遂に。。 | 越中富山 福野夜高祭 七津屋行燈

越中富山 福野夜高祭 七津屋行燈

富山県南砺市福野で、毎年5月に開催される福野神明社の春季祭礼です。370年の歴史を誇る神事です。皐月空の下、7町の夜高行燈が勇壮・優美な練り回しを行います。製作風景や祭の様子などを更新しています。




2012年4月26日(木) 22時46分


最後の紅が入る。遂に完成だ。行燈製作は、迷宮のなかにみずから飛び込むようなものである。何十通りもの構想の粒のなかから、本当に探し求めている形に誘うまで何日も費やされる。最後の瞬間に残った人間、全員が全員を見合わせ、労をねぎらい、笑みを浮かべた。共に製作に励んできた者同士の勲章だ。

そして、ある男が「製作始めの日は、まだ雪がこんもり積もっとったね。」と呟いた。そこにいた誰もが、「そうやったっけ?」と怪訝そうな表情を見せる。春の木々たちが季節を彩るなか、会館にこもりっきりの男たちは、行燈製作が始まった、その日の記憶さえも曖昧だ。


舞台は整った。。
ここからの数日間、一層気を引き締めて過ごさなければならない。何はともあれ、今年も素晴らしい祭になることを願うばかりである。。



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