『判例講義会社法(第2版)』 | 司法試験ブログ・予備試験ブログ|工藤北斗の業務日誌

司法試験ブログ・予備試験ブログ|工藤北斗の業務日誌

資格試験予備校アガルートアカデミーで司法試験・予備試験の講師をしている工藤北斗のブログです。司法試験・予備試験・法科大学院入試に関する情報を発信しています。時々弁理士試験・行政書士試験についても書いています。

判例講義会社法(第2版)』(倉澤=奥島=森編)

☆新司向き度→4/5点
☆予備向き度→3/5点
☆法科向き度→3/5点

判例講義シリーズの会社法第2版。
収録判例数は約150件と『会社法判例百選(第2版)』と比べ,約50件多い。

本シリーズの構成は,事実の要約→裁判の流れ→判旨→判例の法理→判例を読むというもの。
「判例の法理」では,当該(裁)判例の位置づけが示され,「判例を読む」では当該(裁)判例で問題となった論点についての学説の展開,判例の射程等が解説されている。

解説は論者にもよるが,問題となっている論点との対応関係が注釈等で明確化されており,判例百選シリーズに見られるような,論理の流れの不明確さは感じない(ことが多い)。

また,収録判例数が多い以上当たり前かもしれないが,司法試験の観点から重要な判例で『会社法判例百選(第2版)』に掲載されていない判例が掲載されている点はポイントが高い(例えば,最判平15.2.21[75事件])。

会社法判例百選(第2版)』が出版された後の重要判例も掲載されているので(例えば,最判平24.4.24[124事件]),会社法の判例集を1冊購入するとすれば,本書をオススメしたい。