婦人服地(テキスタイル)からこの世界に入り、カジュアルウェア、フォーマルウェアは元より、ユニフォーム、作業着関係にも精通し、刺しゅう、プリントの加工もこなす。アパレル一筋20年の達人(アパレルマスター)です。
(本当はプロフェッサーと名乗りたかったのですがまだ、そこまでは・・・苦笑)
現在は革製品(ベルト、財布)やシルク製品(ネクタイ、スカーフ)の会社にいながらもユニフォームや作業着を売ったり、ファッション小物を売ったりしています。
びとん や どるがば みたいなブランド物は扱えないけれどノンブランドのメイドインジャパンに関しては何でもお聞きください。
(答えられないことに関しては知らんぷりするかもしれませんが・・・)
ではどうぞ、よろしく。
IFF(International Fashion Fair)出展
*このたびの地震により被害を受けられたみなさまにお見舞い申し上げます。
みなさまが、また笑顔で暮らせる日が一日でも早く来ることを心よりお祈り申し上げます。
シマベツヨシ アパレルマスター
先週、久しぶりにIFF(International Fashion Fair)出展のため東京へ行った。
(上の画像はちなみにシンガポールシティです
・・・大都会のイメージで・・・(-。-)y-゜゜゜)
毎回、弊社(詳しく言えば、親会社的な企業)のブースはIFFで一番、しょぼい。
(ブース写真は何卒ご容赦ください <m(__)m>)←ちょっぴり、どころか、かなり恥ずかしいので・・・)
*また会場内の様子や他社のブースの写真撮影は厳禁なため、ここに掲載することができません。悪しからずご了承ください。
ご存じない方のために説明すると、簡単にいえば東京ビッグサイトで年2回(春夏・秋冬)行われるアパレル業者の合同展示会です。
弊社はメーカー(生産社)としてこの次の秋冬物の新商品発表と新規顧客開拓のため、出展している。
百貨店や郊外型の大型SC(ショッピングセンター)の有名ブランド店をイメージしていただければ分かりやすいのだが、各社、鎬(しのぎ)を削ってきらびやかなブース設営をしており、メイン商品をライトアップしBGMも自社のブランドに合わせて統一したりするなど工夫を凝らし自社ブースへの来場者を増やすのに務めている。 つまり自社の(自社ブランドの)今年の秋冬の評判を得て売り上げ増を求めるために出展するのだ。
ブランドのPR合戦は目を見張るものがある・・・。
ある企業は、モデルさんに自社商品を身につけてもらい、ブースを訪れる人にアピールし、またある企業は自社のブランドロゴがデカデカとプリントされたエコバッグを渡していた。
出展企業約700社、3日間の来場者数約28000人(主催社発表)
隣のブースでは自社のブランドロゴとイメージを水着の金髪美女がほほ笑みながら宣伝しているパネルを壁に見立て、三方を囲み、スポットライトに当てられた今年の秋冬の新商品たちがキラキラと輝いていた。
弊社では曇った鉄パイプで三方を囲み薄汚れた白い布で壁をつくり、そのパイプにタコ糸を通して今年の秋冬商品を洗濯物よろしく引っかけていた。
また、ある社ではアップルのマークがついた大型スクリーンにドラマ仕立ての自社のブランドイメージ映像をエンドレスで流し、PRに務めていた。
弊社ではもったいないからとA5版の白黒コピーした商品画像に名刺を貼り付け「イメージカタログ」としてブースに訪れた人に配っていた。
どちらがファッション企業として相応しいのか・・・・(=_=)
今年の秋冬の売り上げが多いのはどちらか・・・・・(+o+)
その結果は火を見るより明らか・・・・・・(T_T)
かと、思いきや、意外とそうではない部分が・・・・・?
