迫られる仕事、やりたがる仕事 | 名無しの唄

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衆院選、「支持政党なし」が10万票以上獲得で話題に 「まさかの躍進ww」「凄いなw」
去る12月14日に投開票が行われた衆院選において、かねてよりその党名と、一覧に表示した際の表示順な..........≪続きを読む≫ 仕事には二つの側面がある。
既存の必要性に迫られて行うものと、新規の発展性を追って行うものだ。
前者は、当然仕事だから報酬こそあるものの、出来たからといって大きく評価されることは少ない。決まって存在するべきだと思われているものを作り続ける作業だからだ。
後者は、もし大きく成果を出すことが出来たならば、それこそ歴史に名を残す可能性すらある。まだ誰も見たことのないものを生み出す所業だからだ。
前者は、基本的に外からの要請で進んでいくものであり、自分の裁量を以て才覚を発揮する機会は少ない。
後者は、新しいものを自分で組み立てていくものなのだから、失敗の責任ももちろんだが、その仕方や成果には独自性が如何なく発揮される。
傾向として、前者の仕事を嫌がる人が多く、後者の仕事を好む人が多い、と言えるだろう。前者には仕事の義務的側面が強く現れ、後者には権利的側面が強く現れている、とも言えるだろうか。
しかし、忘れてはならないことは、前者は既に欲しがられているものであり、一方、後者は今のところ無くとも済んできているものである、という言い方もできるということだ。

さて、ここでいちばん上のニュースに戻る。
今回の選挙では、被選挙者の側からメディアに対して、報道姿勢に関する指示があったことが物議をかもした。
多くのメディアやジャーナリストが、「自由な報道」の侵害を危惧し、この指示に対して従いつつも、批判的な意見を示しもした。
しかし、ジャーナリズムにとっての「自由な報道」とは、仕事における後者の側面だと自分は思う。
多くの人にとって「必要な報道」というのがあって、それは多分メディアの仕事としては前者の部類なのだ。
今、上ニュースにおいては、必要な情報の告知の不足によって、弊害が出ている例が見える。政党名や、記入上の注意というものは、既に確定した必要性の次元にあると言って間違いあるまい。
ただ単純な必要情報の流布をそっちのけに、「自由な報道」への意思を喧伝していたメディアがたくさんあったのだ。
後者の仕事に熱を上げ、前者の仕事を疎かにした連中がいたということなのだ。前者は、多くの人が思う既に確定した必要性であるにも関わらず。
民意を聞け、とは、誰の言葉であっただろうか。