どんな時でもサッとその場をフォローしてくれたり、臨機応変に対応してくれたりする人のことを「機転が利く人」と言います。
とても、頼りになる存在なので周囲から信頼を寄せられることもあるでしょう。
周りに機転が利く人がいる場合、「自分も機転が利く人になりたい」と考えるかもしれません。
ここでは、「機転が利く」という言葉の意味に加えて、機転が利く人になる方法などをご紹介します。
■機転が利くとは？
機転が利くとは、どのような意味があるのでしょうか？
「機転が利く」とは、物事やその場の状況に合わせて最適な判断や行動ができることを表します。
物事を常に適した判断や考えで行動に移せるだけでなく、柔軟な考えで対応できるため、イレギュラーなことが起こった場合でも冷静に判断して行動できるのが特徴です。
このような臨機応変な対応が、周囲から頼られたり尊敬されたりするでしょう。
「機転が利く」を言い換えると頭の回転が速い、聡明、柔軟な思考などになり、いずれも誉め言葉になります。
■機転が利く人の特徴
機転が利く人には、どのような特徴があるのでしょうか？
・柔軟に考えられる
機転が利く人は、どのようなことに対しても柔軟に物事が考えられるのが特徴です。
思考の幅も広く持っているため、偏ったりこだわったりする考えになりにくいです。
何かアイデアが思いついた時、すぐに行動に移すのではなく、他の人の意見や視点から考えようと意識してから結論を出そうとします。
様々な意見や視点から考えて結果を導くため、どのような場面でも他にない工夫や考え方をしやすいでしょう。
・洞察力を持っている
物事を鋭く観察していて、いざという時にすぐ対処できるのが、機転が利く人の特徴です。
物事や人を判断したり観察したりする能力が優れているため、普段から様々な内容を鑑みて行動パターンを考えています。
また、物事の本質を見抜く目を持っているので、常に注意深く相手を観察して、そこから相手の考えや目的を敏感に感じ取りやすいです。
機転が利く人は、周囲を観察してから判断することが多いため、常に周囲にアンテナを張り巡らせています。
・気配り上手
機転が利く人は周囲を広く見ているため、目の前のことだけでなく、周囲への気配りも忘れません。
現状を広く観察しているため、周囲に気配りができるだけでなく、現状を把握しているため、「～～かもしれない」「このまま行くと……」など今後のトラブルを予測するケースもあるのです。
ただ、良い人に見られたいだけの気配りではなく、機転を利かせて気配り上手になっているでしょう。
・常に冷静
機転が利く人は、常に冷静な態度でいるのも特徴です。
多くの人は、焦ると周囲が見えなくなってしまい、全体的な様子がわかりにくくなります。
急な出来事に視野が狭くなり、すべきことがわからなくなる場合もあるでしょう。
しかし、機転が利く人は些細なことで動揺したり、感情やその場の雰囲気に流されて周囲が見えなくなったりすることもありません。
感情に左右されにくく、いつも落ち着いた雰囲気で周囲の状況に合わせて適した行動や判断をするのが特徴です。
・頭の回転が速い
機転が利く人は、頭の回転が速いのも特徴です。
機転を利かせるためには、これまでの状況や情報から今何をすべきかを瞬時に判断しなければなりません。
そのため、機転が利く人は頭の回転が速く、これまでの状況や情報を整理してその先に取るべき行動を見極めます。
これは、勉強ができる人に使う「頭の回転が速い」とは少し意味が異なります。
機転が利く人は、ただ勉強ができるだけでなく、多くの知識を持ってそれを活かす行動力にも優れているのです。
活用できる力を持っていることが、機転が利く人にはできるということです。
・人間関係を悪くさせない
機転が利く人は、コミュニケーション能力にも優れているので周囲のことを考えて行動します。
初めての人とも自然と打ち解けたり、人脈を広く多く持っていたりします。
相手がどのような性格か、タイプかなども素早く判断し、気持ちを汲み取ることができるため、人間関係を悪化させにくい特徴があります。
八方美人に見せないようにしつつ、他の人との交流を深めます。
また機転が利く人を中心とした交流も生まれやすいことから、人間関係を悪くさせずに構築してくれるでしょう。
・周囲を考えた行動ができる
いつも周りのことを考えた行動ができるのが、機転が利く人の特徴です。
機転を利かせるためにも、その場の状況や周囲の人の様子なども見ています。
そのため、周囲が求めていることを考えてさりげなくフォローしてくれる存在です。
相手をサラッとフォローでき、さらに見返りを求めない自然なふるまいが機転を利かせる人の魅力にもなっています。
・相手の話をよく聞く
機転が利く人は、相手の話をじっくり聞くのも特徴です。
相手の会話をただ聞いているのではなく、相手が何を考えているのか、どのようなことに興味を持っているのかを考えながら聞いているため、その相手に対して機転の利いた行動が取れます。
