洗脳が解ける瞬間…それは突然にやってきました。
私は一世の姉妹たちより、現在約30代後半以上の二世の姉妹との付き合いが多かった。
よく話していた二世姉妹の中には、たまたま子どものから知っていて、鞭をされるためにトイレへ連れて行かれるのを見て胸の潰れる思いをした事もあります。
鞭を目の当たりにしてきた。
集会への強制参加、中には予習をしているかどうかしっかり出版物をチェック、注解(コメント)する練習までさせられるのを見た。
集会へ行くか行かないかを自由に選べた 二世さんを私は知らない。
宗教を選べなかった、強制された、犠牲者だという思い…
(もちろん、大人になって嫌になり離れた子どもさんもいます)
そりゃーね、仏教だろうが何だろうが、先祖代々受け継がれてきた宗教を、当然の様に引き継ぐ事が当たり前で、それを求められる事がほとんどだと思うんだよね。
私もそうでした。
でも、ほとんどの宗教は、可能性や人生まで犠牲にする事もないし、宗教に膨大な時間をかけなければならないわけではないし、家族でも忌避…もないわけで…
やはり、進学や就職や結婚や出産、そして忌避による家族断絶の危険がある宗教を教育された二世さんは、やはり一番の犠牲者なんだと私は思うのです。
だから精一杯大切にしたい、味方になりたい存在だし…
聖書の知識…という点では、羨ましくもある存在でした。
(残念ながら、ものみの塔の独自解釈も多いのですが)
ホンネに近いものを話せる数少ない仲の姉妹が、心の病気になって集会も休みがちになると、私に気を配ってくれて側に来てよく話をしてくれるのは 二世さんでした。
会衆には 人懐っこくて、女性らしくて、ステキな二世の独身姉妹たちがたくさんいました。
結婚したらきっと、良妻賢母になるに違いない姉妹達だ。
息子の嫁になってくれんかなぁ…って思ってたほどに
いろんな考えがあると思いますが、
私はね…結婚が全てとは思っていない。
子どもを持つのだってそう。
自分が年を取った時、世話をさせる為に子どもを産むわけじゃないからね。
だけどね…
会衆の多くの独身姉妹が全員、自ら望んで独身を貫いているわけではない。
独身のA姉妹がポロッとこぼした一言が心に残っている。
『結婚はしたいと思ってるんだけどね…なかなかね…』
集会へ行くと、先に来ていたA姉妹が笑いながら話しかけてくれる。いつもの事なんだけど、その日はなぜだか、姉妹のかわいい笑顔が目に焼き付いていて…
集会に集中できず、頭に浮かぶのは集会が始まるまで話をした二世の独身姉妹のこと。
年齢的には、結婚適齢期をゆうに超え、高齢出産は母子共にリスクがあるという現実。
こんなにも愛嬌あふれていて…
こんなにも性格も良くて…
こんなにも気配りできるのに…
こんなにステキな女性なのに!
どうして?
そういえば、独身の姉妹って多いな〜
なんでこんなに多いのかな?
兄弟もたくさんいるのに…
そんなに選り好みしなければ…
王国会館を見渡してみた…
たくさん…? いや…待って、
あんまりいないよなぁ。
独身兄弟に対して姉妹の方が多い。
そうか! ← ここが洗脳がほころんだ瞬間なんだと思います
エホバの証人には、結婚は
“主にあるものとだけ” という制約がある
では会衆にどれだけの独身兄弟がいるか集会中見渡すと…
全く釣り合っていないのです。
信者の男女の比率が違う。
そう言えば過去にいた複数の会衆もそうだった。
そうか…だから
エホバの証人は結婚が難しい。
主にある者とだけ…というのであれば、全知全能の神は結婚を望む姉妹がちゃんと結婚出来るように、二世として生まれる子の男女の比率を同等にするとか…できるでしょうに。
いや…それは倫理問題かなぁ…
だとしたら、男女の比率が違うのだから、信者同士の結婚以外も認めればいいのに。
なぜ認めないの?
親はどう思ってるの?
娘の人生、それでいいの?
自分は結婚して娘を産んだんだよね。結婚する喜びも子どもを持つ喜びも味わったわけだよね。子どもは望みながらもその生活ができない状態……それでいいの?
人の人生をなんだと思ってるんだろう?
楽園で楽園で楽園で…全て楽園頼み。
その楽園は教理変更に次ぐ変更で、ゴールは動きっぱなし。
なんか…信者は、目の前に“地上の楽園での永遠の命” という 人参 をぶら下げられた馬のように、走っても走っても 人参 にありつけない。まるでかわいそうな馬みたい。
人生までかける宗教って、なんか怖いな。
そう言えば…
能力の高い子が多いのに、大学へ進学する子は少ない。それってもったいなくない
どうして可能性を奪うの
奪っていいの
大学へ行くと、エホバから離れる危険が高いというけど、離れる離れないは個人の自由じゃない
それに、一流大学を出ている信者だっている事を考えると、全てが離れていってしまうわけではないし。
離れさせない為に高等教育を受けさせない…
つまりそれは…
信者に余計な知恵をつけさせない為?
これは…やばいでしょ
私…とんでもない宗教に足を突っ込んでしまったのかもしれない。しかも数十年も…
なんてこった
ほつれたセーターの糸を引っ張るように、ホロホロと洗脳が解けていく…
それがわからなかった私は、組織に疑問を持ってしまった事が不安だった。
それでもまだ、教理には変なところもあるけど組織は本物だ!そう思っていた めでたい私は、エホバが用いる唯一の地上の経路である統痴体や組織に対して疑問を持ってしまった事がヤバイんじゃないかと…
すごく苦しかった。
すごく怖かった。
すごく孤独だった。
ものみの塔、エホバの証人、の情報以外は信用ならないものだから見ないように。
そう教えられるけど…
心理的原因で睡眠障害に陥ってしまった私は
禁断のパンドラの箱を開くこととなる。
続く…