ドンマイ・ガードマン

ドンマイ・ガードマン

ガードマンたちの笑える日々をお届けします。

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医学博士ではないんだけど、私、最近病気を発見したんですよ。

それは、どうやら警備業界に蔓延するらしいんです。

警備屋に入って3ヶ月くらいすると症状があらわれる。潜伏期間の長い人でも6ヶ月くらい。


症状として、自分は仕事が出来るという幻覚が表われ、それに伴う大言壮語、向こう見ずな行動などがある。

私が新人の頃は、職人のようなオヤジが結構いて、そんな人達に怒鳴られ、罵倒されて育てられたので、とりあえず保菌者であっても、ワクチンを接種されているので極端な症状はでない。

いろんな意味ですごい人達を見てきたので、自分がすごいなんて絶対に思えない。あんな人達はなかなか超えられない。

会社から、隊員を現場で教育してくれと言われるけど、若い人達って厳しく教育された事がないので、なんか言うと、すぐ反発で返してくる。

こっちだって気を遣って丁寧に言っているのに、若い男性隊員に「うるせー」と言われ、女性隊員には「どこにそんな決まりがあるんですか?」と食ってかかられる。

どう指導したらいいんですか。

私はもう絶対教えない、こんなヤツらは、ローラーにでも轢かれちまえ、と思っても罪はないでしょ?

ある現場で、症状の重い隊員がいた。彼はでしゃばってよく解りもしないのに、無線に割り込んできた。

「ユンボでまーす。」彼は言った。

「了解」別の隊員が返した。

「スイーパー(路面を掃除する機械)でまーす。」と、彼は言いたかったのだろう。

だが、彼はやはり重症だったのだ。

「ストリッパー出まーす!」

そんなもん道路に出ちゃったらねえ、道路屋も警備屋も仕事なんかしてるヒマないですよ。

見にいかなきゃ、見に行かなきゃ!

今、どこに行きたいですかって訊かれたら、なんて答えますか?

アメリカ、インド、うーん国内もいいとこあるよね・・・

でも私は、今の私は・・・何処行きたいかってね・・・トイレだよ、トイレ!

この業界に入る前まで、こんな切実な願いを天に投げかけることはありませんでした。

通勤で片道1時間なんて現場、結構あります。

まあ、今はコンビニなんかあちこちにあるので、通勤途中で困ることはないと思うでしょ?

ところがどっこいなんですよ、これが。

最近のコンビニは、男性用と女性用、分かれている所も増えてきましたけど、古いとこ入ちゃったりすると、トイレ1箇所しかないんです。

しかも、朝のコンビニラッシュ時、入ろうとすると先客が必ずと言っていいほどいらっしゃる。

しかも出ない。なかなか出ない。

トイレに立て籠もってるんじゃないか、さてはアルカイダ日本支部か(そんなもんあるのか?)と思うほど出てこない。

で、仕方ないからじっと待ってると出てくるんですね、オヤジが。

10中8,9はオヤジ。

残り香のほんわりと漂うトイレに我慢して入ることになるんです。

それだけならいいんですけどね、中にはトイレのない現場だってある。

「ごめん、今日トイレないからさ、行きたくなったら言ってね。」と監督。

そんな事言ったてね、行かせてくれることなんかないじゃない。

だから僅かな休憩時間に車をぶっとばしてコンビニかガソスタを探さなくてはならない。

「いざとなったらね・・・」監督は近くの山を指さして言った。

「こうしてね、こうしてね・・・」監督は半径50センチほどの足元を踏みつける仕草をした。

同じ会社のI君が大笑いして言った。

「そうだよ。よく草とか踏みつけておかないとさ、ケツにささるの、ケツに。オレこの間M市の現場で漏れそうになって慌ててしたら、ケツに変な草刺さっちゃって、痛かったなー。」

「誰でもそういう経験ってあるよね。」しみじみと監督が言った。

朝から平気でのぐそ談義が飛び交う、そういう業界に私は、います。


勤務指示がでたのは、K工業。

ここに行くのは約1年ぶりです。

この1年あちこち飛び回っていました。

人生いろいろ、ガードマンもいろいろで、監督さんや、作業員さん達と一言も話しをせず(挨拶くらいは最低してると思うけど)帰ってしまう人もいれば、喋ってばかりいて仕事をせず、出入り禁止(以下、出禁)になってしまうヤツもいます。

