マニアックな読者の皆様、こんばんは…
週明けの相場展開(予想)の詳細に付いては直前記事を御参照下さい。
どちらにしても、理由なく上昇した日本株式市場(アベノミクス相場)は荒唐無稽なので、不況寸前の実体経済に収束していけばリーマンショック以来の崩落も念頭に入れなければならないでしょう。
さて、ある読者の方(Mさん)から数回に分けて同様の(かなり複雑な)質問を受けているので、今回はそれについて簡単に解説したいと思います。
質問内容
1:日経平均の裁定取引を分かり易く教えて下さい
2:日経平均には様々な仕掛けがあると記事に書いていましたが、具体的にどういう事ですか?
3:SQはどうして波乱の要因になるのですか?
恐らく、以上の様な質問の概要だったかと思います。
これらは全てリンクしているので、順を追って説明したいと思います。
1:日経平均裁定取引とは所謂アーピトラージと呼ばれるもので、一般には現物と先物(または期近先物と期先先物)の時間的な理論値(価格)が開いた時にその利鞘を得ようとする取引です。
下記グラフでは金利と記載されていますが、理論ベーシスと覚えた方がいいでしょう。

※日経平均の現物とは全ての銘柄(225銘柄)を買わなければならないので、最低ロットでも数十億円になり投資銀行等の機関投資家によって取引され通常は個人投資家とは無縁の取引になります。
当然ながら、先物を同数量買わなければ相対できないので最低でも500枚(80億円)程度の大きな取引になります。
詳細は割愛して、数字を小さくする事によってその仕組みを分かり易く説明します。
例えば、日経平均が15000円の時に先物の価格が15250円に上昇したとします。
この時に1000倍の1500万の現物を購入すると同時に先物一枚(1525万円)を売ります。
裁定取引によって現物と先物の差異25万円です。
さて、それではこのポジションをどの様に閉じれば利益が確定するのでしょうか?
そこで、利益確定に不可欠なのが3番目の質問に出てきたSQ日(特別指数清算日)になります。
(メジャー)SQというのは先物の(強制反対売買)決済日の事を指し、全ての日経平均銘柄が寄り付いた価格がSQ値と呼ばれて一般的な寄付き価格とは違います。
通常は、SQ当日引け後に確定値が発表されます。(先物SQは3.6.9.12月の第2金曜)
例1)相場が上昇し当日のSQ値が15500円になった場合
先物売り:1525万を1550万円で買い戻すので25万の損失
現物売り:1500万で購入して1550万で寄付きで売るので約50万の利益(若干数値はぶれます)
トータル25万の利益
例2)相場が下落して当日のSQ値が14000円になった場合
先物売り:1525万を1400万で買い戻すので125万円の利益
現物売り:1500万で購入して1400万で寄付きで売るので約100万の損失
トータル25万の利益
要は、個人投資家が現物を買ったり空売りする一方向の取引ではなく、日経ダウ(相場)が上昇しようが下落しようがSQ日にはポジションを解消する事で利益が必ず出ると言う事です。
特に、上昇相場で裁定取引の買い残が膨らんでいる時には、先物主導で相場が崩れた際にSQ日ではなくても理論ベーシスが大きくなれば機械的に裁定解消の現物売りが大量に出るので、相場が大崩れする要因になります。
また、夜間取引では先物市場しか開いていないのでで間隙を突かれて売り浴びせられるケースが多く、世界株式市場が大きな調整局面に直面している現状が正にその(仕掛け的な売り浴びせによって恣意的に下落させられる)典型的なパターンに入ってきているのではないでしょうか?
