マンガやアニメの実写化には勇気が要る | なのはな22のふたり言

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本・テレビ・映画の感想が多くなると思います。たまにフィギユアスケート。
ミステリーや時代劇、ビジネスドラマが好きです。

今月の30日に手塚治虫さんの「ブラックジャック」の実写化ドラマが放送予定で、そのキャストや改変でかなり話題になっている。

 

「ブラックジャック」は20代前半(45年ぐらい前)に全巻買って読み、手塚作品の中でも特に好きな漫画だが、従弟にも読ませたくて数年後にあげた。

 

BJは外見からしてインパクトが強いので、実写化するとどうしてもコスプレにしか見えず、昔の加山雄三版は見ていないが、岡田将生版は記憶している。

この時の彼はいくらなんでも若過ぎて、全然天才外科医には見えなかったし、善良で爽やかな雰囲気の岡田君は、BJの暗さや深さを演じるには個性が違い過ぎる配役だった。

(夫など、岡田君の「白目の部分が綺麗だ」と言ってた)

今回は高橋一生さんと聞いた時は、背が高いのは良いけれど、迫力に欠けるのでは・・と思った。が、そんな事を言っていたらキリがないのもわかっている。

 

「どろろ」の百鬼丸・妻夫木聡さんや「あしたのジョー」の山下智久さんは、原作イメージに拘らずに見る事が出来た配役だった。

(崔洋一監督の「カムイ」の松山ケンイチさんはミスキャストと言うしかない。夫「彼はすばしっこく見えない。動きが重たく見えるんだよ」に尽きる)

 

 

BJの話に戻ると、ネット上でざわついているのはドクター・キリコの性別を変えた点だ。

戦場での辛い記憶から安楽死に積極的な意見を持つに至ったキリコは男性である必然性があるはずだが、ドラマで女性に置き換えたと知った時は一瞬「男女雇用均等法」と言う言葉が頭をよぎった。

が、脚本家やプロデューサーの話を聞くとそれなりの考えも理解できる。

演じる石橋静河さんは以前BSの時代劇で見た事があるが、男装の女剣士をやっていて、それがよく似合っていた。

(タカラヅカの人かと思ったくらいだ)

 

ただ、それでもなあ・・。

 

ドクター・キリコは「ブラックジャック」の中では敵役だが、悪役ではない。

私は昔読んでいる最中、キリコに共感する所がかなりあったと記憶している。

 

キリコの安楽死推進論はBJから見るとニヒリズムにしか見えないのかもしれないが、もっと透徹した人生観の持ち主と解釈してもいいのではないだろうか。

女性が演じるとどうしても優しさが漂い、キリコの本質が描けないのでは、と予想してしまう。

 

が、ドラマは必ず観ると思う。やはりBJファンとしては今月一番気になるドラマだ。

わくわく。