私の場合は、仕事するならなるべく楽しく、と考えているので、普通に一般的な会話は交わすようにしています。

結構、土木作業員さん達は、話をしてみると単純で楽しい人達が多いんです。

この世界に入るまでは、こういう人達って怖い人ばかりだと思ってましたけど。(正直言って変なヤツもいますよ。そりゃ、どこの世界でも一緒ですけど)

監督さんも、作業員さん達も私の事を覚えていてくれました。

「お久しぶりです。私、まだ生きてましたよ。」

「いやー、本当だなー(何が?)今までどこ行ってたんだよ。」

Mさん、Yさん、監督のTさん。

「Iさんは今日はこの現場ですか?」

「今日は復旧で違うとこいってるよ。」

「あれ、Sさんは?復旧ですか?」

Mさんは、ヒャヒャヒャ、と笑って

「アイツはよー、クビだよ。Fと一緒にクビ。」と手刀をきりました。

Mさんは、いつも冗談ばかり言っているので、にわかに信じられません。

「クビなんて有り得ないでしょ?辞めちゃたんでしょ?」

「ホントだって。いやー、あの2人にさ、草刈の現場任せちゃったらさ、まあ、いろいろ細工しちゃたのが社長にバレちゃってさ。」

結局、いくらか懐にいれちゃったらしいのね。

そりゃ、クビだわ。

Sさんは、前の会社もクビになったんです。それは、私もSさんに直接聞いてました。

「いやー、前の会社でさー、ものっすごい面積の駐車場任されててさー、んで、オレ、指示出したワケよ。表層3ミリ減らせって。素人はたかが3ミリって思うじゃない?ところがこの面積になるとさー、すごい量になっちゃうわけよ。儲けた、と思ったら、検査でバレぢゃって、んでクビ。」

Sさん、今だにご健在だったようで。

まあ、うちの会社でも、最近クビになったヤツがいるという噂もあったりして。

クビ、というと不当解雇とかいろいろ騒がれちゃうから、干しちゃう。徹底的に干しちゃうらしい。干されるのにも、それなりかなりの理由があるみたいだけど。

「明日仕事ありません。」

なんて言われたら、

「え、私、何かしちゃったかな?干されてるかも。」

と心配になってしまいます。

なにしろガードマンなんか、毎日首の皮1枚でつながってるような商売ですから。

でもねえ、入社試験も無いような会社、なにが悲しくってクビになっちゃうのかねえ。

Mさんは言いました。

「Sは、OO建設、Fは、H土木へ行ってるよ。」

実は私も警備屋は3社目なんです。(理由は今後明らかに。でもクビになった訳じゃありません)

警備屋も土木屋さんも何気に受け皿がデカいようです。

Sさん、Fさん、ご縁がありましたら、また仕事でお久しぶりにお会いしたいものですね。

先日のブログで誤りがありました。

「汗」と書いたつもりですが「干」となってしまいました。

実はすぐ気がついたんですが、かったるくてそのまま出してしまいました。

ここにお詫びして訂正致します。

こんなことわざわざ書くんだったら、すぐ直したほうが良かったのにね。



ドンマイ・ガードマンは、カモナ・マイハウスの中の「警備日和」の続編ですが、その中で「ガードマンをしていた」と過去形で書いていましたが、現在も進行中です。

現在も私はガードマン中です。お詫びして訂正いたします。

当時は辞めよう、辞められる、と思っていたのですが、結局、貧乏が完治せず、ガードマン・蟻地獄にどっぷり嵌まり込んでしまいました。

この業界のほとんどは、昔で言うドヤ街の手配師が、会社組織を創って、労働者に制服着せたようなもんです

何の保障もないし、雨が降れば仕事はなし。社会的な地位は低いし、労働の割には、賃金は安い。

アルバイトならいいんだろうけど、バツイチで子供4人抱えてる私なんか、休みなく働かなくては、やっていけません。

そんな事言ってんだったら違う仕事すればいいでしょ、と言われるかもしれないけど、この歳になると、そうそう仕事なんかありません。

何社も受けましたが、結局年齢の壁にはばまれました。

年齢不問なんて書いてあったって実は35歳までなんです、今はそう書かないといけなくなっちゃって、なんて言い訳さんざんきかされました。

皿洗いか掃除のオバサンでは、とても子供たちを食わしていけないので今もガードマン続行中です。

そんな業界なので、働く人たちもバラエティにとんでいます。

てな訳で、汗と涙と貧乏にまみれた、笑えるガードマン達の日常をぐたぐたに紹介しようとおもいます。

乞う、ご期待!


ドンマイ・ガードマン-nasi


こんなこと、してません。

こんなこと、してもいけません。

たまにしたくなっちゃうけど。