【佐野慈紀のピッカリ診断】六回の継投なぜ?阪神・能見なら展開違った | 浜のおじさん&週末はオリックス親父( ̄∀ ̄)のブログ
 (セ・リーグ、ヤクルト10-9阪神、7回戦、阪神4勝3敗、29日、神宮)阪神は先発・秋山拓巳投手(27)を筆頭にリリーフ陣も崩れて、ヤクルトに逆転負け。サンケイスポーツ専属評論家・佐野慈紀氏(50)は、一時勝ち越した直後の六回の継投策に疑問を投げかけた。ブルペンがグラウンド内にある神宮という環境も考えれば、別の選択肢の方がよかったのではないか-と分析した。
 六回の伊藤和の登板に「なぜ?」と頭をよぎった違和感が、八回に確信に至った。そんな不可思議な継投だった。ビハインドゲームの八回に、なぜ能見を登板させたのか。前夜(28日)、メモリアルの100勝をマークした投手だからこそ、敗色ムード漂う場面ではなく、逆転した直後の六回に投げさせるべきだった。 私も長くリリーフ投手をやってきた。チームに勢いを付ける継投というものが、間違いなく存在する。乗ってる男・能見を六回に投入していれば、試合はまた違った展開になっていたはず。同時に、能見は勝ちパターンの投手であることを明確にすべきだ。
 六回のあの場面、選択肢は能見か、藤川か。どちらかだろう。逆転したとはいえ、勢いに乗っているヤクルト打線に対して、その攻勢を受け止め、遮断できるのは、能見以外なら今季、何度も六、七回に登板して流れを変えてきた藤川しかいない。ベンチは最近、調子がいい伊藤和を選択したのだろうが、荷が重かったと言わざるを得ない。
 神宮球場の“ワナ”にはまり込んだ面もあった。この球場は、ブルペンがグラウンド内にある。最近は少なくなっている環境だが、大観衆に囲まれるグラウンド内にいると、試合の流れに飲まれて、ペースを乱しやすい。2番手・岩崎などは、先発・秋山の乱調に「まさか?」という気持ちが先行して、しっかり準備できていなかったように映った。その後、登板した投手も同様に感じた。
 ベンチワーク、ブルペンワークがうまくいって、継投ができていれば…。もったいない敗戦になってしまった。 (サンケイスポーツ専属評論家)