商いの薄い夜間取引で大幅に下落していれば、SQ日でなくても裁定解消の現物売り=先物を買い戻すのと同時に現物を同数量売られるので下値で寄付き波乱の展開になります。
優良な個別株(日経ダウ銘柄)を割安感から買っても、この様な(アルゴリズムによる)自動売買の裁定取引が介在すれば,業績の良し悪しとは無関係に売られますから、落ちてくるナイフに手を出す様な行動は避けるべきです。
ただ、空手形(サブプライム)で膨らんでいたバブルの崩壊によるリーマンショック時の様な大暴落は考えにくいので、成長性や将来性が見込める銘柄を週明けにも安ければ難平(ナンピン)を念頭に余裕資金で購入するのは2年以上の長期スパンで見れば健全な投資行動になるでしょう。
一番やってはいけない事は、レバレッジを掛け過ぎたデイトレードやスキャルピングであり、飽く迄も生活には支障のない余裕資金で投資すれば一喜一憂する事はない訳です。
例えば1億余裕資金がある人が、1000万で買った株(現物)が500万になっても高が5%の損失…まして500万でナンピンして数年後でも1000万に戻れば500万の利益です。
実際にリーマンショックで金融資産(余裕資産)が半値になっていた大口顧客でも底値で買い増(ナンピン)しした人は今年になって20%程度のプラスに転じている方が数名います。
ところが、500万しか余裕資金が無い人が信用取引で、レバレッジを掛けて1000万前後のデイトレードやスウィングをした場合には、たった1週間で全ての資金を失うのが落ちです。
長くこの世界に生きていると悲惨な結末を迎えた俄か投資家を嫌と言うほど見てきています。
身の丈に合った投資行動が鉄則なのですが、昨今では俄か投資家のレバレッジありきの投機的な取引が膨らんでいるので、逆に追証発生に寄るロスカット狙いの投資銀行やヘッジファンドの格好の標的になり易い訳です。
個別株でさえ個人投資家の信用倍率を見れば、手の内は見透かされて幾らでも狙い撃ち出来ますから…
余談が多くなりましたが、次回は質問2に関して日経ダウの暴落の引き金になり兼ねない悪魔のデリバティブ日経ダウリンク債について簡単に解説したいと思います。 naniwa335
週明けの相場展開(予想)の詳細に付いては直前記事を御参照下さい。
どちらにしても、理由なく上昇した日本株式市場(アベノミクス相場)は荒唐無稽なので、不況寸前の実体経済に収束していけばリーマンショック以来の崩落も念頭に入れなければならないでしょう。
さて、ある読者の方(Mさん)から数回に分けて同様の(かなり複雑な)質問を受けているので、今回はそれについて簡単に解説したいと思います。
質問内容
1:日経平均の裁定取引を分かり易く教えて下さい
2:日経平均には様々な仕掛けがあると記事に書いていましたが、具体的にどういう事ですか?
3:SQはどうして波乱の要因になるのですか?
恐らく、以上の様な質問の概要だったかと思います。
これらは全てリンクしているので、順を追って説明したいと思います。
1:日経平均裁定取引とは所謂アーピトラージと呼ばれるもので、一般には現物と先物(または期近先物と期先先物)の時間的な理論値(価格)が開いた時にその利鞘を得ようとする取引です。
下記グラフでは金利と記載されていますが、理論ベーシスと覚えた方がいいでしょう。

※日経平均の現物とは全ての銘柄(225銘柄)を買わなければならないので、最低ロットでも数十億円になり投資銀行等の機関投資家によって取引され通常は個人投資家とは無縁の取引になります。
当然ながら、先物を同数量買わなければ相対できないので最低でも500枚(80億円)程度の大きな取引になります。
詳細は割愛して、数字を小さくする事によってその仕組みを分かり易く説明します。
例えば、日経平均が15000円の時に先物の価格が15250円に上昇したとします。
この時に1000倍の1500万の現物を購入すると同時に先物一枚(1525万円)を売ります。
裁定取引によって現物と先物の差異25万円です。
さて、それではこのポジションをどの様に閉じれば利益が確定するのでしょうか?