それを次回、お話しましょう・・・(^O^)/
では、また。
職人と僕②
*このたびの地震により被害を受けられたみなさまにお見舞い申し上げます。
みなさまが、また笑顔で暮らせる日が一日でも早く来ることを心よりお祈り申し上げます。
シマベツヨシ アパレルマスター
なでしこJAPANの話題で持ち切りな今日。彼女らの活躍に勇気づけられた日本人も多いことだろうと思います。メンバーの皆さん、おめでとうございます。
さて、なでしこJAPANが大いに賑わっておりますが彼女らに限らずスポーツ選手(現在はアスリートという呼び名が一般的ですね)はある種の職人だと僕は思う。
自分の技術を磨きぬき実践に臨むその姿勢は僕の望む職人の姿、そのものだ。
その道を付き詰めた人だけに発することのできる美しさがあるように思うのだ。
僕も何かしらの職人と呼ばれるような人間ではいたいとは思う。
しかし、残念なことに世の中は絶えず変革を求め続け、今より明日を追求するあまり時代と共に消える事を余儀なくされる職人の技もある・・。
ミシンの手振りの刺繍屋さんなどがそうだ・・・。
手振りの刺繍屋・・・と聞くと、ピンとこない方も大勢いらっしゃるだろうが現在のようにコンピューターミシンで刺繍をするのではなく、あくまで職業用(プロなので当然だが・・・)の直線ミシンのみで人の名前(ネーム刺繍)やロゴの刺繍などをする人の事だ。
つまり、ミシンに詳しい方ならすぐにわかるのだろうが、ミシンにセットした生地を思い通りに動かすことによって、人の名前やロゴマークなどを刺繍するのだ。
僕は現在でもこの手振の職人さんと繋がりがあって、急ぎ仕事の時など結構、無理をお願いしている。
彼の仕事は見ていて飽きない・・・。
僕「社名で、前 ㈱ でカタカナとアルファベットの○○で 刺繍糸の色は○で」
職人さん「ん・・・・大きさは・・こんなもんかね?」
僕「あっ、それより気持ち小さめで・・・」
職人さん「よっしゃ。これでいこう! ブイ~ン(ミシンの音)」
大体、ネーム刺繍だけなら洋服のセットから最後の洋服のたたみまでいれて、一枚3分程度・・・。
彼の仕事で文字の間違い、刺繍のズレなど僕の知る限りでは一度もない・・・
(これは本当です。)
しかし、賢明な皆さんならお分かりだろうが彼に後継者はいない。
そして、それを希望する人もまず出てこないだろう・・・。
それは、なぜか? 理由は簡単だ、刺繍ができるコンピューターミシンに取って代わられたのだ。
30年前くらいまではコンピューターミシンもまだまだ実用的ではなくて(非常に高価だったらしくて)彼のような手振のミシン職人も大勢いたらしい。
元々、高齢な職人たちだったため、一人去り二人去り(去り・・というのか亡き・・というのかは微妙なところだが・・・)かなり数が減ったらしい。
今、彼の交友関係、仕事関係を見まわしてみても静岡にまだ何名かやっておられるらしいが岐阜市近郊では多分、いないのではないかと・・・
(実際には確認がとれておりませんので今も現役バリバリの方がいらっしゃれば何卒ご容赦ください・・・<m(__)m>)
確かにコンピューターの方が技術の習得に時間もかからず、寸分違わず同じものを仕上げられる・・・・。
その手振りミシンの大将は僕に言った「まあ、多分これも一種の進化とかじゃないかねえ。私らはその進化によって淘汰される側だと思うわ。自分らが昔、時間を掛けて覚えた仕事が無くなるのは、まあ悲しい事かもしれないけど絶滅危惧種の動物と同じで居場所が無くなれば知らん間に居なくなるわな」
職人の切なさを学んだ日となった。いやこれは職人だけに限らず僕ら全てに言えることではないかと考えさせられた日となった。
仕事とは何だろうと今でも迷う、僕がいる。
では、また。
職人と僕①
*このたびの地震により被害を受けられたみなさまにお見舞い申し上げます。
みなさまが、また笑顔で暮らせる日が一日でも早く来ることを心よりお祈り申し上げます。
シマベツヨシ アパレルマスター
いつも「ぺた」をしてくれている皆様ありがとうございます。<m(__)m>
最近忙しくてなかなかブログを続けていけてないですが生きていますのでご安心ください(笑)
さて、アパレル業界は職人不足だ。
一時期レザー小物が流行った事でレザーをミシンなどで加工する職人さん(もしくはアーティスト)は若干増えたが、基本の生地を縫えるミシンの職人さんはなかなか居ない。
今日もユニフォーム関係のウェスト直しをしてくれる職人さんの所に顔を出したがもう60代後半・・・・。
「ウェストサイズの詰めなんかはどこでもやってくれるじゃーん」と言われそうだが僕が思う職人さんとは少し概念(?)が違う・・・。
確かに直しの店はある。しかし、僕が思う職人さんはあくまで「自分の技術をフル活用して既成服よりキレイに仕上げるにはどうしたらいいか?」と考えてくれる人なのだ。
且つ、「一時間当たりでどれほどの数がこなせるか」で値段を決めて頂けるとなお良い。(結構手間賃も馬鹿にならないのでこういった、プライドを持った人の方が結果的に仕事も早く、安く上がるのだ)
直しの店は僕の自宅や会社の周りにもある。しかし(僕が知る限りでは・・)より「既成服に近づける」程度なのだ・・・。
(しかも、結構高い!! パンツの裾上げで¥840って・・・・どんなブランドのパンツじゃ~い・・・と考えてしまう。)
生地の素材よりもまた、技術よりも先に値段先行が残念だ。
ここでもやはり、技術よりも新人だろうがベテランだろうが一貫した人件費のみで直し代を考えているとしか思えない・・・・・とても残念だ。
そもそも「裾上げなんて購入した店のサービスで無料が基本じゃないの?」と思われる方も中にはいるかもしれないがそれは、先に述べたような「¥840」がアっという間に吹っ飛んでしまうような利益を得ているからなのですよ。
そのパンツなり、ズボンなりが笑えるほど儲かる商品なわけですよ。
ただ、アパレル業界の名誉のために言っておきますがその「笑えるほどの設け」も当たるか、当たらないか全く先の見えない次のシーズンの企画費に消えていくんですがね・・・・」
物を作る、もしくは直す 事にはやはり結構、お金が掛かる事なのですよ。
その辺りを一般の方にも理解してほしいねえ。
では、この話は恒例になりつつあります次回へ持ち越しで(笑)
では、また