信義天女伝説9〜誘惑〜 | ななすけのブログ シンイ二次小説〜勝手に妄想日記〜

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クゥ~。
ウンスの腹の虫がまた鳴った。ウンスは顔を赤らめ慌て出す。キ・チョルはそんなウンスに一瞬驚いたが下を向き失笑し出した。
天女とて普通の女人と変わらぬのか‥

キ・チョルは笑いを堪えると、
「医員殿。腹が空いておるのですか?ならば私の屋敷にて食事を用意させましょう。此処では何かとご不便でしょう。良ければ我が屋敷に参りませぬか?」
「え?貴方の屋敷に‥?でも勝手に行ってもいいのかしら。」
「それなら部下に伝言させます。おっ!丁度今我が屋敷で宴を開いております。皆も天のお方と酒が飲めるとあらばさぞかし喜ぶ事でしょう。酒はお好きですか?」
「え‥酒?宴会ならご馳走とか?」
「はい勿論にございます。自分で申すのも何ですが我が家は高麗一の貴族です。きっとお気に召しますよ。如何なさりますか?」
「酒は‥大好きです。宴会も‥」
勿論だ~い好き!じゃあ少しだけなら‥

ウンスの瞳が輝き始めた。酒‥宴会‥豪華な食事!空腹のウンスにとり何より絶好の餌。まんまと食いついたウンスはキ・チョルの言われるがままついて行ってしまった。

「府院君様、王への謁見はどうされます。」
「そんなものどうでもよい。どうせ行っても歓迎されぬ。冷やかしに参っただけだ。それより先に屋敷に戻り医員を迎える手筈を整えよ。服に靴そうだな装飾品など女人が喜びそうな物を急ぎ集めよ。必ずこの女人の心我が物にする。よいな。」
「はい。かしこまりました。」
良師は部下を連れ先に屋敷に向かった。
「では参りましょう。」
「分かったわ。でもちょっと待って。」

ウンスは振り返り皇宮を見つめた。ふとヨンの顔が頭に思い浮かぶ。
なぜかしら、後ろ髪を引かれるような‥でもサイコにはメヒさんがいる。さっきの態度本当ムカつく!もういい!そっちで勝手にやっててよね。それに‥
祝言を挙げられないのはきっと私の所為。私を帰す約束したからそれまでは出来ないとか言ったのよね。そう言う勘もよく働く。約束に命を賭ける位だもの。きっとそう。だから邪魔者は消えるわ。帰る方法は自分で見つける。サイコの世話にはならないわ。

だからメヒさん、幸せになって‥

それにこの人如何にもお金持ちって感じ。実は王様から貰うの気が引けるのよね。この人に上手く取り入って‥

「医員殿、どうかなされましたか?」
「いいえ、じゃあ行きましょう。ところで名前聞いてませんね。私はユ・ウンス。貴方は?」
「私は徳成府院君キ・チョルと申します。」
「その名前‥何処かで聞いたような‥」
「何と!天界で私の名を!」

二人の後を静かにつける白い髪の男。キ・チョルの護衛をしている音功の使い手千音子。キ・チョルとウンスが仲良く話す姿を後ろから不気味な笑みを浮かべ見つめていた。


その頃、
「メヒ!医員に何を言われた。言ってみろ」
「だから何も言われてないって。」
「お前はいつもそうやって他人を庇って‥あの女人には手を出さぬから正直に‥」
「だから!正直に言ってるの!私の話を親身になって聞いてくれたの。嬉しくて泣いてただけなのに、貴方ったら‥」
「え‥?それは真か?」
「真よ!」
「‥‥」
「貴方、医員様に謝ってよ。」
「な!何故俺がっ!?」
「当然でしょ。貴方が勘違いしたのだから」
「‥‥断る。」
「駄目よ。謝って。」
「絶対に嫌だ!」
「‥‥」

するとヨンを探していたテマンが慌てて駆け寄って来た。
「た、隊長大変です!王様が医員様をお呼びなので迎えに行ったら医員様が部屋に居ないのです!」
「何だと!」

三人は典医寺のウンスの部屋に急ぎ向かう。やはりウンスの姿はない。手分けして皇宮内を必死に探すがもう何処にも居なかった。すると其処にトクマンが来て、
「禁軍の兵士が見たそうです。医員様はどうやら徳成府院君様と皇宮を出た様です。」
「それは真か!」

徳成府院君キ・チョル。
王にこしゃくな真似ばかりして姿を見せぬと思っていたら今度の狙いは天の医員か‥
それにトクマンの話によると医員は自ら皇宮を出たらしい。無理矢理連れ去られるのではなく、むしろ楽しそうに談笑していたとか。
ならば俺には関係ない。此れで俺の面倒も減る。しかしキ・チョルは真に恐ろしい男。そんな男と知らずについて行ったのだろう。危険な奴の元に天の医員を?
真に此れでよいのか‥

ヨンは迷っていた。
救うべきか‥放っておくべきか‥


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