巨人・菅野が2年連続「沢村賞」受賞!金田&杉下&村山&斎藤に続く偉業 | 浜のおじさん&週末はオリックス親父( ̄∀ ̄)のブログ
 プロ野球創設期の名投手、沢村栄治氏を記念した「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が29日、東京都内で開かれ、セ・リーグの最多勝、最優秀防御率、最多奪三振の「投手3冠」に輝いた巨人・菅野智之投手(29)が、1996年の斎藤雅樹以来、史上5人目となる2年連続で選出された。今季は、昨年の会見で宣言した「全7項目クリア」を達成。来季の目標に「20勝」と、58年の金田正一以来、2人目となる3年連続での「沢村賞」受賞を掲げた。
 また一つ、歴史に名を刻んだ。菅野が2年連続、平成最後の「沢村賞」を受賞。東京・文京区の東京ドームホテルで開かれた会見では、晴れやかな表情を見せた。
 「今年は去年の段階で『狙って取る』ということを自分にも言い聞かせていましたし、こういう場で公言して有言実行して取れた。うれしさは変わらないですけど、達成感というのは今年の方が格段にあります」
 まさに偉業だ。2年連続での受賞は1996年の斎藤雅樹以来、22年ぶりで史上5人目。昨年は初受賞も「10完投」「200イニング」の項目は達成できず。「全項目をクリアできるように」と臨んだ今季、圧倒的な数字を残した。 「やっぱり数字と戦うのはつらいですし、途中で何度か『今年は無理じゃないか』と思うこともあった。(その中で)つらさよりも、去年味わった喜びをもう一度、という思いが強かった」
 先発完投型の投手が対象の同賞の選考基準は、全7項目。菅野は今季28試合で202回を投げ、10完投(8完封)。15勝8敗の勝率・652で200三振を奪い、防御率2・14。2011年の田中将大以来となる全項目達成での受賞となった。
 「一番うれしいのは15勝できたこと」と菅野。その中でも印象に残っているのが、9月28日のDeNA戦だ。0-0の九回に、長野のサヨナラ弾で14勝目を挙げた試合で「延長にいっていたら10完投もなかったですし、15勝もおそらくなかったと思うので…。今年のベストゲームだと思います」と振り返った。
 偉業達成も、慢心はない。2年連続での受賞者には、歴史に残る名投手が並ぶが「正直肩を並べたとは思っていません。どんなにいい成績を残しても、もっともっと、と思える自分がいて」とさらなる高みを目指す。58年にただ一人、3年連続で同賞を受賞し、不滅の通算400勝を挙げた大投手・金田正一氏は、球団OBで大先輩。春季キャンプやシーズン中にも常に声をかけてくれるなど、励みにもなっている。来季は61年ぶり2人目の偉業へ。“昭和の大投手”に並ぶための、大きな挑戦の一年となる。
 「来年ももちろん沢村賞を狙っていきます。一番こだわりたいのは勝ち星なので来年は20勝。また全項目をクリアする、というのを掲げてシーズンに臨みたい」
 14日のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージのヤクルト戦では、プロ野球史上初めてポストシーズンでのノーヒットノーランを達成。“平成の大投手”、菅野の進化は止まらない。 (赤尾裕希)
★選考委員のコメント
平松政次氏(元大洋)「文句なしの受賞だが、勝利数と防御率は昨年より落ちている。来年は成績を上げて金田さん以来の3年連続に挑戦してもらいたい」山田久志氏(元阪急)「文句なしで推薦させてもらった。昨年の選考委は少し時間がかかったが、今年は考えていた通りだった」
村田兆治氏(元ロッテ)「打高投低のパには奪三振王の則本(楽天)がいる。来年は菅野を脅かしてほしい」
北別府学氏(元広島)「例年は(クリアした項目が)1つ、2つ足りないが、今年はしっかりクリアした」
★選考過程 7つの選考基準を全てクリアしての受賞は、2011年の田中将大(楽天)以来。堀内委員長は「今年はスムーズに進行した。全部クリアしてもらったので楽に選考できた」と語った。
 菅野以外では勝利数、勝率、奪三振数、登板数の4項目をクリアした大瀬良(広島)の名前が挙がったものの、菅野を上回ったのは勝率(・682)のみで、協議には至らなかった。