巨人・菅野、西武・雄星抑え沢村賞!「感動」プロ5年目初 来季は「全項目を」 | 浜のおじさん&週末はオリックス親父( ̄∀ ̄)のブログ
 プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念した「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が30日、東京都内で開かれ、セ・リーグの最多勝と最優秀防御率に輝いた巨人の菅野智之投手(28)が初めて選ばれた。巨人からの選出は2002年の上原浩治以来、15年ぶり。東京都内で会見した菅野は、今季届かなかった「10完投」「200イニング」の達成を目標に掲げた。
 投手としての頂から見る景色は、格別だった。東京・文京区の東京ドームホテルで行われた会見。普段は冷静な菅野が「感動」と口にした。
 「投手として最高の栄誉を受賞することができて、自分自身感動している。目標としていたわけではないが、ずっと憧れの賞だった」
 先発完投型の投手が対象の選考基準は7項目。今季の菅野は17勝5敗、171奪三振、6完投、防御率1・59、投球回は187回1/3で登板25試合、勝率7割7分3厘をマークした。菅野と菊池雄星(西武)が10完投と200投球回を除く5項目をクリア。5人の委員による選考会で同時受賞を推す声も出たが、堀内委員長は「ベストワンを選ぶということで協議し、5人が菅野君を選んだ。防御率と勝利数がセ、パを通じても最高だった」と説明した。
 初受賞したことで芽生えたのは投手として「さらに高みを目指したい」という思いだった。会見では「(7項目で)10完投、200イニングだけ達成できなかった。(選考基準の)全項目をクリアできるように、そこを目標に頑張りたい」と言い切った。
 そのための道筋も描いている。「技術的にはもっとストレートを良くしたい。(チェンジアップ、フォークなどの)落ちる球を習得したい。今季は6月ぐらいが一番体がしんどかったので、コンディションの維持。その3つをやっていきたい」と来季を見据えた。
 選手会長への就任が決まり、ハワイでの自主トレに畠を同行させるなど中心選手としての自覚も強まった。「(優勝に必要なのは)まずは自分自身の成績の向上。あとは若手の底上げ。しっかり背中で引っ張りたい」。菅野の目指す頂は、さらに高い。 (長崎右)
堀内委員長「(クリアした基準の中で)菅野の勝利数と防御率は、両リーグを通じての最高記録。菊池にはそれがなかった」
平松委員「ダブル受賞を推したが、1人を選ぶとなると1年を通しての安定度も投球内容も菅野が上回る」
村田委員「菅野はこれまで1年もたなかったが、今年は克服した」
北別府委員「菅野の先発での防御率1・59はすばらしい数字」
山田委員「DHがあるパ・リーグで菊池が残した成績はすごいが、ナンバーワンなら菅野」
選考経過 菅野は選考基準の7項目のうち、17勝、171奪三振、防御率1.59、25試合登板、勝率.773と5項目をクリア。ほかに16勝、217奪三振、防御率1.97、26試合登板、勝率.727で同じく5項目をクリアした西武・菊池も候補に挙がった。過去にダブル受賞となった年が2度(1966、2003年)あり、選考委員からはダブル受賞を推す声も出たが、「ナンバーワンの投手を選ぼう」との意見が多く、最終的に菅野で全員が一致した。
菅野 智之(すがの・ともゆき) 1989(平成元)年10月11日生まれ、28歳。神奈川県出身。東海大相模高から東海大。2011年秋のドラフト会議で日本ハムに1位指名されたが入団拒否。13年ドラフト1位で巨人に入団し、原辰徳監督(当時)のおいとしても注目された。1年目から先発ローテーションを守り、14年から3年連続で開幕投手。16年に最優秀防御率と最多奪三振、17年に最多勝と最優秀防御率の2冠。15年プレミア12、17年WBC日本代表。1メートル86、92キロ。右投げ右打ち。独身。年俸2億3000万円。背番号19。本一。主役の本領発揮で一気に頂点を狙う。 (安藤理)