オリンピック東京決定のお祭り騒ぎ…未だ冷めやらぬ状況のようですが、相場はそう単純には動かないでしょう。
本日に限っては、熱しやすく冷めやすい日本人個人投資家の勢いで大幅上昇は確実…文字通りの御祝儀相場になるのは必至ですが週末には現状の疲弊した経済状況に引き戻されて冷めている公算が高いと推察されます。
昨日も、既述した通り(身振り手振りの)プレゼンが完璧だったのはオリンピック招致請負人英国人ニック・バレー氏の力が80%以上で、そうでなくとも下馬評の高かった東京に決まったのは、至極当然であった。
また、競合したイスタンブールの地政学的リスクやスペインの経済破綻リスクと言うネガティブファクターが大きかったので、この二つに仮に負けたら、未来永劫日本開催は無理であったであろう。
兎に角、東京に決定した事は少なくとも日本国にとってマイナスではなかったのは確かで、素直に喜びたい。
但し、粗消費税増税は確実になり、市場は来期業績の腰折れ懸念が台頭してきて日経ダウ全体が大きく上昇する5月の様な大相場にはならず、関連銘柄の個別物色に収束していくのは間違いなさそうである。
東京五輪決定は株価にプラス、インフラや観光刺激-政策相乗
9月8日(ブルームバーグ):アルゼンチンで7日に開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で、2020年夏季五輪の開催都市が東京に決まった。東京での五輪は56年ぶり。インフラ整備の進展、観光客の増加など幅広い経済効果が期待できるとし、週明けの日本株市場では関連銘柄を中心に相場全般のプラス要因になりそうだ。
しんきんアセットマネジメント投信運用部の藤本洋主任ファンドマネジャーは、「短期的にはご祝儀的な動きに加え、経済効果への期待も高まり、日本株全体にポジティブに働くだろう」と予想。特に建設や不動産などインフラ分野、レジャーや宿泊施設といった観光分野をはじめ、「関連する銘柄には買いが膨らむ」とみる。東京が有利との見方が多かったため、「五輪関連銘柄のパフォーマンスは既に相対的に良好だが、完全には織り込み切れていない」と言う。
明治安田アセットマネジメントの小泉治執行役員も、日本株は「東京に決まることをかなり織り込んでいる」としながらも、「建設をはじめ、関連銘柄が一層買われることになるのかもしれない」と話した。
1996年アトランタから2012年ロンドンの5回の開催都市決定、開会式当日までの株価推移を見ると、アトランタは90年9月に決まり、同月末から開会式日の96年7月19日まで米ダウ工業株30種平均 は2.2倍に上昇。同様の期間に、2000年シドニーはASX全普通株指数 が64%高、04年アテネはアテネ総合指数 が27%高、08年北京は上海総合指数 が36%高、12年ロンドンはFTSE100指数 が6.5%高となった。
リーマン危機挟むロンドン、長野の記憶
経済情勢によりパフォーマンスに差はありながら、いずれも上昇。アテネはITバブル、北京とロンドンはリーマン・ショックなど世界的金融危機を途中に挟んでおり、開催日までの経済活性化期待が相場の押し上げ、下支え要因になってきたことがうかがえる。
ロンドンの上昇率は小幅だったが、07年6月には6732ポイントの高値を付け、開催が決まった05年7月から27%上げる場面もあった。16年に開かれるブラジル・リオデジャネイロの場合、ボベスパ指数 は決定した09年10月から10年11月の高値まで一時19%上昇。その後は、経済の低成長やインフレなどへの警戒で、5日時点は16%安と軟調だ。
しんきんアセットの藤本氏は、東京五輪の実際の開催は7年後と先が長く、「経済効果がすぐに出始めるわけではない」と指摘。相場の押し上げ効果も短期にとどまり、「事前に大きく上昇した関連銘柄は早々に利益確定売りに押される」との認識も示した。
日本で98年に冬季五輪が行われた長野の場合、91年6月15日のIOCバーミング総会で開催が決まった。バブル経済崩壊と不良債権処理、山一証券破たんなど金融危機のさなかで、決定日(休場日のため翌営業日)から開会式当日の98年2月7日(同)まで日経平均株価 は31%下落。当時は、インフラ整備に関係性が強い東証建設業指数 も同期間に64%下落、長野地盤の八十二銀行 は25%安、北野建設 は82%安、土産品卸のタカチホ は開催決定後に新規株式公開し、94年10月から63%下げた。
総じて厳しいパフォーマンスを強いられたものの、北野建も決定から1カ月後には31%高となる2218円の上場来高値を付けており、相場全体が不振の中でも活躍場面を見出すことは可能だ。
経済効果が持続性左右か
明治安田アセットの小泉氏は、「開催決定による短期の反応が終わった後も、五輪関連の具体的な計画が決まったりするたびに、折に触れ相場の刺激材料になりそう」とみている。
岡三証券が算出、東京五輪の開催で恩恵を受けると期待される79銘柄で構成した「東京五輪関連株指数 」(算出開始時の09年末=100)は、6日時点で197.94。年初来上昇率は45%と、同期間のTOPIX上昇率33%を上回る。
東京都の試算では、五輪開催による国内経済への波及効果(生産誘発額)は、13年9月の準備段階から20年9月の大会終了までの7年間で2兆9609億円。資本投資の分析対象は、五輪で使用される予定の競技会場や選手村などの施設のみで、大会開催の有無にかかわらず整備される道路、鉄道などのインフラ整備費は対象外としている。
