな出来事ばかり。

 

静かに心に残る短編集です。

 


こんな人におすすめ

✔ 村上春樹さんの作品が好きな人
✔ 短編小説を気軽に読みたい人
✔ 不思議な余韻を味わいたい人
✔ 少し現実から離れたい人

 

ありそうで、ない。

なさそうで、ある。

 

そんな不思議な物語たち。

 

忙しい毎日の中で、
少しだけ現実から離れてみませんか?

 

 

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バレンタインにおすすめの一冊

唯川恵さんの『風姿恋伝』

こんにちは☺
今日はバレンタインですね!

 

長年あまり参加していなかったイベントですが、

今年は母や友人にチョコレートをプレゼントしたいと思っています。

 

そんな日におすすめしたいのが、
唯川恵さんのエッセイ集
風姿恋伝』です。

 

 

あらすじ(ネタバレなし)

揺れる30代をハッピーに導くエッセイ。

 

変わりたいけど、今さら遅い?
私の人生、本当にこれでよかったの?

 

仕事や恋愛だけでなく、結婚・出産・将来への不安…。
さまざまな悩みを抱える30代女性に

「悩んでいるのは私だけじゃない」

 

そんな安心と元気をくれる一冊です。

 


この本を読んだきっかけ

図書館で何となく棚を眺めていたときに見つけました。

 

タイトルが「風姿花伝」じゃなくて
“花”が“恋”になっているのが面白くて(笑)

 

しかも
「30代をハッピーに導くエッセイ」
と書いてあったので、

 

これは読まないわけにはいかない!と思い借りました。

 


心に残った言葉

・私が30代で一番悔いているのは、

 自分を「もう若くない」と思っていたことです

(P2)

・2年前、先の2年は気の遠くなるような長さに感じた。

 なのに、過ぎ去った2年はこんなにも呆気ないものだった……。

(P21)

・20代も40代も、同じようなことで頭を抱えていたなぁと

(P117)


読んでみた感想

30代独身女性に、ぜひ読んでほしい一冊だと思いました。

 

晩婚化が進んだとはいえ、
やっぱり30代って色々な「リミット」を感じやすい時期。

 

でも後から振り返ると、
その焦りや迷いも大切な時間だったと思えるのかもしれません。

 

著者自身も30代では結婚できず、40代で結婚。
だからこそ感じたことや悩みが、とてもリアルに書かれています。

 

私自身も31歳。
10代や20代の頃は、この年齢になれば結婚して子どもがいて…
そんな未来を当たり前のように思い描いていました。

 

でも実際の今、何が変わったのか自分でも分からないことがあります。

 

結婚していない
子どももいない
キャリアもまだ途中

 

でもきっと、どの年代でも別のことで悩んでいたはず。

 

人生って悩みがつきもの。
それも含めて人生なんだなと思わせてくれる一冊でした。

 


こんな人におすすめ

✔ 唯川恵さんの作品が好きな人
✔ 女性向けライフ&恋愛エッセイが読みたい人
✔ サクッと一気読みしたい人
✔ 将来に少しモヤモヤしている人

 

悩んでいるのは自分だけじゃない。
みんな迷いながら選択して生きている。

 

そんな力強いメッセージをくれる本です。

 

女性にぜひ読んでほしい、
おすすめの一冊。

 

 

 

 

 

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あらすじを読んで手に取った一冊

角田光代『晴れの日散歩』

こんにちは☺
本日おすすめしたいのは、

 

角田光代さんのエッセイ集
晴れの日散歩 です。

 

本屋さんで何気なく棚を眺めていたとき、
「散歩」という、やわらかくてかわいい言葉が目に留まりました。

(私は散歩が大好きなので…笑)

 

タイトルに惹かれて手に取り、
あらすじを読んで「これは好きなやつだ」と思い、購入しました。


 

 

 

 

 

 

あらすじ(ネタバレなし)

日々の記憶のかけらを、そっとすくいあげたエッセイ集。

 

角田光代さんが
雑誌『オレンジページ』で14年にわたり連載している
「散歩」シリーズの第4弾です。

 

京都出張の折に出会った、震えるほどおいしい卵サンド。
魚卵好きが高じて、朝から明太子のために行列に並ぶ話。
迷路のような渋谷で途方に暮れたり、
なかなか進まない本棚整理を楽しんだり。

 

特別な出来事ではないけれど、
気づけば過ぎてしまう日々を、
鮮やかに、そしてやさしく切り取った一冊です。

 

「食」「旅先での日常」「私」「世間」「暮らし」
といったテーマごとに構成されています。

 


この本を読んだきっかけ

角田光代さんの小説は、これまでにも何冊か読んできました。

 

恋愛小説もあれば、
社会派の重たい作品もあり、
本当に幅広いジャンルを書かれる作家さんだと思います。

 

そんな角田さんが、
日々の暮らしをどんなふうに切り取って、言葉にしているのか
それが気になって、読んでみたくなりました。

 


心に残った言葉

この重だるいような気分、
銭湯の湯に浸かったらなおるのではないか。
根拠はないが、でも、そう思うと、
銭湯にいかずにはいられないような気持になる。
(P68)

だれかと交際したりともに暮らしたりする場合、
だいじなのは、ほかのどんな相性より、
この優先順位の近似ではないかと
ひそかに私は思っている。
(P96)

どうでもいいエッセイを書き続けていると、
明日には忘れてしまうことでも、
その日の私はこんなふうに感じ、考え、
疑問を持っていたのだなあと、
思い出させてくれるのだ。
(P205)


読んでみた感想

私の大好きな江國香織さんとはまた違う角度ですが、
角田さんもまた、
日常のほんの些細なことを切り取り、言葉にするのがとても上手
だなと感じました。

 

江國さんが少し遠くにいる存在だとしたら、
角田さんは、より読者に近いところに立っている感じ。

 

少しポンコツな一面も垣間見えて、
それがまた親しみやすく、面白かったです。

 

世の中はもうそんなに進歩しなくてもいい、と私は思うのだが…
(P154)

この一文を読んで、
最近のAIの進化のスピードを思い出しました。

半年単位で大きく変わっていく感覚。


先日、会社でAIの講習を受けて
「ここまで自動生成が進んでいるの?」と驚いた一方で、
そのAIを使いこなすために、
また新しく学ばないといけない現実もあり…。

 

便利なのか、
それともただ忙しくなっているだけなのか、
少し分からなくなってしまいました(笑)

 

また、

どうでもいいエッセイを書き続けていると…(P205)

 

この一文を読んで、
私はエッセイは書いていないけれど、
3年日記を書き続ていることを思い出しました。

 

何年も前の出来事でも、
日記を読むだけで、
その日の情景や気持ちが
「わあああ」と一気に蘇ることがあります。

 

このブログに、
読んだ本の記録を残しているのも、
いつか読み返したときに、
そのときの自分を思い出せたらいいな、
そんな気持ちからかもしれません。

 


こんな人におすすめ

✔ 角田光代さんの作品が好きな人
✔ のんびりしたエッセイが読みたい人
✔ 今日はリラックスして本を読みたい気分の人

 

何気ない日常を

大切に思い起こさせてくれる一冊です。

 

ゆったりした気分に浸りたい
週末におすすめの本。

 

 

 

 

 

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