マニアックな読者の皆様、お早う御座います。

 

先ず、憎むべきCoronaVirusの犠牲になった志村けんさんのご冥福をお祈りいたします。

僕は関西人なので、コテコテのお笑い(やすしきよし)や毒が効いたお笑い(島田紳助)が好きなのですが、元来ドリフターズはBeatlesの前座としても選ばれたJazzBandとして好きだったので、思い入れがあります。

無論、志村けんさんは、バンドのボーヤ(ローディー)だったので、演奏はしていませんでしたが

8時だよ全員集合で正式memberに選ばれてから一気にお笑いの頭角を現した稀有な存在でした。

 

歳を重ねるごとにお笑いにも磨きが掛かった生粋のコメディアン

お笑いの聖地である関西(大阪)人からも認められるって凄い事でっせ

 

一般的には「変なおじさん」や「バカ殿」が、彼のお笑いの象徴とされて有名ですが、個人的には音楽が好きなので特にファンクっぽいPhraseを取り入れた「ひげダンス」のリフは今でも直ぐにベースで弾ける程馴染みがあります。 兎に角、早すぎる死では有りましたが、天国でも周りを笑わせて下さい…

 

さて、今回は日銀の際限なきETF買いに寄る様々な弊害(歪)に付いて掘り下げたいと思いましたが、本日は年度末で明日からは新年度で期を挟むために多忙を極めるので、今から事務所に向かわなければならず、仕事も終日予定が詰まっている為に時間が取れないので週末まで御待ち下さい… 

 

【追記】2020/3/31 18:00

取り敢えず、時間が取れたので皆様の要望が多かった権利最終日と配当落ち日の大引けの動き(高値引け)に付いての仕組みを第一弾として簡単に解説しておきます。

 

僕は見ていないのでどの様な内容かは知りませんが

昨日のモーニングサテライトでも取り上げられていた様ですね

 

TOPIX(配当込み)ETFの再投資の仕組み

 

A:日銀の場合(権利付き最終日に再投資)

 

通常は、権利付き最終日までに個人投資家の配当取り狙いや機関投資家のPosition調整が入った勢いで当日も上昇するのですが、逆にそれを見越した個人投資家の配当落ち直前の利益確定や短期投機筋の先物売りでザラバは買い方売り方の需給(思惑)が拮抗してそれ程大きく動きません。

 

但し、この3年程度は企業の配当が増えている事に加え日銀と言う大きな鯨が組成(未組成)のTOPIXETFを(委託証券会社を通して)大量に購入している為、TOPIXETF(配当込み指数)と言う性質上、配当落ち分のトラッキングエラーをなくす為に調整しなければならない訳です。

少し分かり難いですが、配当落ち分を繰り戻(再投資)して成るべく不連続にならない様に調整します。

 

例えばTOPIXの予想配当が2%とすれば、日銀のTOPIX ETFの保有残高は約30兆円なので

その2%の約6000億円を再投資を未収金の現金(配当)ではなく、先物を買う事で調整しますが、そのタイミングが権利最終日の大引けになる為に大商いを伴って(現物株も先物に収束し)上昇した訳です。

 

TOPIX配当落ち理論値(A)=(前日の終値時価総額-予想配当落ち金額)

÷前日の終値時価総額

 

上記計算式をETF(配当込み)に調整するには予想配当落ち金額を先物で埋める必要がある訳です。

但し、この様な仕組みを熟知している投機筋は権利最終日の前場に先物買いで仕込んで、大引け2分程度で売りをぶつけてくるので、必ずしも今回の様に大きく上昇する保証は有りませんが、今回は売り方のShortCoverも相俟って高値引けした格好です。この様な見透かされた方法を取れば、投機筋の遣りたい放題になって市場が大きく歪められ、予期せぬ大きな動きに一般投資家は右往左往するばかりです。

 

B:MSCI等の海外PassiveFundの場合(権利落ち日に再投資)

 

基本的には、日銀が購入しているETFと同じですが、配当落ち日の大引けに先物買いでトラッキングエラーをなくす為に調整するので、日銀が(国内主要証券会社を介して)購入している配当が落ちる前日に調整するTOPIXETFとは違いOvernightの配当部分の価格変動(予定買い付け口数増減)を受けないと言うmerit(demerit)がありますがどちらの方法がいいかは一概には言えません。

 

TOPIX配当落ち理論値(B)=(当日の終値時価総額-予想配当落ち金額)

÷当日の終値時価総額

 

詰まり、MSCI等の海外PassiveFundのTOPIX(配当込み)ETFの予想配当落ち金額の先物買いの調整は配当落ち当日に行われるので日銀のETF先物買いの丸一日遅れになります。

 

問題なのは、TOPIXのETFの場合にはその仕組み上、配当再投資が伴うのでその金額が余り大きくなると市場形成に大きな歪みを与えてしまうと言う事です。

 

では、検証してみましょう。ここではTOPIX(指数)ではなく、馴染みのある日経ダウで考えてみます。

結果的に、3/30の昨日も大引け直前に恐らく4000億円程度のPassiveFundの再投資先物買いが入ったので、日経ダウの配当落ち分180円を差し引けば実質200円程度の下落(当日高値引け)で済んだ訳です。

通常なら18600円程度で引けてもおかしくなかったのに、500円も嵩上げされたらとてもじゃないですが、何が起こったか知る由もない経験の少ない新規参入個人投資家が困惑しても全く不思議では有りません。

無論、日経ダウ銘柄は全てTOPIXと重複するので下記のチャートの様にTOPIXも大きく上昇しています。


※TOPIX 3/27~3/31(15分足) 27日の大引けの出来高が際立つ

 

次回の追記まで時間が空くので日銀のETF大量購入に寄る流動性悪化の問題や上場企業の50%以上の筆頭株主になっている弊害については、改めて近い内に別途記事にしたいと思います。 naniwa335