プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長(78)が18日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見し、平成の野球界を回顧した。
ソフトバンクの王貞治球団会長の一問一答は次の通り。
--平成の変化に日本選手のメジャー挑戦がある
「野茂君が厚い壁を突破して見事に成功した。球史に残る素晴らしいことをしてくれた」
--今の時代に現役だったらメジャーを目指していたか
「われわれの時代は道が閉ざされていて考えたこともなかった。だが、そこに山があれば登りたいと思うのと同じ。速い球は得意だったし、チャレンジしていると思う」
--2000年の日本シリーズで長嶋茂雄監督の巨人と対戦した
「区切りの年にON対決とは神様も味なことをやると思った」
--監督就任からしばらくは苦労した
「巨人では常に勝つことを求められていて、ホークスに行った当初は選手とギャップを感じた。ファンに(移動のバスに)生卵をぶつけられたこともあった。選手に『卵をぶつけられるような野球をやっているのは俺たち。喜んでもらえる野球をしよう』と話した。いい刺激になった」
--日本代表監督として第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝
「第1回で何が何だか分からず、手を挙げてくれた選手でやろうとなった。イチローが最初に電話をくれて心強かった。私は第1回というものに強く、あの時も『俺の運はまだ続いているな』と思った。日の丸を着けて野球をしたのは初めてで、ものすごいパワーをもらった」
--野球人口が減っている
「野球はやったら本当に面白い。小さい子にやる場、知ってもらう場を提供していきたい。野球はお茶の間でああだ、こうだと言って入っていけるスポーツ。その魅力はこれからも変わらない」
--WBC後に胃の全摘手術をした
「飲むのも食べるのもむちゃくちゃだったので、よくあのくらいで済んだというのが本音。あれから12年、再発も他の大病もすることなく元気。胃がないのでハードな動きはできないが、これからも自分のペースで野球界に恩返しをしたい」