やった〜ッ! 歴史的快挙の達成だ〜ッ!
世界ユース選手権で初の決勝トーナメントに進出した日本は、後半10分過ぎに最大7点差つけられた苦しい展開から驚異的な反撃で試合をひっくり返し、31ー30の1点差勝利でエジプトを退けてベスト8入りを果たした。
エジプトに競り勝ち8強入り
実に鮮やかな逆転劇だった。
ベスト8入りをかけてBグループ3位の日本はAグループ2位のエジプトと対戦。
所監督は「手強い相手だけど、これまでのトレーニングすべてをこの一戦にぶっつけたい」として試合に臨んだ。
前半終盤からエジプトの攻勢を浴びて10ー14と4点ビハインドで迎えた後半も、ポスト、サイドから確実に加点するエジプトの前に10分15ー22と大きく水をあけられた。
試合の流れは完全にエジプト。試合序盤からスローペースの攻防でエジプトの先行を許す重苦しい状況が続いていた。
しかし、ここから若き日本セブンが猛攻に転じた。
相手の連続退場に乗じて一気に加速すると、高くシフトを上げたアグレッシブなディフェンスでエジプトのミスを誘い、次々と速攻につなげて得点を量産。
17分までに8点を奪う集中打で23ー23の同点に追いつき、さらに勝ち越し点も奪った。
最大7点差を後半大逆転
このあとタイムアウトを取ったエジプトに2連打を許して再びリードを許すものの、いったん火がついた日本の攻勢は止まらない。
20分過ぎから頼れるキャプテン村木がミドルを決めると、高野らの連続速攻で27ー25と2点先行した。
このあとは両チームが1点ずつ奪い合う緊迫した展開が続いた。
そして、27分末岡のサイドで30ー28とした直後、エジプトに7mスローを許して1点差に迫られ、しかも退場者を出すピンチに見舞われた。
この時の電光掲示は27分21秒。
まさに正念場と言ってよかった。
今大会4回目のMVPになった徳田
守れ! 守ってくれ! 日本はGK中村の堅守を軸に必死の防戦。
そして、残り時間が減っていく中で29分07秒、マイボールでタイムアウトを請求した。
このまま時間を稼げば勝利をつかめるが、それでも日本セブンは受け身にならず前を攻めた。
エース徳田が値千金の一投
残り30秒を切ってから密着マークを受けていた徳田がディフェンスの背後を走ると、そこにナイスパスがつながった。
今大会絶好調の徳田がこのチャンスを逃がすわけがない。ノーマークとなって空中に躍動するや少しも迷わずに気迫のゴールを突き刺した。
これで31ー29!
勝利を決定づける値千金のダメ押しゴールだった。
残り3秒にエジプトに7mスローを許した場面でベンチの所監督は隣りにいた吉村コーチとがっちり握手。
その数秒後に歴史的勝利をものにした選手たちがコート上で歓喜の輪を作った。
もう勢いは止まらない!
マン・オブ・ザ・マッチは徳田。なんと日本の4勝すべての立役者となるベストプレーヤーに選出された。
未知の領域に入った若き勇者たちにもう恐れるものはない! ひたすら前へ突き進むのみ。次はベスト4チャレンジが待っている。