これ、知ってる方にはなつかしいパンフレットでは?
もう「よくとってましたね」レベルですよね!
2008年に、シネマート六本木で「タイ式シネマパラダイス」として、新しいタイ映画が一挙8本上映されのたです。
パンフレットの中身はこんな感じです。
私はこわそうなのとアクションバイオレンスふうなの以外6本観ました。
この中央にいる昔風のいでたちの方の映画が、タイ歴史上、ビルマに支配されていたアユタヤを奪還したとして「大王」の称号で呼ばれている、ナレスワン大王の映画です。
いわば、タイの大河ドラマ的な感じ。
日本名のタイトルは
『THE KING』
第1部「序章~アユタヤの若き英雄~」と第2部「~アユタヤの勝利と栄光」が日本語字幕がついて1セットになったDVDが発売されています。
これがもう、タイ好きさんにはおすすめ!
とにかくお金をかけた壮大スペクタクル映画で、16世紀のタイの様子が戦闘のみならず、華麗な宮殿や寺院の中のすばらしい調度品、通りかかる美麗な衣装のゾウなどなど、目をうばわれっぱなしです!
ビルマとアユタヤは長く領土をめぐって攻防を続けていて、最初に占領されたのがこのナレスワン大王が子ども時代です。
次に占領されたときは、アユタヤが滅亡してしまいますが・・・
第1部はビルマに占領され、ナレスワンの子供時代、シャム族の王子として、捕虜となってビルマのホンサワディー国に人質として送られて、そこでの生活を描いています。
しかし、当時のホンサワディーのナンタブレーン王は、敵ながら、ナレスワン王子の資質を見抜き、王子を寺の小僧として預け、そこで名僧カチョーン師に、武術と学問と、帝王教育を学ばせます。
ホンサワディーのナンタブレーン王の孫息子は、ちょうどナレスワン王子と同じ年頃で、何かとナレスワン王子をいじめます。
しかし、ナレスワン王子は、浮浪児ブンティン、寺で養われている孤児の女の子マニーチャンとともにわんぱくな日々を送ります。
この第1部のハイライトは「闘鶏」です。
タイは「闘鶏」がさかんなのです。
実は、梅花女子大の児童文学の名誉教授三宅興子先生に以前
「タイの絵本にはニワトリがよく出てくる印象がある」
と言われたことがあり、宿題にもしています。
ナレスワン大王のお寺には、たくさんのニワトリの像があるそうです。
(行ったことないんですよね~)
もうひとつは、ナレスワン大王は武術にすぐれ、タイの「ムエタイの祖」とも言われていますが、その萌芽も描かれます。
第2部は大人になったナレスワン王が、本サワディー王国のナンタブレーン王の没後、暗殺されそうになったことを契機に、アユタヤをシャム族の手に奪還しようと決意し、最初に戦うまでです。
ここでの見所は「国際都市」アユタヤ。街には日本の着物を着た人たちも行きかい、ナレスワン王の陣営の医師はポルトガル人です。
そして、山田長政も出てきます!
演じるのは矢野かずきさん。
矢野さんは、バンコク在住のパントマイマー、俳優で、私も日本人会文化祭の舞台で拝見したことあります。
ナレスワン大王が、アユタヤ奪還を決意し、全軍の前でさかずきから水を大地にこぼすシーンも出てきます。
ナレスワン大王の像といえば、この場面の姿が描かれているそうです。
さて、タイでは王様が尊敬されている国ですが、国にとって大きな功績をなしとげた王様は「大王」と呼ばれ、7名の方がいらっしゃるそうですが、中でも歴史の変革をはたした、三名が三大王とされているそうです。それは、
スコータイ王朝のラームカムヘーン大王。
アユタヤ王朝のナレスワン大王。
現在のラーマ王朝のラーマ5世大王(日本の明治時代にあたる時代にタイの文明開化に寄与された)
だそうです。
そのナレースワン大王を演じる俳優さんは、すごいプレッシャーだったと思うのですが、なんとこの映画が初演技だったそう。
Wanchana Sawasdeeさんといって、出身は王立陸軍士官学校のはえぬきの軍人士官さんで、この映画の監督、チャトリーチャルーム・ユコンさんに本物の軍隊を指揮できるオーラがあると抜擢されて、9ヶ月の演技指導の後にデビューしたそうです。
ですので、タイの呼び名は「バード大佐(Colonel Bird)」といいます。
そして、また新たなタイ式の波が来ている現在、なんと!
このバード大佐の消息がツイッターから得られました。
私がおもしろくて夢中になっていたタイドラマ、
『THE GIFTED』
の校長先生役だというのだそうです!
気がつかなかった!!!
たしかにいらっしゃる!(左下)
『THE GIFTED』は、BLではありませんが、とてもおもしろいです。
成績別にクラス分けされている、とある高校。
この高校の最上級にあるのが「GIFTED」という謎のクラスです。
最下級のクラスからいきなりこのGIFTEDクラスに編入させられた少年が謎を追うドラマですが、1話ごとに、クラスメート一人一人が自分の内面の悩みに向き合い、成長してもいきます。
今なら、YouTubeで、「THE GIFTED GMMTV」(公式放送)で検索すると、有志の方がボランティアでつけてくださった日本語字幕で観られます。
続編の制作も発表されました。
最近、タイドラマが次々日本で版権が取得されていくのですが、そうなると、放送があるまで、一時的にこの有志が各国語で字幕をつけている動画はなくなってしまいますので、興味のある方はぜひお早目にごらんになってくださいね。
なお、ナレスワン大王の映画もタイでは第6部まで制作されたそうです!
機会があれば観てみたいなあ、日本語字幕つきで・・・王様の映画なので、王室用語、僧侶用語が多くて聞き取りはむずかしいので。
バード大佐はInstagramもされています