本ブログでは一貫して円安に対する日銀の姿勢を疑問視しており、異次元金融緩和、指値オペを即刻中止すべき、一時的な利上げはやむなしというスタンスをとっている。
唯一、日銀寄りの考え方を示すと、利上げをしてしまうと日銀が債務超過になり、円の価値がないと判断され、暴落が起きてしまうということだ。それなら指値オペをしておき、世界不況が起きるのを待つという判断だ。しかしながら、指値オペをするということは国債を日銀で買い続けるということであり、打ち出の小槌ではないのだから、いつかは破綻する(そもそも債務超過になったとしても、政府が増資をすれば全く問題は生じなく、指値オペには正当化するだけの理由はない。)。
ここで円安のもたらす効果を輸入企業で検討する。
エネルギーを輸入している会社であれば、価格は変動制になっているのでまだ理解できる。
しかしながら、急激な価格転嫁が難しい輸入企業は、利益を縮小するだけである。その間に損失が利益を上回り、円安倒産が進む。倒産により雇用が困難になるから、個人の消費は冷え込む。
iPhoneの価格は2割上がった。Androidも、PCも外国産のものはブランド価値を守るため、国際的転売を避けるため、値上げをせざるを得ない。唯一考えられるとしたら、国産の需要を上げていくことであるが、何十年かけて円高対策で国内生産を海外生産にシフトしてきたものをまたもとに戻すのは得策ではないし、それこそ建て直しは不可能だ。
続いて輸出企業で検討する。
異次元金融緩和をすることで、輸出企業にはメリットはある。しかし、輸出企業っていったいどのくらいあるのか? 筆者が調査したところ、全体の15%であった。観光事業も良いだろう。コロナの問題で人数制限をかけているところ、いっそ無制限で受け入れても良い。コロナの認定水準を変えれば、コロナの感染者数は激変する。
円安なので、不動産も外国人にたくさん買ってもらうよう誘致する。外国企業を優遇して受け入れるようにすることで、雇用の問題も解決する。日本は韓国ほどではないが、英語は普及している。
個人消費でいえば、ゼロ金利によって住宅ローンの恩恵は受けられる。その一方で個人生活に照らせば、消費税を上げたのだから、いわばアクセルとブレーキを同時に踏み込むようなものだ。大企業は政治献金があるから、大企業優遇にし、足りなくなった予算を個人から取るというスタンスとlしか考えられない。WBSで見たところ、バイデン大統領は富裕層や大企業に増税する方針を決めたようである。日本とは真逆である。
それにしてもこれまでの対応がおかしすぎた。鈴木財務相は来日したイエレンに陳情したところでまったく意味をなさない。財務省として交渉をするのだから、日本で話をするのではなく、自分から相手方のオフィスに乗り込むべきだ。ここまで問題が大きくなったので、米国だけではなく、ロシアや中国といった影響力のある国ともきちんと交渉すべきだ。
これらの問題は、岸田内閣にてきちんとコントロールしなければならない。ロシアのウクライナ侵攻が悪い等で片付ける問題ではなく、日本自身の問題としてとらえるべきだ。現に原油価格は侵攻前に戻り、ルーブルの価値も変わっていない。日本とユーロだけが割を食っている。こうした現状に照らし、ECBは金融緩和を止め、利上げを行った。SNBも、自身の通貨に価値がないと判断し、利上げを行った。
さて日本はどうすべきか。
一番の経済問題は円安なのだから、まずは責任の所在を明確にし、年内までに円レートを110円に戻す等、目標をしっかりと持つ。25円戻すのは相当難易度が高いが、多少の株価が一時的に下がっても、住宅ローンが一時的に上がっても、これからの日本経済を立て直すためだから、ハードランディングでも構わない。「角を矯めて牛を殺す」の逆だ。
目標の実現に向けて、施策・外交をどうするか。細かいことで言えば、大規模金融緩和・円安に酔いしれた日銀の責任者を任期まで待つ等のんびりとした姿勢を取らない。そうこうしている間に円キャリー取引による投機的な円安が進むのだから、待ったなしで、大胆迅速に行動する。
老人の首は即切り、釈明の機会を与えない。黒田の息のかかった不良幹部も一掃する。日銀が政府の子会社というのであれば、普通親会社から建て直しができる人を出向させるはずだ。
そこで、イケてるマネジャーを採用する。プロスポーツ、ビジネス、将棋等の世界をみてもわかる通り、老人にPDCAを回すことはできない。イケてるマネジャーとは、PDCAを素早く回し、必要な人と交渉ができる人のことだ。体力、経験、頭も冴え渡る20代後半から40代前半が理想だ(交渉については、若い人では経験不足な面もありそうなので、シニア層とタッグを組むことが考えられる。)。プロがストイックに頑張らなくてはならないのかは、イチローにしても、大谷翔平にしても藤井聡太にしても、彼らが良い例だ。彼らは常に自分のミッションだけを考え、一切の欲望を捨て活動する。ファンドマネジャーの定年が35歳と言われているのも、知力・体力・気力が要求されているからであろう。
どうすれば円安を解消するかは筆者なりの考えはある。しかしこれを実現するのは容易ではない。
しかしながら、方針を考えるのは政府の役割なので、ここでは問題提起するにとどめる。そのために我々の税金を使って、役人に高い報酬を支払っているのだから、ワークライフバランスとか働き方改革なんてやめて、一所懸命やってほしい。
要はここで日本の底力を見せていかないと、日本円は紙くずになり、最終的にはトルコやスリランカのようになってしまうということだ。