ライアンで5割!ヤクルト、21年ぶり甲子園“スミ1”勝利で3連勝 | 浜のおじさん&週末はオリックス親父( ̄∀ ̄)のブログ
 (セ・リーグ、阪神0-1ヤクルト、17回戦、阪神10勝7敗、28日、甲子園)ヤクルトは28日、阪神17回戦(甲子園)に1-0で逃げ切り、3連勝を飾った。先発の小川泰弘投手(28)が7回4安打無失点で6勝目(5敗)を挙げ、2015年4月15日の広島戦(松山)以来、3年ぶりとなる“スミ1”勝利を演出。チームは勝率5割に復帰し、29日の同戦で4月16日以来の貯金生活に挑戦する。
 祈るような表情で勝利の瞬間を待った。九回二死一、三塁のピンチ。阪神打線を7回無失点に封じた小川は守護神・石山が俊介を一飛に打ち取ると、満面の笑みで歓喜のハイタッチに加わった。
 「悔いが残らないように腕を振りました。直球で強いボールがいっていたのでカウントもとれたし、アウトを重ねることができた」
 一回に山田哲の適時二塁打で挙げた1点を守り抜いた。六回が終わった時点で109球。七回も田畑投手コーチに「迷いなく、いってもらった」と背中を押された。二死から俊介に二塁打を浴びたが、梅野をカットボールで遊ゴロに打ち取り、4安打無失点で救援陣にバトンを渡した。
 近藤、石山も無失点でつなぎ、完封リレーで、2015年4月15日以来の“スミ1”勝利だ。敵地、甲子園では1997年5月16日(吉井理人-伊藤智仁)以来。実は3年前も、21年前もリーグVを達成している。
 1週間前まで第100回全国高校野球選手権が行われた甲子園。小川も愛知・成章高3年春(08年)のセンバツに21世紀枠で出場し、1回戦で駒大岩見沢(北海道)に勝利。エースとして創部103年目の甲子園初勝利に導いた。
 「1球投げる度に大歓声。そんなマウンドに立ったのは初めてでした。当時、地元・田原市の盛り上がりはすごくて、『町から人が消えた』とも言われました」と当時の熱狂ぶりを懐かしむ。
 高校時代にもらった「一瞬の苦しみから逃げたら、一生の後悔」という言葉が今も支えとなっている。「1学年上のエースだった先輩が帽子のつばの裏に書いてくださったんです。苦しいピンチも、その言葉で乗り越えられました」。昨年10月に右肘疲労骨折の手術を経験し、約3カ月間のノースロー生活やその後の苦しいリハビリも、先輩から受け継いだ言葉を胸に乗り越えてきた。
 小川は5月27日のDeNA戦(神宮)から13試合連続で5回以上を投げ、3失点以下。抜群の安定感を小川監督も「小川が本当によかった。きょうはボールに力があった。こういう展開を守り切った、粘ったのは大きい」と絶賛した。
 今月21日以来の5割復帰で29日は4月16日以来の貯金生活を狙う大事な一戦となる。エースの熱投に応えるため、絶対に負けられない。 (横山尚杜)
★1997年のヤクルト
 開幕戦は広島から加入した4番・小早川が3打席連続本塁打の大活躍。4月は9連勝するなど好発進した。38本で本塁打王を獲得したホージーとMVPに輝いた攻守の要の古田らが打線の中心を担った。6月には先発陣が奮闘し、10連勝を飾った。伊藤智、石井一もけがから完全復活し、石井一は9月2日の横浜戦(横浜)で無安打無得点試合を達成。翌日にはマジックが点灯し、同28日にリーグ優勝が決定。日本シリーズは西武に4勝1敗で2年ぶりに日本一を奪還した。
データBOX ヤクルトがスコア1-0の完封勝利。完封勝利は今季6度目で、1-0での完封は昨年5月18日の巨人戦(東京ドーム、石川-近藤-ルーキ-石山-秋吉)以来。一回の1点を守り切っての“スミ1”完封は2015年4月15日の広島戦(松山、石山-オンドルセク-バーネット)以来3年ぶりで、甲子園で記録したのは1997年5月16日の阪神戦(吉井理人-伊藤智仁)以来21年ぶり。