ノースアジア大・中村が1失点完投!V10狙う富士大倒した1年生/東北スポーツ | 浜のおじさん&週末はオリックス親父( ̄∀ ̄)のブログ
 北東北大学野球第1週第2日(26日、青森県営)3試合が行われ、ノースアジア大がリーグ新記録の10連覇を狙う富士大に2-1で競り勝ち、今季初勝利を飾った。リーグ戦初先発となった中村彪投手(1年)が6安打1失点、9奪三振の力投。同初完投初勝利を挙げた。富士大は春のリーグ戦で登板のなかったプロ注目左腕の鈴木翔天(そら)投手(4年)が5回2失点で初黒星。八戸学院大、青森大は開幕2連勝となった。
 この日のスタンドには富士大先発の左腕・鈴木目当てに、プロ12球団のスカウトが集結。だが主役の座を奪ったのは、王者から堂々の1失点完投でリーグ戦初勝利を挙げた中村だった。
 「緊張もあったが、富士大相手の初勝利はビックリ。勝ててよかったし、自信になる」
 そう喜びを爆発させた1年生右腕は、チェンジアップを決め球に相手打線を翻弄。与えた得点は八回の1点のみだ。
 リーグ戦初先発は1週間ほど前に告げられた。これまでの登板は春季リーグ戦の八戸工大1回戦での救援だけ。このときはタイブレークの十回に1イニングを投げ、2失点で敗戦投手になった。
 そんな中村が王者・富士大を相手に1失点完投でチームに白星をもたらす大仕事。この日、チーム事情で監督代行を務めた長瀬達哉コーチ(26)は「よく粘ってくれた。これまでやってきたことが生きた」とたたえた。
 中村は入学後、上半身強化の筋力トレーニングと、同コーチが導入した、リレー形式で約50メートルの短距離を走る「スーパーダッシュ」で瞬発力やスタミナを強化。テンポの早い投球が持ち味だが「息切れしない。まだまだ投げられる」と胸を張った。
 三陸海岸地域の岩手・野田村で生まれ育った。釣りが趣味で、休日にはバス釣りに興じ、海でもホッケやアジ、イワシなどを釣る。昨年は地元の釣り大会に出場。これまで50センチほどのアイナメが最大の釣果だ。「野球には生きてないと思いますが、楽しい」と笑う。
 「やるからにはエースを目指してやっていきたい」。そう話す19歳は、富士大から奪った白星を自信にして、大学野球の大海原でも大きな“獲物”を釣り上げる。 (井上幸治)
中村 彪(なかむら・ひょう) 1999(平成11)年7月27日生まれ、19歳。岩手・野田村出身。野田小4年から野田フェニックスで野球を始める。野田中では軟式野球部でプレー。久慈工高(岩手)を経て、ノースアジア大では1年春からベンチ入り。1メートル72、65キロ。右投げ右打ち。家族は両親、兄、弟。