毎年6月。7月は保育養成校の学生さんが保育実習に来ています。実習は「座学」と違い、保育という「現場」で子どもたちや保護者たち、そして保育者たちを見聞きし、ことばを交わす大事な取り組みです。ややもすれば「実習記録」を毎日どうまとめるかに

時間を取られる現実があり、「ゆったり」と「現場」にしたることは難しい面も。最近の保育者不足のため、保育実習生さんに「園の就職」の声掛けなどする機会が多く、他園の情報でも、実習生さんとの「出会い」を大事にしているようです。先日、きょうだい園の実習生さんになにげなく「話しを振って」みると、答えは「うぅーん」と芳しいものでなかったいう反応だったようです。5歳児のお泊り会での「夢宣言」で女の子の「将来なりたい」ことの上位はいつも「保育園の先生」でした。最近はそのランクが下降気味なのが気がかりでした。最近の報道では教育実習体験後の感想として「教員になりたくない」という割合が、実習前に比して高くなっているとか。教育や保育の仕事は若者にとって「魅力」あるものとなっていない現実にいま直面していて、保育を継続するたための人材確保に何が必要かを考えることが大事です。私淑する間宮正幸氏(小樽共育学園理事長)の「理事長室便り」で、教員不足解消策は「学校の教職員の増員と労働条件の改善。そして教育にかける予算の増大だと思います。それ以外に、どのような教員のなり手不足対策を講じたとしても、すべて次善の策でしかないように思われます」という川原茂夫学院大教授の論考を紹介していますが、保育界でも同様の問題です。札幌市の産休等代替職員の一日の雇用費日額単価は1万円を割っています。時間給にすると約998円。保育という専門職ですが、それに見合う条件が適うまであと何年かかるのか。

 実習生さんが子どもたちとお昼ご飯を食べていましたので、「どうですか、おいしいですか」と声をかけましたら、「おいしいです」と力強く返してくれました。食べ物で「釣る」訳ではありませんが、将来の「向き合える」仕事として、実習に思いをはせて臨んできた気持ちを大事にしてほしいと思いました。(K)