前回の続きです、、

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数日暮らしてみた山荘は川を見下ろせてとても気持ちのいい山荘だった

 

まだ異常なまでの蜘蛛の大きさに怯えてはいたが、、

 

とある朝気が付いた、「そうだ今日は父の命日だ」夏の真っ只中7月26日だった

 

お骨とお位牌を持ちながら旅をしていた私、ベットの上にそれを並べてなにもできない事に申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた

 

気を取り直して、朝散歩に出かける事にしたら

 

山荘のご主人に遭遇した

 

「お出かけですか?」と聞かれ、はいと答えると

 

「この上にお寺があるから散歩に行ってきたらどうですか?」と言われ、すぐになに宗のお寺か聞き直すと

 

なんとうちと同じ曹洞宗のお寺があるという

 

これは、運命だと思い即座に行く事にした

 

お寺までご主人に案内してもらう事にした

 

坂を上がりもっと上がりしばらくすると川が見えてきて道らしい道が途絶えてしまった

 

そしたら、ご主人がこの川を石の上を歩いて行ってそのまた上にあるからという

 

「え?!川から突き出てる石の上を行くんですね?」

 

う〜ん、ここまできて後は引き返せない、ここは屋久島、郷に入れば郷に従え

 

アメリカでみヨルダンでもしてきた事じゃないか、なんの問題もない同じことをすればいいだけ

 

そう思って妊娠中だということで特に臆病になっていた思いお尻を持ち上げて、ヒョンヒョン石の上をお位牌とお骨を担ぎながら岩の上を駆け上がって行った

 

道のない道、どうみても獣道をさらに上がっていくと古いおうちが見えてきた

 

山荘のご主人が住職さんを大声で呼ぶ「お〜〜〜〜〜い林道さ〜〜〜〜んお〜〜〜〜〜〜い」

 

本当にアポイントメントなしで現れていいのかな、そんな事でそわそわしてしまう私はまだまだ屋久島になりきれていない

 

そうこう思っているうちに住職さんが頭に白いタオルを巻きTシャツ姿に半ズボンで現れた、、、


事情を話すと気持ちよく法事をしてくれる事になった

 

お寺の方に案内されるとそこには立派な手作りの山寺があった、この頃には住職さんは正装してできてくださり、さっきとは打って変わって威厳が漂い眩かった



 

一体この木材をどうやって運んだのか、、普通の道がないしそしてましてや川でさえぎられている、どれだけの労力をかけてこのお寺を作ったかと思うと途方にくれた

 

がしかし、いらぬ人のことまで心配する必要はここにきてもうない

 

自分と自分の赤ちゃんが最優先な私は父の3回忌をここ屋久島でできるだけでラッキーだった

 

調子に乗って大声でお経を一緒に唱え、ついでに座禅まで組ませてもった

 

お素麺までご馳走になりその後はついでに川にご挨拶するつもりで、川で泳ぐ事にした

 

住職さんに泳ぐのに良いところまで連れて行ってもらう途中道がなくなったので「道がないですね」と呟くと「これが道じゃないなら屋久島では生きていけん」そう言われ、「うあ〜〜なんて所に来てしまったんだ」と苦笑いしてしまった

 

そんなこんなで始めがなんだかサバイバル感満載の生活だったからこれが続くかと覚悟を固めていたが、どうやら街に出るとこんな生活ではないらしいと聞き期待は高まった

 

ここで出産できるかもしれない!!!