「おつう」と言えば誰もが一度は読んだことがある「鶴の恩返し」の物語です。

教科書にも載っていたと記憶しています。

なぜ鶴は自分の羽を抜いて機織りをしたのでしょうか?

疑問の答えもなくただの物語として伝わっています。

始まりは大甕神社や静神社に伝わる倭文織(しどりおり)からでした。

大甕神社の正式名称は「大甕倭文神社」です。

大甕神社に倭文織が伝わっているのを確認したことはありませんが名称に残すくらいなので何かはあった可能性はあります。


倭文織とはなんなのか?


直ぐにわかったことは読んで字のごとく倭国製の文(織物)と言うことです。

made in Japan(倭国)ブランドです。

倭国とは自称ではなく他称ですから倭文織と名付けてたのは日本以外の国です。

倭文織で海外と貿易をしていたと推測しました。

そう考えると倭文織は織り方と言うより日本製の織物の総称だった可能性があります。

カラムシ織、麻、木綿、絹…どんな生地だったのでしょうか?


先ずは「しどり」から調べていきたいと思います。


静神社のしずおりしどりにはなったのではないか?

地元説です。

わからなくもないのですが少し根拠が弱いのであまりピンときません。

静神社の静の意味もわからないのですからしどりの意味もわからないのです。


少し別な視点で見ることしました。

倭文がグローバルに展開されていたとしたら当時国内で使用されていた言葉(日本語)とは違うかもしれません。

なので各国の言葉で検索してみました。

「織物、布、生地」で探してみると響きが似たような言葉が出てきました。


ドイツ語でstoff(シュトッフ)織物、織る、です。

語源はいくつかあります。

ゲルマン祖語stopponstuppona

古代フランク語stopfonestoffer


「シュトッフ」は「しどり」と似ています。

シュトッフ織→シュトウおり→シュドオリ→しどり

このような転化は充分に考えられます。

キャンプ用品のシュラフもシュトッフのことでしょう。


日本語とゲルマン祖語では共通項が見当たりませんね。

そこで共通項を探してみました。

何か結ぶものがあるはずです。


stoff(シュトッフ)を探し出した時に頭に浮かぶ言葉がありました。

それはstork(コウノトリ)のことでした。

現在では絶滅危惧種に数えられている鳥です。

もちろん日本にもいます。

世界各国で赤ちゃんを運ぶ鳥として愛されています。

その話しは明治以降に入ってきた御伽話です。

日本ではコウノトリは鶴になっています。

神社などによく飾られている鶴と松の絵や彫刻は縁起が良いとされてますがそれは間違いです。

実際に木に止まり巣を作るのはコウノトリです。

鶴は木に止まりませんし巣もつくりません。


コウノトリ


コウノトリ




日本人は見分けがつかなかったのでしょうか?

確かに似ていますが、あれだけ緻密な彫刻を作れる技術者が間違うわけないじゃないですか。

意図的にコウノトリを鶴にしたてたんだと思います。


なぜコウノトリが浮かんだかと言うと王昭君の二人の娘の名前がストークだったからです。

王昭君は、前漢の時代に匈奴にお嫁入りした後宮の美女でした。


王昭君の娘の名前

須ト居次(ストーツ)、当干居次((ス)トーイツ)

おそらくストーク、ストーツはコウノトリのことだと推測しています。

なぜ中国で英語名が出てくるのか?

匈奴は当時モンゴル語かウィグル語で話していたと仮定しました。

モンゴル語はウィグル語の仮借で、ウィグル語はアラム語=アルファベット由来の言語だからです。

王昭君は匈奴の王様と婚姻したので女王様になりました。

女王様の娘がコウノトリとはどんな意味があるのでしょうか?

コウノトリをヒンドゥー語、サンスクリット語ではなんと言うか調べてみました。

なぜなら高貴な生まれの方は仏典から名付けられた可能性が高く仏典と言えばヒンドゥー語がサンスクリット語だからです。

調べてみるとヒンドゥー語もサンスクリット語も

同じことでした。


サンスクリット語 सारसः

ヒンドゥー語  सारस サラス コウノトリ、白い鳥


インドでサラスと言えばサラスバッティですよね。

サラスバッティは日本では弁財天で芸能の女神様になっています。


サラスバッティ(sarasvati)はサラス河の女神となります。

サラス河は古代インダス文明の中央に流れていた河とされています。

現在のタール砂漠の真ん中あたりでした。

サラスバッティはインダス文明の女神でした。

ヒンドゥー教に変わってからはブラフマーの配偶神になってしまいました。

サラスバッティのヴァーハナ(神の乗り物)はコウノトリです。

もう一人のインダス文明の女神ミナクシもパールバッテイと名前が変わりシヴァの配偶神になっています。

ヘブライ語でサラはお姫様の意味があります。


王昭君の二人の娘はお姫様だったのでコウノトリと呼ばれていたのでしょう。


サラス=ストークは同じコウノトリでした。

鶴とコウノトリの一番の大きな違いは鳴き声にあります。

鶴は声をあげて鳴きますがコウノトリは幼鳥の頃以外は鳴きません。

コウノトリ独特の嘴を使ったりクラッタリングと言うカタカタした音をたててコミニュケーションを取ります。



機織りの音と似ています。



織姫とコウノトリの関係は次回詳しく書きます。

続く。