​映画『ボレロ 永遠の旋律』❣️

皆さま、こんにちは😃

暑さ厳しい折、お見舞い申し上げます。お身体お大事になさってくださいね。こんな気候の時には無理をせず、お腹は腹巻きなどで守ってお部屋は涼しくしてお過ごしくださいね。

 

さて、今日は休日だったので、友人に勧められて映画を観てきました。2024年8月9日から東京で上映が始まりました、映画『ボレロ 永遠の旋律』アンヌ・フォンテーヌ監督による作品です。モーリス・ラヴェルの「ボレロ」の作曲の背景が数々の名曲を散りばめつつ、描かれていました。事実と脚色が織り交ぜられてはいるのでしょうが、映画作品として非常に繊細な映像表現、景色と人物のフレーミング、豊かな色彩感覚、家具調度品のこだわり、そして脚本としてはフランス映画に特徴的な詩的でロマンティックな会話がとても素晴らしく、映画の世界に浸りきることができました。

 

この映画を観るまではラヴェルのあの名曲「ボレロ」が機械文明の象徴である機械音の繰り返しから着想されているということには気づきませんでした。それを知ることだけでも、作品への理解が深まりました。

 

 

彼の人生を彩った女性三人を中心にストーリーが展開していくのですが、その一人目の女性がイダ。当時、一音も作曲することができないというスランプ状態になっていたラヴェルにもとのに、ベル・エポックの両性具有的な魅力でミューズのように芸術家からも賞賛されたイダ・ルヴィンシュタインが訪れ、彼女の委嘱曲として「ボレロ」は作曲され、イダ率いるバレエ団の旗揚げ公演で1928年に初演されました。

 

ところが、「伝統的かつ革新的な芸術の殿堂であるパリオペラ座に機械文明がやってきた」という意表を突く構想をもって作曲したラヴェルの高邁な理想とは裏腹に、酒場という場面設定でエロティックな踊りをイダが披露したことに落胆、怒りが抑えられずに劇場の外に出て行ってしまいました。ラヴェルは当時、パリの芸術家が集うサロンの主催者でピアニストでもあったミシア・セールを恋い慕っていたようです。二人目の女性とはこのミシアです。ミシアには夫がいたため、ラヴェルは叶わぬ思いを生涯抱えながら、ミシアへの愛が純粋化していったかに思えました。

 

そして三人目の女性はラヴェルの母親でした。

 

演奏会当日に正装であるエナメル靴を忘れて出掛けてしまうというシーンが繰り返され、ラヴェルが記憶障害に悩んでいたことも描かれていました。

 

芸術家として真意をなかなか理解されないという苦しみが、彼のような大作曲家にもあったのだということも初めて知りました。音楽評論家までもが大衆的な踊りの音楽として始めてラヴェルの音楽が素晴らしいことに気が付くというなんとも皮肉な場面もありました。ラヴェルは徐々に進行性脳神経障害に侵され、ミシアの美しい幻影がちらつきながら生涯を閉じたという場面でエンドロールとなりました。

 

最後はちょっと涙がぽろっと出てしまい、この表情です。素晴らしい作品でした。

 

 

映画のあとは、新宿三丁目の巨大ビル群の合間にある「ガンジー」という百名店のレストランを偶然見つけ、トマトチーズカレーを頂きました。ひりひり、ピリ辛の欧風カレーです。食のことに関しては、直感が鋭いのでした。

 

 

同じく新宿三丁目のタカノフルーツパーラー地階でマンゴーカレーパンを入手し、カレー(華麗?)な一日となりました。

 

 

映画の世界観が美しすぎて、あ~あ、この現実に戻って来たくなかったな~とつぶやいてしましましたよ爆  笑