都の試算を過小と見ている大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは、五輪開催の決定で国土強靭(きょうじん)化政策を進めやすくなり、老朽化したインフラの再構築を加速させ、観光の伸びなども踏まえれば、「7年間で平均して1.1%程度のGDP押し上げ効果があってもおかしくない」と分析。五輪招致の成功による「日本経済へのインパクトの強さはまだ認知されておらず、そこはかとなく良いと思われている程度」と受け止める。
招致活動のスローガンであった「ニッポン復活」に向け、競技会場の新規整備や交通インフラなど社会資本投資の増大を中心に、20年の大会開催に向け新たな経済成長への期待が徐々に高まっていく可能性がある。野村証券では、東京での五輪開催は安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」と相乗効果を生むと見て、五輪が刺激し、業績面へのポジティブな影響が期待される銘柄として大成建設 、太平洋セメント 、JR東日本、三井不動産 、ゼビオ 、綜合警備保障 の6社を挙げた。
本日は御祝儀相場で、関連株は一層の買い上がりが予想されるが短期的な過熱感から今週末には大きな調整が入りそうである。
特に建設株の大成建設や鹿島は噴水チャートを描いて今日は高騰するであろう。
引け後雑感
粗方、予想通りの展開…オリンピック開催決定位では個人レベルでの物色買い濃厚で中長期資金は依然として慎重姿勢を崩さずに流入する気配はない。
経済成長が本当に見込める状態なら14500円を超えてもおかしくない程、オリンピック開催決定は大きなサプライズになった筈だが機関投資家は未だ様子見ムードである。
例えば、225銘柄候補であった任天堂は8%もの下落、逆に日東電工は225組み入れで9%の上昇…業績云々ではなく、需給関係で動くだけの市場は非常に怖い。
また、4~6のGDP改定値が年換算で3.8%…オリンピック招致決定と共に消費税増税の条件は整った。
4-6月期GDPは年率3.8%増へ上方修正-消費増税に追い風 (2)
9月9日(ブルームバーグ):4-6月期の国内総生産(GDP)改定値は物価変動の影響を除いた実質で、前期比年率3.8%増と、速報値(2.6%増)から上方修正された。市場予想はわずかに下回った。設備投資を中心に上方修正されたことが全体を押し上げた。成長率が大幅に上方修正されたことで、来年4月からの消費税率引き上げの判断を後押しするとの見方も出ている。
内閣府が9日発表した同期のGDP改定値は、前期比0.9%増と速報値(0.6%増)から上方修正。ブルームバーグ・ニュースによる事前調査の予想中央値では前期比1.0%増、年率3.9%増が見込まれていた。
需要項目別では、2日公表された法人企業統計の内容を加味した結果、設備投資が同1.3%増と速報(0.1%減)から大幅に上方修正。公共投資も同3.0%増と速報の1.8%増から大きく引き上げられた。半面、GDPの約6割を占める個人消費は同0.7%増と、速報(0.8%増)から下方修正された。
安倍晋三首相は、今回のGDP改定値や来月公表される日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)など経済情勢を総合的に考慮した上で、来年4月からの消費税率引き上げの是非を10月初旬に最終判断する。GDP発表後に会見した甘利明経済再生担当相は消費増税の判断について、東京五輪の決定も含めて「いい材料が加わった」と述べた上で、安倍内閣の政策効果が着実に出ているとの見方を示した。
今回の結果を受け、SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「ほぼ市場予想並みで、明確な景気回復を確認する結果」と述べた。1-3月期以降のプラス成長が7-9月期も続く見込みとし、東京での五輪開催が決定したことも相まって「消費増税が決断される可能性がかなり高まった」と指摘。焦点は増税に伴う景気対策に移るとみている。
詰まり、これからは消費税増税でどの様な企業がダメージコントロール出来るかが、物色対象になる。
御祝儀相場でも、業績悪化が確実なニコンやキャノン等の精密機器メーカーは殆ど反応しなかったことからも、個人投資家も冷静で日経ダウ全体が押し上げられる要素は少ない。
シリア情勢に欧州財政危機、米国金融縮小懸念に、国内の消費税増税と汚染水処理問題は誰がどう考えても市場の重石になるのは確実で、野村証券ストラテジスト 山口正章氏の「条件が整えば年内には18000円も有り得る。」という胡散臭い業界特有の楽観論は余りにも現実性のない机上の空論である。
消費税増税が決まれば、財政規律の体裁を繕えるので為替に関しても日本売りに寄る極端な(悪性の)円安は避けられそうである。
皮肉な事に95~105円/$前後のボックスレンジが続けば円安期待で上昇してきた相場(日本株式市場)には重石になる。
どちらにしても、今週末には恐怖のメジャーSQを控えているので、軽々には買い進めない…仮に単なる気分の高揚で出来高が薄い中で14500円を週半ばに超える様な事になれば機関投資家の裁定解消で金曜日には大暴落と言うシナリオも考えられる。
個人的にはメジャーSQの9/13(金曜)はその後の日本市場を占う上で非常に大きなターニングポイントになると考えていて無難に乗り切れば14000円で底値を固めて年末には再度15000円を試す可能性もあるが、裏目に出れば年末に12000円割れと言う最悪のシナリオも想定される。
個人的には後者の確率が(75%位で)圧倒的に高いと見ている。 naniwa335