私は献身しませんでしたし、ずっと支部の青年部所属でしたので、霊感商法に携わったことはありません。

しかし、世間では統一教会=霊感商法です。当然の如く親や親戚は私もそこに加担して犯罪行為を行っているのでは、と心配になります。テレビはじめマスコミの報道する内容はおどろおどろしかったものですから・・・。(報道されていた霊感商法のことはほぼ真実とは思われます。)

 

霊感商法を受け入れたわけではなくても、実際行っているわけではないし、行っている現場を見ているわけでもないので、普段はスルーできます。また、適当に自分に言い訳もできます。

しかし、1992年3万双祝福前後、テレビ報道であんなおどろおどろしい霊感商法実態を何回も見ると、こんな人道に反することをやっている団体に所属なんかしていていいのだろうか?という当たり前の感覚が出てきます。

 

当たり前の感覚のままやめちゃえばいいのですが、(殆どの人がそこでやめちゃいます)そうはいかないのが私でした。

原理を真理と信じていたし、文ちゃんをメシヤと信じてました。

笑われるかもしれないけど、本気で地上天国実現を信じていたし(ただし、地上天国像がないのが統一教会員の特徴)、血統転換も信じていました。

 

よく脱会者や反対派が「脱会すると地獄に落ちる。家族や先祖、後孫まで地獄で苦しむ。と脅され、怖くて脱会できなかった。」という話しをするが・・・私はそれはなかったです。(全くないわけではありませんが。)

 

原理を信じ、この道が世界平和のためと信じていた(統一教会にぶらさがって活動していれば世界平和に貢献できると思っていた)のと、やはり一緒に活動する人達が大好きで離れたくなかったのです。(この思いが一番大きかったです。後にホントに原理の間違いと文ちゃんがメシヤじゃないとわかっても、この思いで脱会に躊躇し、苦しみました。)

だから、霊感商法で躓いても、教会から足が遠のいても、脱会することはできなかったし、電話で連絡はとりあってました。

 

教会に行かず、活動しない日が長くなったので、実践課には所属できず、1992年10月頃、ユニティ(実践を全くしない部署)に移されました。ユニティには1ケ月位所属してましたが、その間、一度も行きませんでした。

ユニティの班長とも電話でしか話したことありませんでした。

ユニティの班長は、私より少し年上の矢島さん(仮名)でした。

 

ある日、矢島さんと電話で話していて、霊感商法の話しになりました。

私が霊感商法に躓いて教会に行けなくなったと話したら、矢島さんが自分の証しをしてくれました。

 

矢島さん、矢島さんのお母さんは元々クリスチャンでした。矢島さんは体が弱く病気がちで仕事にも就けない状態でした。

そんな時、一人の統一教会員が印鑑販売のため訪ねてきました。お母さんは、訪ねてきた統一教会員に娘のことを話しました。統一教会員は、悩みを聞き、お母さんと一緒に祈りました。そして、お決まりの霊感商法グッズを購入し、お母さんと矢島さんは言われるまま必死で祈りました。

 

そんなこんなの生活を送っているうちに矢島さんの病気はよくなり、仕事にも就けるようになりました。これは本物だと思った矢島さんとお母さんは統一教会の信仰を持つに至りました。

 

矢島さんの証しを皆さん、どう思うでしょう?

全くの嘘と思う人もいるでしょうし、まぁ、そういうこともあるのだろうな、と思った人もいるでしょう。

ただ、まぁそういうこともあるだろうな、と思ったとしても、だからと言って霊感商法が正しいという結論には至らないでしょう。

 

私は、矢島さんの証しは本当だったと思います。今、矢島さんではない人から矢島さんのような証を聞いても信じます。

でも、だからといって霊感商法が正しいとは思わないし、まして統一教会に入ろうなどとは思いません。

 

前に記事に書きましたが、私は統一教会信者時代に、顕正会の人の話しを聞きました。(聞かされました。)顕正会には顕正会を信じた人の証があります。(病気が治ったとか、事故から守られたとか、死んでも身体が軽い・・・とかそんな感じでした)

それはそれで嘘ではないと思いますが、だからといって入信しようとは爪の垢ほども思いませんでした。

他宗教のことはそういう風に見れるのです。

 

なのに、矢島さんの証しには、「そうなのか~、霊感商法グッズはホントに効果あるんだ、救いの道につながるのだ、正しいことをしているのだ。」と思い、霊感商法を受け入れ、統一教会依存度を高くしました。

それは・・・私が統一教会と統一教会のやっていることを信じたかったからです。

信じたかったのに、信じられない情報が入って混乱していた私に、信じていいという情報・私が求めていた情報を与えられたからです。

 

この時から、霊感商法情報に躓くことはなくなりました。霊感商法によって救われたという生きた証を持った人が身近にいたからです。

 

 

統一教会だけでなく、他宗教でもこういう話しはヤマのようにあります。

宗教だけでなく、まがいものの健康食品や代替療法、民間療法にもこういう話しはヤマのようにあります。

 

例:「この水は、100年に一人いるかいないかの厳しい修行を積んだ徳の高いお坊さんが滅多に入れない秘境の山奥に命がけで入って得た貴重な水です。命がけで秘境の山奥に入っても、この水が湧き出る量はほんの少しでこれだけの量を目にすることは奇跡に近いです。その奇跡の水に100年に一人いるかいないかの徳の高いお坊さんが渾身の思いを込めて浄化しました。だから、この水は血液を浄化する力があります。」

と、どこにでもあるただの水をそう言われ、高値で購入し、「この水を飲み続けていれば、病が治る~」と信じて飲み続けていれば、難病が治ったという嘘のような話しもあります。

 

 

病は気からと言うように、人の体、病気の治癒は理論、理屈だけでは説明つかないことが多くあります。(医学が進んだとはいえ、医学で何とかできることはまだ少なく、人間の身体はまだわかってないことが多くあります。特に脳はほんの極々極々極々極々・・・一部しかわかっていません。)

 

統一教会信者に看護師が多い理由はそういうことも関係しています。

統一教会だけでなく、他宗教(カルト含む)やマルチにも看護師、多いようです。

看護師で物書きでもある宮古あづささんも、宗教絡みで退職した看護師のことを書いています。

 

話しが少し逸れましたが・・・矢島さんの証で、私は霊感商法を受け入れちゃいました。

再び教会活動を行うようになりました。

そして・・・その後・・・街頭から伝道した人が36万双で韓日祝福を受けました。