❁︎ファイティンガール!〜Miss Lee〜

 (原題:チョンイル電子 ミス・リー)

 

大企業の圧力に耐えながら数々の危機を乗り越えていく中小企業の再生物語です。

ヒューマンオフィスドラマ?

LOVEは無かったけど、結構おもしろかったです。



最初の1~2話見てみると、

大企業のもとで仕事を請け負う”協力会社”の社長たちがパワハラを受け、
協力会社はまたその下の下請け会社をギュウギュウ締め付ける。

このパワハラの連鎖に、ゲンナリ・・・(;΄◞ิ౪◟ิ‵;)。

 

ヒロインはヒロインで、経理の先輩と経費をちょろまかしたり、

先輩にそそのかされて山ほど自社株を買ってしまうおバカちゃん・・・(¯―¯٥)。

めいるわ~・・・となりつつも、

でも、登場人物が妙な存在感あって、

簡単には扱えそうにないこの職場の人たちは、どうやって変化していくんだろう~ってとこに私はちょっと活路を見出しちゃったようでラストまで完走できました。

 
 
チョンイル電子に下っ端社員として勤めるソンシム(イ・ヘリ)。
みんなからミス・リーと呼ばれて、雑用に走り回る毎日です。
 
ソンシムは、本当に受身で、使いっぱしりするのも、経理の先輩からちょっとした悪さに引き込まれるのも、深く考えずにやってしまう。
その線引きの無さに、最初はイ~~ってなるんだけど、なぜだか愛着がわいてくる女の子でした。
惜しげなくブサイク顔を出してくれて、悲壮感あふれる状況でもコミカルです(笑)。
 
イ・ヘリさんは、「恋のスケッチ~応答せよ1988」の人。
私は「応答せよ--」のシリーズをひとつも見ていなかったので、今回、ついでに見てみた。
「応答せよ1988」を10話くらいまで見たところで「ファイティンガール」を完走したけど、これは、ソンシムがかわいく見えてくるためのかなりのアシストになったかも。
 
ソンシムは、なりゆきでチョンイル電子の社長を押し付けられて苦労することになる。
でも、今までとっても受身で生きてきたソンシムが、
経営者の立場を知ったり、会社というものが及ぼす影響を目の当たりにして、
だんだんと自分の意見を持つようになっていくところが良かったな。
 
チョンイル電子にいる社員たちはいろいろな人がいるけど、
 
 
このユ部長(キム・サンギョン)がいい人だった。
会社って、こういう人で持ってるんだなぁと思う。
 
誤解してはゴネるし、思い込んではムキになる幼稚くさい社員たち。
もっと一致団結しろよ!って思わずツっこみたくなるけど、ユ部長は、
「好きな人とだけ働けないのが会社」
とみんなを諭す、かなり大人な人です。
 
ソンシムは何かあるとユ部長を頼るんだけど、ユ部長がいつも塩対応で笑う(笑)。
でも、この人のおかげで、窮地にめちゃめちゃめげてるソンシムが実はガッツがあるんだなって気付くし、それを自他共に認めていくのにユ部長は欠かせない人でした。
 
他の社員たちもいろいろいるんだけど、
 
 
おっさん二人、
ソン次長(イ・ファリョン)←メガネ と、
ハ課長(ヒョン・ボンシク)←オレンジ は、
おまえら、働けよ~~
会社に何しに来てんの
って感じだし、
 
 
人柄はともかくだけど結果出せなさそうな営業マンとか、
自分の給料を貰うことにしか興味ない社員。
 
他には、工場チームのチェ班長(ペク・ジウォン)と作業員の面々。
 
 
工場チームは、学歴の低い人もいて、事務所チームの社員と衝突したりします。
 
そして、ソンシムを裏切る経理の先輩ジナ(オム・ヒョンギョン)。
 
 
 
一応、誰をとってもそれぞれの諸事情がある。
家庭や子供やお金の事情を抱えて、自分のことしか考えられなくて働いてる。
ヒドイ人もいれば、仲間思いの人もいるんだけど、バラバラな社内。
 
そして、社長が逃げてからも会社を立て直そうとかまで考える人はいない。
 
株を買ってしまったせいで最後まで会社にしがみつくしかないソンシムも、パシリが急にリーダーシップとれるわけもなく、この会社どうやって再建できるんだろうって思って見てました。
 
