バンコク旅行記、タイで初めての子ども図書館ダルンバンナーライ子ども図書館訪問記の続きです。
この図書館では、本の貸し出しだけではなく、アクティビティも人気だそうです
アクティビティはこの庭で行われます。
アクティビティのお知らせも館の入口に掲示してあります。
2時になると、ポンアノン先生がアレンジしてくださった、2階でスターティップ館長さんのお話をうかがう時間になりました。
二階の部屋に通されると、エアコンの効いた会議室で、スクリーン映写の準備までされて本格的です!
ちょっと驚きました。
館長さんの登場にまたまたびっくり。
とても美しい上品なシニア女性で、おめしものもさりげないながらステキです。
絵本作家チーワン先生もいらっしゃいました。
全く子どもの本に関係ないけれど、私のつきそいで来てくれた夫も同席するんで、それに配慮して、英語で話してくださいました。
スタッフのOさんがスライドとともに解説してくださいます。
ダルンバンナーライ子ども図書館は、現在蔵書8400冊。
登録者数1701人。
初年度会費は300バーツで、次の年からは200バーツになります。
貸し出しは2週間で3冊です。
ところが・・・子どもさんの中には、この会員IDを三つつくって(たぶん、両親と自分)年間600冊借りたお子さんもいたそうです。
「そのお子さんはほんとうに本が好きなんですね!」と私がおどろいてOさんに尋ねると(タイ語)
「そうなんです」とのこと
そして、読書数をふやすために、会員にはノートをあげて、1冊貸し出すごとにスタンプを押すそうです。
スタンプがいっぱいになると、ちょっとしたプレゼントがもらえます。子どもたちはとても楽しみにしているそうです。
私たちのバンコク子ども図書館のMさんは、
「私たちの子ども図書館ではそういうごほうびは出してないです」
というと、館長さんは、
「日本人はそれができるのよね」
とユーモアをこめておっしゃいました。
順調に年間貸し出し冊数はふえてきたのに、コロナ禍で休館を余儀なくされた2021年は13288冊に落ち込んでしまいました。
でも、2023年は21565冊まで回復しているそうです。
そして土曜日はストーリーテリングの日、
日曜日はアクティビティの日、
火曜日は学校行事のプレイグループが行われます。
アクティビティでは、工作をしたり。これは見せてくれた口がぱくぱくする紙コップのワニさんです。
けれど一番人気のあるアクティビティは「クッキング」だそうです。
担当のOさんは、市場を歩き回って、食材やアイディアを練るそうです。
なるべく、カオトム(タイふうおかゆ)などで野菜を食べてもらいたいと思っています。
最近とても人気があったのが、
「たこやきコロッケ」命名して「コケッコ」
コロッケをたこやきの形にしてソースをかけて食べたそう。
「どうしてたこ焼き?日本の料理をご存知でしたか?」と私がOさんに尋ねるとOさん笑ってしまいました。
館長さんのお孫さんもそれに参加しましたが、
「これを食べて!」
と差し出されると、
「この泥もまじったような指あとだらけの練りだんごを食べなければいけないのか?」
としばしまじまじと見たそうです。
でも、ポンアノン先生は、
「あら、私は孫のつくったのをぽいっと口に入れてすぐ食べましたよ」
とのこと。
「この図書館でうれしかった経験はなんですか?」
と尋ねると、館長さんが
「それはOさんにきくといいわ」
とのことで、Oさんはしばらくうーんと考えてから、
「ここに来て7年働いているので、子どもたちの成長が見られることです。
子どもたちは小さい子どもから大きな子どもに育って、読んだ本もかわっていく。
その成長を見るのが楽しみです」
とのこと。Oさんの熱心な働きぶりがよくわかりました。
「この図書館は、バンコクの中心部から少し離れていますが、どうやって借りにくるようにお知らせされましたか?」
と尋ねると、館長さんは、
「開会式にはこの図書館を記念として、シリントーン王女さまがいらっしゃったの。
それはたくさんの方が王女さまを見に来られましたわ」
なるほど!
「それに2018年には秋篠宮紀子さまが、ご自分から希望されて、見学に来られたんですよ」
たしかに、紀子さまが子どもの利用者さんと交流されているごようすの写真が館内にはかざられています。
バンコク子ども図書館の友人Mさんが気になったことを質問されました。
「所蔵する本の情報はどこから得られているんですか?」
たしかに、バンコクでは一般の書店でいろいろな子どもの本を見たり買ったりするのはむずかしいです。
バンコク子ども図書館には「タイ語班」もあって、タイの絵本に翻訳を添付して所蔵しているのですが。
するとOさんは
「ブックフェアです」
と答えられました。
「えっ、ではこの前の10月のブックフェアも行かれたんですか?」と私。
「ええ」
やっぱりブックフェアか・・・
今回雨季のブックフェアをラーマ8世橋のためにあきらめたんですが。
そして、チーワン先生にも質問の時間があって、私は
「新しい絵本のアイディアはどこから出るのですか?」
チーワン先生はひとこと
「旅(ダーンターンเดินทาง)です」
そうそう、チーワン先生は「移動お話活動」ニターン・ダーンターンนิทานเดินทางというのをされていて、子ども病院や地方の学校などで、お話会活動をされているのです。
(コロナ禍のときはYouTubeで)
そこで、チーワン先生がうれしいプレゼントが、Oさん、Mさん、私にくださいました。
チーワン先生の人気絵本でシリーズ化されている
『イーレーンケーンコーン』
その主人公で、いつもふきげんなガチョウのレーンくんのぬいぐるみです。
うれしい!
これはレアですよ!
(『イーレーンケーンコーン』についてはこのブログのこちらに書いています)
そして、ポンアノン先生が、今年のIBBYオナーリスト候補になった絵本をくださいました。
このダルンバンナーライ子ども図書館からも1冊購入しました。
実は・・・この絵本プレゼントがいかに貴重だったか、ということが、次の日の
「チュラーロンコン大学ブックショップ」
に行ったときにわかるのです。
実は私、ブックショップを今回パスしたのには、
「まあチュラー大ブックショップで主要な絵本は買えるだろう」
と思っていたからです。
しかし・・・
といちまつの不安も。
10年以上前は、
「タイで絵本がたくさん見られる場所は、ブックフェアかチュラー大ブックショップ」
って言ってきたのですが、もしかして、10年たった今、状況はかわっているのでは?
それも確かめたくて、チュラー大ブックショップを見学コースに入れたのです。
そして・・・待て次号(?!)
ちなみに、夫は
「このダルンバンナーライの見学の日が1番おもしろかった」
と言っていたのでほっとしました。
夫、子どもの本に関係ないながら、英語で(夫は海外転勤族で英語で仕事をしていたので、英語は問題なし)資金について質問までしていましたから・・・
なんといっても、
「あんなに知的で上品な方々にはなかなかお会いできないことだ」
と感銘をうけていたそうです