10年ぶりに来日した、ラドゥ・ルプーのリサイタル
へ行ってきました。
指使いまでよく見える席でした![]()
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昨夜はオール・シューベルト
譜めくり椅子のような低い椅子の上に、どっかと腰を下ろし
自宅で寛いでいるかのようなルプー。
おひげとその風貌、フォーム、すべてがまるでブラームスでした。
こんなに長くないけれど。あごヒゲ。
ブラームスも弾いてみて欲しかったな。笑
ピアノという楽器は、打鍵した瞬間に音が減衰してゆくはずなのに、
ルプーの音は、その直後に少しふくらんで、おとろえない。
だから、声楽のようでもあるし、弦楽器や管楽器のようにも聴こえるのです。
1曲目のドイツ舞曲から、これ以上ないというくらいの、ピアニッシモ。
魔法のような転調。
左手の深い海、中間音のゆたかな緑、高音部からは光が差しているよう![]()
時代も国も飛び越えて、
聴いているわたしたちは皆、はるか200年前の、シューベルトの歩いた小径にいて、
彼の見たものを見て、せせらぎを聴いた気がしました。
こういう人の演奏を聴くとやっぱり、
いかに普段わたしたちが、「大きな音」や「パフォーマンス」という刺激に慣れてしまっているかを、
本来、音楽というものがどういうものだったのかを思い出させてくれます。
深く深く、静かに、心のひだに染み込んでいく。
即興曲も、「あぁ、この曲は即興曲なんだ。」 と再確認してしまうくらい、
本当に即興のよう![]()
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とてもとても自然な、でも緻密に計算しつくされていて、自由。
楽しすぎました
こんな魅力的な曲だったなんて![]()
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後半は、私がシューベルトの作品でもっとも好きなソナタ。
気持ちを整えるときに弾いている曲![]()
現代のピアノであんな音楽が聴けるとは。。
うーん。感動。
親しくしていた亡き師匠は、ルプーのリサイタル後、いつも彼との電話での裏話を聞かせてくれました。
倍音がどうとか、あそこの転調がどうとか、、
ますます謎が深まり(笑)、深みが増していくルプーの音楽。
今回もその魔法について、聞いてみたかったです
彼はこのあと、どんな夕飯を食べたんだろう。。



