タイで年に1回、一般の本から子どもの本まで部門別に与えられる良書賞のうち、子どもの本関係を追っています。
これまでのものは、カテゴリー「タイ良書賞」でごらんになってくださいね。
第16回、さっそくわかったものだけご紹介しましょう。
3-5才部門
最優秀賞は、
『おもいやり』
この絵本は持っていました。
幼年絵本を精力的に創作しているポンチャンさんが文を書いてられます。(ポンチャン先生についてはこちらをごらんくださいね)
「もしおかあさんが家のおしごとをしていたら こどもはお水をあげます」
「おとうさんがなくしたくつを こいぬがソファーの下に持って行ったのをさがしてあげます」
そのほか、ブランコは交代で使おうとか、アイスクリームははんぶんこにしようとか、目の見えない人が横断歩道を渡るのを助けようとか、家のことから社会的なことまで書いています。
「お国をたすけようとしてけがをしたへいたいさんのことを思いましょう」
としめるところがタイらしいです。
奨励賞は、画像が見つからなかったのですが、「คนเก่ง」「じょうずなひと」も、同じくポンチャン先生が文で、同じようなシリーズと思われます。
これも画像が見つからなかったのですが「ป่าของไพร」「森の林」(??) これは、現在の代表的絵本作家で、ユネスコ野間原画コンクールも1982年と1990年の二回受賞しているクルーク・ユンパン先生の作品です。
ユンパン先生は良書賞初登場ではなかったでしょうか?
6-11才部門
最優秀賞は
『チャオブム』
この本は、1999年に出た『子どもと青少年のための良書500冊』に載っていたので、あらすじがわかりました。
カエルのチャオブムは、小さい池にまんぞくしていて、おかあさんやきょうだいたちがみんな池の外に出て行っても、ひとりで暮らしていました。
ところが、池がひあがってしまって、チャオブムは外の世界に出なければいけなくなってしまいました。
外の世界では、いろいろなほかの動物に出会って、友情をむすんだり、あぶない目にもあったりしますが、とうとうおかあさんときょうだいに会えます。それからは、ほかの動物たちと協力してしあわせに暮らしました、というお話らしいです。
『子どもと青少年のための良書500冊』には、あらすじのほかに、絵本の主題も説明されていて、この絵本は、
「子どもたちに社会と協力して生きることを考えさえる」ということだそうです。
奨励賞
『กอริลลา』『ゴリラ』 『 กิ้งก่าไปเยี่ยมเพื่อน』 『キンカーとかげともだちをたずねる』 、この二作はわかりませんでした。
『ちょうちょと草原』
これも、絵を先ほどのユンパン先生が描かれています。
ユンパン先生はW受賞ということで、ご活躍の波が始まりますね。
これも『子どもと青少年のための良書500冊』に載っていのであらすじがわかります。
「この物語の内容は「汚染」についてです。
農家の人たちの害虫駆除剤による土の汚染。
工場が無思慮で利己的なために廃液を川に流すこと。
森や木を焼いて煙害を出し、森から逃げ出す動物たちが死んでしまうこと
都市では車が渋滞して、スモッグになること」
このようなことが、一羽のちょうちょの目を通して、美しい詩句(タイの韻文)で描かれているそうです。
「どのページも美しく、かんたんに読めます」
とあります。
ユンパン先生の実力躍如の作品でしょうか、中も読んでみたいですね。
では、次回は1986年。これももう調べています(めずらしい)