そこで、利益確定に不可欠なのが3番目の質問に出てきたSQ日(特別指数清算日)になります。
(メジャー)SQというのは先物の(強制反対売買)決済日の事を指し、全ての日経平均銘柄が寄り付いた価格がSQ値と呼ばれて一般的な寄付き価格とは違います。
通常は、SQ当日引け後に確定値が発表されます。(先物SQは3.6.9.12月の第2金曜)
例1)相場が上昇し当日のSQ値が15500円になった場合
先物売り:1525万を1550万円で買い戻すので25万の損失
現物売り:1500万で購入して1550万で寄付きで売るので約50万の利益(若干数値はぶれます)
トータル25万の利益
例2)相場が下落して当日のSQ値が14000円になった場合
先物売り:1525万を1400万で買い戻すので125万円の利益
現物売り:1500万で購入して1400万で寄付きで売るので約100万の損失
トータル25万の利益
要は、個人投資家が現物を買ったり空売りする一方向の取引ではなく、日経ダウ(相場)が上昇しようが下落しようがSQ日にはポジションを解消する事で利益が必ず出ると言う事です。
特に、上昇相場で裁定取引の買い残が膨らんでいる時には、先物主導で相場が崩れた際にSQ日ではなくても理論ベーシスが大きくなれば機械的に裁定解消の現物売りが大量に出るので、相場が大崩れする要因になります。
また、夜間取引では先物市場しか開いていないのでで間隙を突かれて売り浴びせられるケースが多く、世界株式市場が大きな調整局面に直面している現状が正にその(仕掛け的な売り浴びせによって恣意的に下落させられる)典型的なパターンに入ってきているのではないでしょうか?
商いの薄い夜間取引で大幅に下落していれば、SQ日でなくても裁定解消の現物売り=先物を買い戻すのと同時に現物を同数量売られるので下値で寄付き波乱の展開になります。
優良な個別株(日経ダウ銘柄)を割安感から買っても、この様な(アルゴリズムによる)自動売買の裁定取引が介在すれば,業績の良し悪しとは無関係に売られますから、落ちてくるナイフに手を出す様な行動は避けるべきです。
ただ、空手形(サブプライム)で膨らんでいたバブルの崩壊によるリーマンショック時の様な大暴落は考えにくいので、成長性や将来性が見込める銘柄を週明けにも安ければ難平(ナンピン)を念頭に余裕資金で購入するのは2年以上の長期スパンで見れば健全な投資行動になるでしょう。
一番やってはいけない事は、レバレッジを掛け過ぎたデイトレードやスキャルピングであり、飽く迄も生活には支障のない余裕資金で投資すれば一喜一憂する事はない訳です。
例えば1億余裕資金がある人が、1000万で買った株(現物)が500万になっても高が5%の損失…まして500万でナンピンして数年後でも1000万に戻れば500万の利益です。
実際にリーマンショックで金融資産(余裕資産)が半値になっていた大口顧客でも底値で買い増(ナンピン)しした人は今年になって20%程度のプラスに転じている方が数名います。
ところが、500万しか余裕資金が無い人が信用取引で、レバレッジを掛けて1000万前後のデイトレードやスウィングをした場合には、たった1週間で全ての資金を失うのが落ちです。
長くこの世界に生きていると悲惨な結末を迎えた俄か投資家を嫌と言うほど見てきています。
身の丈に合った投資行動が鉄則なのですが、昨今では俄か投資家のレバレッジありきの投機的な取引が膨らんでいるので、逆に追証発生に寄るロスカット狙いの投資銀行やヘッジファンドの格好の標的になり易い訳です。
個別株でさえ個人投資家の信用倍率を見れば、手の内は見透かされて幾らでも狙い撃ち出来ますから…
余談が多くなりましたが、次回は質問2に関して日経ダウの暴落の引き金になり兼ねない悪魔のデリバティブ日経ダウリンク債について簡単に解説したいと思います。 naniwa335