マニアックな読者の皆様、お早う御座います。

NHKに関しての前記事は「内容が難しいので、出来れば本来の経済関連について戻って下さい。」といった要望が多かったので、今回は多くの方から質問を受けている空売りに関して触れたいと思います。

空売りとは?

株式を所有せずに、又は所有している場合であってもそれを用いず、他人から借りてきた株券を用いて売却を行うこと。
近い将来に株価の下落を予想している場合において、現時点の株価で売却し借りてきた株券で決済を行い、株価が下落した時点で買戻しを行うと同時に貸主に株券を返却する。結果として売却時点での価格と買戻し時点での価格の差し引き分が利益となる。
空売りには株価の下落を予想している場合にその差額から得られる利益を狙った投機的なものと、所有株式の株価下落による損失をヘッジするためのつなぎ売りの2種類がある。(東証HPより抜粋)

空売りの流れを簡略化すると以下のようになる。

  1. 投資家証券会社から株を借り、それを市場で100円で売る。投資家は株を売った代金100円を得る。
  2. 後日、当該株価が下がり市場で同じ数量の株を代金90円で買い株式を手に入れる。
  3. この90円で買った株式を証券会社に返却する。差額の10円が投資家の手元に残り、これが投資家の利益になる。

実際には投資家は売買に関する手数料のほか、株を借りたことによる貸株料を証券会社に支払う。証券会社ははじめの売却代金である100円を預かるので、その金利(日歩)を投資家に支払う。ただし売り長で株不足になった場合には金利を支払わなくてはならない場合があり、これを品貸料あるいは逆日歩と呼ぶ。

空売りでは投資家が証券会社から株を借りるので、投資家と証券会社との間に信用関係があることが条件になる。空売りのような行為は信用取引と呼ぶ。このため空売りを行うには証券会社に信用取引口座を開設する必要がある。

もし空売りした株の値段が予想に反して上昇した場合でも投資家は証券会社に株を返却しなくてはならないので、空売りした時よりも高い値段で株を買い戻さなくてはならない。この場合には投資家は損をする。空売りによる利益は倒産等による株式の無価値化の場合に最大となり、その金額は空売りを行った金額以下(上記例では100円、実際には株価は0円にはならないのでそれ以下)に限定される。一方で株価が予想に反して上昇した場合には、損害が天井知らずという危険性を持っている。このことは「買いは家まで 売りは命まで」という格言に象徴される。(Wikipediaより抜粋)


上記の様に難しく書いてありますが、掻い摘んでいうと、日証金等から借りた株を市場で売る事である。
下落した時には、買戻し価格が売り建て価格より低くなるためにその差額が利益になり、逆に意に反して上昇すればその差額が損失になる。
もっと単純に考えれば、空売りは信用取引の買い方と真逆の裁定(投資方法)である。

本来の現物取引では、株を借りる事は出来ないので信用取引口座の開設が必要条件になる。

詰まり、相場が過熱気味で新高値を更新している銘柄等を財務指標やテクニカルで判断し、これ以上の上値を追うのは難しい銘柄を選別して空売りを掛ける場合がある。(無論、保有株式のヘッジの為のつなぎ売りは別になる)

よく下落局面では「から売りが有効である。」と、いうがそんなに簡単にはいかない。

1:投機マネーが支配している日本株式市場は相場が本当にピークアウトしたかどうかの判断は非常に難しい。

特に、金融緩和で過剰流動性に寄る資金が市場に流入すると高値を更新している銘柄に限って狙い撃ちにされて踏み上げられるリスクは極めて高くなる。

2:買い方は数理上、下落しても損失は限定されるが売り方の損失は青天井である。

例えば富士重工の株価は、アベノミクス以前は600円~700円であった。
例えば、仮にその時点で買って現状まで売らずに放置していれば株価は4~5倍に上がっているので大きな利益を享受できたが、一方で売り方は大きな損失を被る結果になる。
※売り方が常識的にここまで買い戻しをせずに放置する事はないので現実には20~30%損失が出たところで決済するが、それでも損失は大きい。

3:初めて空売りと言う手法を知って割高の株を物色して安易に空売りを入れる俄か投資家が多く、その場合には当該株の信用倍率が低くなる傾向があって、例えばエプソンなどは0.1倍台まで下がった時があり、それ以降は売り方の意に反して一気に株価が上昇した。
分かり易く言えば、売り方が買い方の10倍近く多い訳だから買い圧力が非常に強くなっていて投機筋がピンポイントで売り方のロスカットを狙って買い上げられるリスクがある。

これ以外にも、闇雲な空売りを推奨できない理由はたくさんあるが、概ね上記の理由が挙げられる。
そんなに簡単に思惑通りに行くほど、相場は甘くない。
相場上昇時には買い方より、売り方の損失が大きくなるのは至極当然であり、データからも明確である。

但し、買う場合と同様に自分なりのロスカットルールを設定して、感情に動かされずに機械的に損切りすれば大きな損失は免れる。

兎に角、買い方売り方(ロングショート)を問わずポジションを取った場合には利確ポイントと同時に損失を限定させるためにロスカットポイントを明確にしておくのが鉄則である。                      naniwa335