「もうすぐ卒業式だけど、誰か在校生代表として挨拶したい人はいる?」
誰も手を挙げない。
「なんでやりたくないの?〇〇君?」
と先生は前の席の生徒に聞く。
「めんどくさいし、わざわざ休みの日に行きたくないです」
その日から春休みが始まる。
やれやれという表情の先生。
その時に思わず娘ともう一人が手を挙げた。
「それじゃあ、二人話し合って決めて」
話し合いをして、もう一人の子が娘に譲ったそうだ。あいさつ文を自分で考え、前日にわれわれの前で予行練習をした。最後に引き返す時に足と手が一緒に出ていた(なんば歩きですね)。
今日の朝、布団の中で「緊張する〜」と言っていた。
仕事に出かけても10時頃になると、ちゃんと言えたのだろうかと心配になる。
帰宅して「ちゃんと言えた?」と聞くと、
「うん」とだけ。
「緊張した?」
「別に」
妻に聞くと「先生たちが今までの中で一番素晴らしかった、とみんな言ってたらしいよ。今までは棒読みだったり、書いた紙を読んだだけだったけど、語りかけるようだったって」
あとで娘は言った。
「一年から五年までの担任の先生と他の先生もよかったと言ってくれた。日本で一番いい卒業式だった!出てよかった。譲ってくれてよかった」
今日の全国の卒業式、卒業生も保護者の皆様も様々な想いがあったことでしょう。
卒業おめでとうございます。
そして私も親として娘がテストで満点とるより遥かに嬉しかった一日でした。