「チコちゃんに叱られる!」が放送300回を迎え、本木雅弘 がバラエティ番組に出演するのが珍しいから観ていたのだが、まず始めに「君」とはなにかという疑問を扱っていた。「誰々くん」と呼ぶときの「君」だが、これは吉田松陰が立場を超えたコミュニケーションができるようにと松下村塾で使われたのがルーツだという説明がされていた。身分制度があった時代のことである。その後、明治時代になり、階級が取り払われると、新しい時代の言葉として、書生たちのあいだで使われるようになった。
漱石の「坊っちゃん」にも君付けが出てくるのだが、そういえば、本木雅弘は「坊っちゃん」をドラマで演じたことがあった。モックン、フックン、ヤックンと呼ばれる「シブがき隊」というグループ名も、それを思えば、どこか幕末の匂いを感じさせる。幕末から明治になり、階級が取り払われたときに君付けで呼び合うようになったのがシブがき隊という組織なのだと考えられる。
この番組によると、教科書に君付けが掲載されたことからその呼びかたが全国に広まっていったという。しかし、それよりも早く君付けが定着したのは国会の場だったようだ。たしかに、国会の答弁の場で、「◯◯くん」と呼ばれる場面はよく目にするものだ。松下村塾出身の伊藤博文の時代から始まった習わしなのだが、「ラサール石井くん」「田中康夫くん」ということになると、それはもう「平成教育委員会」みたいにならないだろうか。