明けるのが早くなった夜の終わり、
太陽が光を届ける前に雨はあがっていました。
大阪へ向かう阪神電車の始発が通り過ぎるのをぼんやりと眺め、
タバコに火をつけます。
桜はもうとっくに散りましたが、
雨上がりの日の出前の涼しさは、
少しだけ僕の目を醒ましてくれるような気がします。
まだ誰も歩いていない、雨で濡れたアスファルト。
少し遠くにコンビニが見えますが、人がいるかはわかりません。
僕は空を見上げて鳥をさがしましたが、みつかりません。
からす、はと、すずめ。
なんだか、生き物ぜんぶがいなくなったような錯覚がして、
高架の上をゆく電車に目をやります。
まばらに利用客が乗車していて、
僕はほっとしました。
鳥は自由で勝手気ままな生き物なのかも知れません。
愛情を込めて触れようとしても、
僕の手をすり抜けて、飛んでいってしまうことでしょう。
もしも心が通いあっていたとしても、
僕をかまっているよりも、空を飛ぶほうが気持ちがいいと思うでしょう。
想えば想うほど、
追えば追うほど遠くへ行ってしまうもの。
記憶の中の君は、
自由に生きたいと願っていたね。
生まれた土地を離れることも、
この僕が行かないで、ってイジワルしたことも、
たぶん効果なかったんだろうな。
そんなにそんなに遠くに行ってしまって、
君はどの雲の上を飛んでいるの?
僕もはやくそっちに行きたいな。