でも、トラブルが起こるたびに少しづつ、みんな、会社というものの大切さがわかってきて、団結していくようになります。
 
お前ら、本気出すの遅いよ!と思いつつも、ドラマみたいな(いや、ドラマだけど)劇的大逆転も無い中で、ひとつづつ山を乗り越えていくのを見て、がんばれみんな、がんばれチョンイル電子!となっていくのがおもしろかった。
 
そして、逃げた社長のオ・マンボク(キム・ウンス)。
 
 
最初こそこの社長ヒドすぎると思ったけど、一応、戻ってきてくれます。
そこからは、この人の今までの苦労が滲んできて、
一社員とは比べ物にならないくらいの辛酸舐めてきたんだろうなぁとか、
人を使う立場の苦悩と社外からのプレッシャーに耐えてきたんだろうなぁとかがひしひしと伝わってくる。
 
この人のいいところは、ワンマン社長に復帰せずに一歩引いて会社に協力してくれたところ。
復帰しないのは体調や気力が回復してないことももちろんあるんだけど、
実は会社のことを見捨ててないし、会社のことを人も含めてまるごと愛してたんだろうなって思えて深みを感じました。
 
そして、社長にはすっごい愛想の無い息子がいて、
 
 
このフィリップ(キム・ドヨン)は社内の研究室の引きこもりだったんだけど、もしかしたらこの人が掃除機のヘッドを開発してくれなかったら、チョンイル電子はダメになってたかも?
なんて、ちょっと思ったり(笑)。
 
 
そもそもチョンイル電子が危機に陥ったのは、大企業であるTM電子のせい。
 
TM電子は、チョンイルをはじめとする協力会社を自分たちの持ち物のように扱ってる。
潰したり合併させたりと、都合のいいように動かそうとしてきて、ほんと、オエーー・・・(΄◞ิ౪◟ิ‵)って感じ。
 
そのTM電子は、チョンイルに社員を送り込んできます。
やってきたのがドジュン(イ・チャンヨプ)。
 
 
再生に協力するという名目で出向してきたけど、え?そんなのあるのね。
普通、銀行とかが融資した中小企業に協力して一緒に再建とか聞いたことあるけど、そーゆうもの、かな??
ドジュンは、チョンイルの帳簿を調べて整理解雇を求めてきたりします。
 
チョンイル電子社内のアウェーな空気でも、何事も無いかのように冷静沈着に仕事するドジュンだけど、実はこの人、TM電子でもつまはじき者。
ドジュンは内部告発をした件で不当解雇されそうになり、裁判を起こして無効にさせたという過去がある。
なので会社でも居場所が無い。
真面目に仕事はこなすけど、ユーレイ状態です(笑)。
 
そのおかげというか、TMのウラの思惑に染まっていないドジュン。
チョンイルの内情を見ることで、徐々にTMの横暴を知ることになって、
行動がどう変化していくのかというのも楽しみのひとつだったな。
 
ドジュンは優秀そうなんだけど、中小で働く人のことを本当にはわかっていないんじゃないかとか思うときがあった。
この人はこの人でしんどそうな感じがすごくするけど、
きっと、中小企業の人と大企業に入った人とでは苦労の質が違うんだなぁという感じ。
 
とにかく、若くて真面目なドジュン、
いい経験したと思うし、将来はきっと誰かの良き上司になってくれるかな~。
 
あとは、TMのムン常務(キム・ヒョンムク)とユ部長の話があったり、
 
 
そして、その部下の次長(チョン・ヒテ)のクズっぷりがあったり。
 
 
このお二人とも何度か見ている役者さんだけど、いつも、
こんな人いそう~っていう自然さを感じます。
役が演技に見えないくらいお上手(笑)。
 
 
そして、この大企業の中の綻びもあり、
チョンイル電子は自社開発の掃除機を売り出したりして持ち直していきます。
 

それぞれ自分のことだけで手一杯だったはずの社員たちの変化と、

倒産するしかないと思われた会社が持ち直していく過程、

そして、チョンイルと下請け会社社長たちとの交流。

そうゆうのがちょっとばかり味わいのあるドラマでした。

 

人と会社が共に再生していくのを見て、

やっぱり、”会社=人”なんだなぁと思う私。

 
 
 

武田信玄の名言。

 

「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」

 

まさにそんなことを言いたかったドラマなのかも。

 
 
 
(と、思うんだけど、意味合ってるかな・・・)
 
 
 
 
 
 
 
 
※ドラマの画像は、公式サイトより引用させていただいています。