今年の勉強してきた事 その2 | 一級建築士いつ合格するの?今年でしょ!→合格できたので独立建築事務所立ち上げ、フリーランス、個人事業主による仕事、生活、趣味日記

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前回からの続きです。
例えば、商店街との連続性とは出題せずに、レストランは地域住民用に商店街側から直接出入りできるようにって要求あれば、多くの方がそうのように計画してしまって大きな採点の差が出しにくいと思います。
基準階、屋上庭園の計画も同様だと思います。基準階で住戸を優先させるのか、屋上庭園を優先させるのか、屋上庭園を優先したはいいが、住戸へのプライバシーは配慮されているのか?の何かしらの具体的課題要求があれば優先順位が付きやすいはずです。
逆に具体的に優先順位の判断となる課題要求にされていないのは、出題者側が受験者に対してどう考えたのか提案してこいよって事だと思うのです。

仕事上、住宅の間取りの打合せをお客様としますが、お客様自身でもどうしたいのかわからない、迷ってしまうって事ありますが、「お客様自身がどうしたいかわからないのにプラン考えるこっちはプランなんてできないや」ではダメですよね。建築に携わる者としてこうゆう形もできますよ、こうすると良くなりますよって提案して打合せをスムーズにしていく事は非常に大切だと思っています。お客様の要求で具体的な事もあれば、抽象的な希望、時には非効率、予算、法規を無視した要求もあると思います。

試験の課題でも具体的要求と抽象的要求ってあると思うのです。
私は抽象的な要求こそが試験のポイント、出題者の意図、落としどころになるのではないだろうかと思って今年勉強してきました。
また、試験対策とかではなく、私が一級建築士でデイサービス付き集合住宅の設計依頼を受けてどう考えて設計するかを優先しようと、ただし、依頼者はデイ付き集合住宅ではないけど過去に違う案件で仕事を受けた事のある依頼者という条件にしました。過去にいただいた案件というのが過去問という事です。だから過去の案件で依頼者のくせ(標準解答例や資格学校の指導内容等)で多少なりとも前情報をもっていますが、打合せで優先する事項はデイ付き集合住宅での依頼者の要求だったり、敷地条件だと思うのです。「だから過去がこうだったからこうやればいいでしょ」「過去にこうしたからこうやらないといけない」って事ではないと私は考えるので最初の2ちゃんねるの書き込みには共感しました。

私の試験課題で思った思考は
依頼者「3階には住戸者達が利用できる屋上庭園を設けたいだが」
私「屋上庭園も交流の場、趣味の場として良いですが、まずは全ての住戸が日照の良い南側に向ける計画が優先なのかと思います。屋上庭園のない4階、5階の事も考えると」
依「では屋上庭園はどこに設けたらいいんじゃ?北側か?」
私「スパン割りを6Mにして西側の公園側に設ければ短辺方向からですが南側にも開放的にもなりますし、住戸へのプライバシーも問題ないと思います。」
私「それと北側の2階の吹抜けとなる上部には3,4,5階を設けない計画とし、吹抜け上部にトップライトを設ければ1階エントランスや2階ホールが明るく、開放的な空間なると思うのですがどうでしょうか?」
みたいな感じで。

過去問を勉強しなくていいと言っているわけではありません。製図試験を突破する為に過去の傾向を知るというのはどの勉強でも大事なことです。自らしなくても効率化の為に資格学校等でポイントを押さえてもらい、対応策を自然を身につけた状態で試験に臨むのです。
資格学校等の指導の充実、ネットSNS等の情報交換などから近年の受験は昔の受験者たちと違ってたくさんの教えられた知識、対策法を持ってる状態です。
けどここ数年の製図試験は教えられた知識、対応法だけではすんなりと完成しないような問題を試験元は考えていると思います。その試験に対して対応するには自らの判断、考える力、決断力、提案力、表現力を鍛えていかないとこれからはいけないのかなと考えます。
資格学校の講師にそう言われたから、ウラ指導の講習会でこう言ってたからだけではそれらの力はなかなかついてこないと思います。

棋士の羽生さんの本で〇〇力ってタイトルの本が何冊かありますが、ざっと短くまとめると全ては自らの経験からの判断なんだと思います。羽生さんいわく将棋の戦法のトレンドは週ごとで変化していくそうです。前もって準備して大一番に臨んでも、思いもよらない戦法で攻められたり、今まで見た事もない展開、棋譜になるので〇〇力が必要になる。

今回の内容については私の思考が強く書かれていますが、全てが正解、全てがダメという事はないと思います。勉強方法、考え方がたくさんあると思います。なので私の考え方が正しい、違う考え方が誤っているという事を主張したいわけではありません。今後勉強される方にとって、肯定的、否定的な方々それぞれにとってこのような考え方があるんだと参考にしてもらい、自分の直感となる判断の材料になればと思っております。

羽生さんの直観力の内容を一部引用させていただき今回は終了とさせていただきます。

論理的思考と経験を蓄積する
論理的思考の蓄積が、思考スピードを速め、直感を導いてくれる。
(中略)
直感は、本当になにもないところから湧き出てくるわけではない。考えて考えて、あれこれ模索した経験を前提として蓄積させておかねばならない。また、経験から直感を導き出す訓練を、日常生活の中でも行う必要がある。
もがき、努力したすべての経験をいわば土壌として、そこからある瞬間、生み出されるものが直感なのだ。それがほとんど無意識の中で行われるようになり、どこまでそれを意図的に行なっているのか本人にもわからないようになれば、直感が板についてきたといえるだろう。

インプット以上にアウトプットをする
過去の知識や情報は、すべて素材だ。それらは、次の新しいものを想像する素材として利用されるためにある。過去の素材であっても、適切に組み合わせれば、新しい料理をつくることができるのだ。
しかし、情報をいくら分類、整理しても、どこが問題かをしっかり捉えないと正しく分析できない。さらにいうなら、山ほどある情報から自分に必要な情報を得るには、「選ぶ」より「いかに捨てるか」、そして「出すか」のほうが重要なのである。
情報メタボにならないためにも、意識的に出力の割合を上げていくことが重要になる。

定石を覚えて超える

「私も若い時は、定石(将棋で、昔から研究されてきて最善とされる、きまった指し方)をたくさん覚えました。しかし、定石は覚えただけでは、何も意味がない。そこに自分のアイデアや判断を付け加えてより高いレベルに昇華させる必要がある。情報に溺れるのではなく、自分の頭で考えることが大切です。」