『気になる部分』 | 本だけ読んで暮らせたら

『気になる部分』


『気になる部分』  岸本 佐知子/著  白水ブックス (2006) (初出2000年)


妄想大魔王(ん? 女性にも“魔王”という言葉を充ててイイのか?)、岸本佐知子氏のエッセイ。 『ねにもつタイプ』 が余りにも面白かったため、これも探していた。やっと入手。


『ねにもつタイプ』で、私の脳内ネットワーク中に抗体ができたためか(?)、抱腹絶倒、とまではいかなかったが・・・やはり面白い。

車中で読む場合は、ニヤケタ顔を他人の目に晒さないように注意しなければならない。


それにしても、この岸本さんは色々なことを考えるヒトだ。

色々なことを考えてはいるが、それが何かの役に立つことはほとんどなさそうだ。

どうでもイイこと、他の人ならサラッと聞き流すようなこと、読み流すようなこと、そんなことばかり考えているようだ。

細かいことに拘る事もあれば、かなり大胆に端折った考えをしたり・・・・。

どうでもイイ妄想をしたり、役に立たない考えが浮かんだり、そういうことは一種の天才にしかできないことだと思う。大抵の人は役に立つことばかりを考えようとするから・・・。

さらに、そういったどうでもイイ妄想や役に立たない考えを軽妙な文章にしてみせる。。。

とんでもない才能だ。もの凄く羨ましい・・・。



さて、この岸本佐知子氏、ニコルソン・ベイカーというアメリカ人作家の作品をいくつか翻訳しているそうだ。この本の中でもニコルソン・ベイカーのことにかなり触れている。

で、このニコルソン・ベイカーという作家(が描く作品)がまた、翻訳者に輪をかけてヘンテコらしい。

ヘンテコな作家の作品をヘンテコな翻訳家がどのような日本語作品にしたのか? すごく興味がある。。。