坂田晃一メロディの魅力再発見 | なのはな22のふたり言

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本・テレビ・映画の感想が多くなると思います。たまにフィギユアスケート。
ミステリーや時代劇、ビジネスドラマが好きです。

先週、ビリー・バンバンの「さよならをするために」を書いたのがきっかけで、改めて作曲家坂田晃一さんの楽曲をYouTube

でいくつか聴いてみたら、「そういえば、これも聞いた、あれも聞いたことがある」と懐かしい記憶が蘇りました。

 

ドラマ「3丁目4番地」(1972年)の前年の「2丁目3番地」に流れていたのが「目覚めた時には晴れていた」(作詞・阿久悠)。

これも好きな歌なのに、なぜ今まで忘れていたのか不思議でした。

フォー・クローバースが歌った「冬物語」(1972~73年)にも聞き覚えがあり、浅丘ルリ子さんと原田芳雄さんが共演したドラマの一場面が浮かんできましたが、それが、外で原田さんが浅丘さんに牛乳を渡して飲む場面。

(浅丘さんの飲み方が、牛乳が苦手そうなのが見えてクスッと笑いました)

 

「冬物語」も「目覚めた時~」と同じ阿久悠さんの作詞で、坂田さんのメロディにマッチしたとても美しい歌になっています。

 

上記3作は曲の進行がとてもスムーズで、小川の流れのような優しさに溢れているのですが、その淡々とした抵抗の無さが若い頃の私にはやや物足りなかったのかもしれません。

でも、去年母を亡くした事の影響か、あるいは単に年を取ったせいなのか、今は坂田さんのメロディがとても心地良いのです。

昔、ポール・モーリアやレーモン・ルフェーブルのレコードを持っていたけれど、いわゆるイージーリスニングのカテゴリーに入る曲です。後年のリチャード・クレーダーマンも同様。

こういうものはそれだけを聴いていると飽き易いけれど、ファミレスや喫茶店のBGⅯとしては最適です。

ランチタイムにフリージャズを聞かされると耳を塞ぎたくなります。(せめてディナータイムにして~)

 

坂田さんの曲はやはりフランスのイージーリスニングとは違い、日本人的情緒が流れていて、哀感がしみじみと胸に落ちてきます。

 

家事をしながらハミング出来るのがいいなあ。

 

いくら麻倉未稀さんの「ヒーロー」や松崎しげるさんの「愛のメモリー」が好きでも、ニンジンを切りながらハミングしたらテンポが狂いますからね。

 

 

坂田さんはNHK朝ドラの「雲のじゅうたん」や「おしん」、大河ドラマの「おんな太閤記」、「いのち」、「春日局」等も作ってみえて、ヒット作としてはそちらの方を挙げられるのは間違いないですね。

 

でも個人的には、最初に書いた民放ドラマの音楽が好きです。

 

そしてYouTubeで聴いた森山良子さんの「さよならの夏」(1976年 作詞・万里村ゆき子)。

これもTVドラマの主題歌だったそうですが、あいにくそのドラマは見ていないので新鮮な歌でした。

森山良子さんの声は本当に素晴らしい。

(尚、2011年のアニメ「コクリコ坂から」では、手嶌葵さんがカバーした歌が使用されたそうです)

 

森山さんはデビューした頃「和製ジョーン・バエズ」という不要なラベリングをされた事で損をしたように思います。

彼女のクリスタル・ボイスは汎用性が高いというか、ジャンルを超えてさまざまな歌が歌える人でしょう。(演歌は無理と思う)

1969年の「禁じられた恋」(作詞・山上路夫、作曲・三木たかし)は、詞だけを見ると女の激しい情念の詞なんだけど、曲が暗くないし、何より彼女のクリスタル・ボイスのおかげで清楚な恋歌になっています。

 

森山さんの「さよならの夏」は透明感に溢れたとても美しい歌です。坂田さんのメロディを何倍にも高い空へ届けてくれそうな歌声に心奪われます。

 

 

 

 

今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。