木花佐久夜毘売の別名をご存知でしょうか?

一般的には
木花佐久夜毘売と呼ばれ富士山を御神体とる浅間大社や各浅間神社にお祀りされている山の神です。
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木花佐久夜毘売のサクは咲く、サク、サケと転化して酒造の神、田植えの神、などになっています。

子安神
子安明神
子安と言えば神社であろうがお寺であろうが木花佐久夜毘売です。

このようにたくさんのご神徳をお持ちなのですが、本当の姿は鉱山の岩尾を砕き裂くからきている裂くや姫なのです。

木花佐久夜毘売には磐長姫と言うお姉さんがいます。

父である大山祗神が邇邇芸命に木花佐久夜毘売と磐長姫を二人一緒に貰って欲しいと頼んだのに醜い磐長姫は貰わず美しい木花佐久夜毘売だけを貰ったのです。

それに怒った大山祗神は木花佐久夜毘売は天孫が花のように繁栄し磐長姫を貰えば天孫が岩のように永遠にのものとなるのに磐長姫を送り返したことで天孫の寿命が短くなるだろうと告げました。

しかし、
こんな美しい木花佐久夜毘売を貰った邇邇芸は妊娠した木花佐久夜毘売に自分の子供じゃないと疑いをかけます。

木花佐久夜毘売はそれならと産屋に火を放ち三人の御子を産みました。
火の中で産んだ事で邇邇芸命の子供だと証明しました。生まれたのは火照命(海幸彦)、火須勢理命、火遠理命(山幸彦)です。

ここで疑問?
どうして姉妹でお嫁にいかなければいけないのか?
どうして火をつけたのか?

答えは木花佐久夜毘売の別名の
神吾田津姫(かみあたつひめ)にあります。

古代の名前の特徴には
出身地、親の名前、親の職業等が必ず入っています。
そして結婚した相手の名前で又変わります。
それなので一人に名前がたくさんあるのです。

木花佐久夜毘売の親の職業は鉱山の鉱石掘りで、姫がつくわけですから鉱石掘りでも相当に偉い方なのです。

大山祗神はお酒の神でサケはサケでも違うという事がわかります。
大山祗神の本当の娘ではないのです。
本当の父はスサノオで、訳あって養女になっています。
(参照)

邇邇芸命との結婚生活は1年もありませんでした。
なぜなら木花佐久夜毘売の名前が変わってないからです。
もし結婚していれば木花佐久夜毘売 の名がニニギヒメとかニニギが付く名前に変化したはずです。
当時の結婚は子供が生まれて成立するのでただ一緒にいるだけと言うことはないのです。
ですからニニギとの間にできた子供などいないと言う事になります。

しかし神吾田津姫と言う名前は誰かと結婚して変わった名前なのです。
神の位を持つ吾田(あた)出身の男性との間に子供を設けたのです。

「吾田」を名乗る男性を神社や神話の中から探してみると
天忍穂耳尊(あめのおしほみみ)の若い頃の名乗った名前に麻立比古(吾田彦あたひこ)がありました。
別名海幸彦(うみさちひこ)
別名火須勢理命(ほすせりのみこと)

邇邇芸命の間の子供に海幸彦と火須勢理命と山幸彦がいました。
もう一人の登場人物は磐長姫です。
吾田彦との間には子供がいるのです。
消去法でみれば残った登場人物は磐長姫ですね。
磐長姫木花佐久夜毘売です。

記紀は、娘を妹にしたり、夫を子供にしたり、時系列をバラバラにし、仲の良い人達を殺し合わせたり、死んだ人を生き返らせたりと奇想天外、荒唐無稽になっているのです。
けれど、隠れたメッセージがある事も又事実です。

あれ?
最後に残った山幸彦はどんな役割なのかと言うと海幸彦との対義語としてだけです。

なぜなら火須勢理(ホスセリ)とは火を付ける着火物(蒲の穂綿)の事だからです。
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「産屋に火」とは木花佐久夜毘売海幸彦
の事です。
そして邇邇芸命は子供のいる女性は嫌だと言ったのです。
この事を遠回しに記紀の作者は匂わせています。

磐長姫の本名は苔牟須姫(コケムスヒメ)です。
苔牟須姫の名前ではあまり祀られていません。
木花佐久夜毘売と一緒に祀られている磐長姫は娘の苔牟須姫で間違いありません。

富士火山帯で最後に噴火した大室山に磐長姫(コケムスヒメ)が祀られています。
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遠くが富士山です。
伊東市にある標高580m独立峰ですり鉢状の火口を持つ休火山。
ミニ富士山と言う感じです。
頂上から見る360°パノラマの景色、西は富士山、東は海に浮かぶ伊豆諸島が見え絶景でした。

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磐長姫の神社はたまるで母に見守られる子のようです。
二人の関係性を知っている人が祀ったのでしょう。



もう一組の親子の話も蒲の池から始まるのです。
蒲池姫のストーリーは次回から。

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