母の選択肢の中に「離婚」の文字が追加されたのは、誕生日プレゼントとともに渡された手紙を読んだ頃からでした。

ただ、そうなると今度は、「今後の生活費をどうするか」という問題で頭がいっぱいになったようで……。

 

両親は共働きですが、母は父の扶養の範囲内におさまるよう、パートタイムで働いていました。

その給与は月に10万円あるかないか

子どもたちは独立し家もあり、夫も働いているし年金の支給開始もそう遠くはない。

2人で生活していく分くらいの貯金もある。

正直、そのくらいの給与があれば十分暮らせていける状況でした。

 

でも、離婚するとなれば、話は別です。

60歳を前にした母がパニックになるのも無理はないでしょうチーン

 

もちろん、家は母がもらい、父が出ていけばいい。

結婚の年月を考えれば、父の厚生年金だって、離婚後に折半してもらうことは可能なはずです。

加えて、父からの慰謝料に優子からの慰謝料、さらには財産分与分なども考えれば、地方の田舎町ですし、大丈夫だろうと考えていました。

私たちだって、母については何かあれば援助していくつもりです。

 

ただ、母はそう簡単には考えられなかった。

同居している父方の祖母だけでなく、今は老人ホームに入っている曽祖母も元気にしてくれています。

父が出ていったところで、祖母を追い出すなんてできない。かといって祖母との同居もあり得ない。

 

その時点で、「離婚するなら自分が出て行かなければになる」と母は考えたようでした。