ダンサーから転身。
婚約解消と大きなターニングポイントを迎え
また新たなチャレンジが始まります。
第九話
『新たなチャレンジ』
どうにか新生活と共にストレッチトレーナーとしてのお仕事が始まりました。
そして毎日ひたすら経験を積みました。
初めて自分の仕事での成績が目に見える数字で評価されました。
その場しのぎのリラックスだけではなくお客様のカラダの改善を提供する責任のある仕事でした。
キッズダンスの指導もしながら
ときに司会の仕事もしながらの掛け持ちで
ストレッチトレーナーの仕事に別の仕事が悪い影響を与えることのないようにと必死で頑張った毎日。
アルバイト経験は豊富でも、社会人らしい仕事をしてこなかった自分は
思った以上に未熟で悔しい想いをすることも沢山ありました。
週末の昼間、渋谷の繁華街の店舗の前でチラシを配りながら
デートや家族との楽しみを味わう女性の姿を見ては
自立したいと思って頑張っているつもりだけど
こんなに仕事仕事と思って焦らなくても
もっと女性としての他の幸せの形があるのでは・・・
と複雑な想いと葛藤がありました。
それでも、お客様が身体の変化を感じて喜んでくださることや
それに伴って売り上げがあがることに対してとてもやりがいを感じていました。
新規オープンの店舗での経験はどれも貴重なことばかり。
厳しく指導してもらったこともすべて財産になり
自分が成長できていることも感じられるようになっていきました。
そして、半年を過ぎたころには会社主催の表彰式で
ベストトレーナー賞を受賞。
研修生だった自分がいつかと憧れた賞で
大きな自信へと繋がりました。
しかしその一方で、どこか満たされず不安な気持ちも抱いていました。
公私ともに充実した自分になりたくて頑張ってきたのに
気が付けば仕事ばかりしている自分。
本当にこの頑張り方って正しいのかな？
確かにカラダづくりに関わることができているけどこのままでいいのかな・・・
自問自答しながら過ぎていく毎日。
私がいつも追い続けてきた理想、
公私ともに充実した自分になることにこだわってきたのは
私の生い立ちが大きく影響しています。
私の父は私が高校生のときに病気で働けない時期がありました。
病気の父もとても苦しみましたが
同時に将来に様々な不安を抱えた母も苦しみました。
私の父は１９歳のころから一家を支えて本家を守ってきた立派な人です。
誠実で真面目でいつも朝早くから夜遅くまで働いていました。
あんなに強かったお父さんでも病気になるんだな・・・
人間って脆いんだなと感じ
（※現在、父は回復して６０代後半になった今も元気に働いています♪）
これからどうなるかわからないし
私が支えらえるようにならなくちゃと１７歳なりに覚悟しました。
でも、私は子どもが大好き。
自分も結婚してお母さんになりたい。
自分の好きなことも諦めたくない！
だから、経済的にも精神的にも自立して
充実している自分になりたい！
あるイベントで自分の夢をプレゼンテーションすることになり
改めて自分が心から望むことは何か
自分の人生と向き合いました。
それを機会に、自分が目指す生き方の実現を求めてた結果
様々な生き方や考え方に触れ、学ぶ機会に恵まれました。
毎日、仕事で予定がいっぱいでも
ある程度収入があっても満たされなかったのは
女性としての自分の気持ちを大切にできていない働き方をしていたからだと気が付くことができました。
そこから、勤務していたストレッチ専門店を卒業。
自分が一番伝えていきたいことは何かと更に模索していきます。
大変ありがたいことに、ストレッチトレーナー時代には沢山のお客様にご指名をいただいて
毎日８名～９名の方にストレッチを施し、月の指名件数は１１０件を越えていました。
一定期間以上、お客様のカラダの改善をお預かりさせていただいていたその経験から
私は確信を持っていることがあったのです。
どんなにプロの手を借りても
その人の習慣が変わらなければ
身体を改善することはできない
そして
身体の習慣を一番に表現するものは
「姿勢」だということ