これは、機転を利かせるために聞いているわけではなく、話を聞くことも勉強と考えているからです。
話を聞くことで知識が得られるだけでなく、トラブルが起こった場合の回避方法を見出すこともできます。
・失敗も経験として考えている
失敗すると落ち込んでしまったり、いつまでもネガティブに考えたりすることが多いのですが、機転が利く人は失敗しても経験だと考えています。
そのため、ミスをした場合でもポジティブに考えて、新たな経験ができたと解釈します。
さらに、ミスした原因について考える際には同じミスを繰り返さないためにできることは何か、どんな風にしたらいいかと改善策に向き合うことができるのです。
何かを始める前には不安になりますが、このようなことに恐れることがなく、ミスしたことではなく、ミスで得られたことを考えるのが、機転が利く人の考え方でしょう。
・自分から行動する
自分で行動することに意味があると考えるのが、機転が利く人の特徴でもあります。
様々なことに対して興味を持っていて、チャレンジする精神も豊富です。
人が進んでやりたがらないことに対しても「何事も経験」と考えて引き受けます。
このような部分はプライベートでも発揮されるため、新たな趣味を始めるなど挑戦したり行動したりするのです。
このような行動によって成長するチャンスが増えたり、周囲からポテンシャルが高いと思われたりします。
■機転が利く人にはメリットがある！？
機転が利く人になると、いくつかのメリットがあります。
どのようなメリットが得られるのでしょうか？
・持っている目標を達成しやすい
機転が利く人になると、自分の持っている目標が達成しやすくなります。
目標を達成するには、自分自身で計画を立てて進めていきますが、計画した通りに進まなくなることもあるでしょう。
このような場合でも、自分を信じている力と考えで「何をどうしたら対応できるか」「未然に防ぐためにはどうすべきか」などの方法を考えて対処できます。
その結果、持っている目標を達成しやすくなるのです。
目標を達成するために考えるのは同じですが、何かが起こった時に臨機応変に対応できる力が、機転が利く人にはあるため何が起こっても達成しやすくなります。
また、出来事に適して最適な方法を考えられるのもメリットでしょう。
・周囲から頼られる存在になる
機転が利く人は、周囲からも頼られる存在になりやすいです。
トラブルに対応できる力があったり、臨機応変に対応できる姿があったりすると周囲からも「この人に頼めば安心」「この人なら対応してくれる」などと思われやすく、必要不可欠な存在になるのは確実でしょう。
ビジネスだけでなく、プライベートでも機転が利く人と思われ、家族や友人、恋人からも信頼されます。
・チャンスが巡ってきやすい
機転が利く人は、周囲の状況や物事を全体的に見ているので、何が求められているのかに気が付く力もあります。
その結果、仕事で上司に求められていることが何かに気が付き、先に回って行えます。
さらに柔軟な意見を述べられるので、上司や周囲からの評判もよく、昇格やビジネスチャンスを得るきっかけも増えます。
・適応する力が身に付く
機転が利く人は、その場で起こった出来事に対して冷静に対応できる力を持っています。
トラブルなども冷静に対応できるだけでなく、柔軟な考えによって多くの人が解消できる環境へと整えてくれます。
今ではAI技術が発展したおかげ、臨機応変に対応できる人とそうでない人の差が開きつつあります。
技術が発展したからといって、人間が発展しなくてもいいことはありません。
様々な情報や経験から、適応する力が身に付くことで今後さらに人から求められるケースも増えていくでしょう。
■機転が利く人になるための方法は？
周囲で機転が利く人がいる場合、「こんな風になりたい」と憧れの気持ちを抱くこともあるでしょう。
ここでは、機転が利く人になるための方法をご紹介します。
・周囲の状況を把握する癖をつける
自分自身の周りの状況を把握する癖を身に付けてみましょう。
機転が利く人は、常に周りの状況を見て知っているからこそ、何か起こった時にすぐに対応できるのです。
そのためには、いつでも周囲の状況を把握できるように観察する癖をつけるのがおすすめです。
周囲の状況を知ることで、いつもは見逃している雰囲気や状況に気が付くケースも少なくありません。
・わからないことをすぐ調べる
今まで日常生活の中で、わからないことがあるとすぐに調べる、誰かが調べてくれるのを待つ、後で調べようとして忘れてしまうなどのパターンがあるでしょう。
もし、機転が利く人になりたいなら、わからないことについてすぐ調べる癖をつけてみましょう。
わからないことをすぐ調べるように意識するだけで、幅広い知識や得られた理、自分の判断軸となる情報が増えます。
このような結果により、自分の成長にも役立ちます。
・カラーバス効果を使う
カラーバス効果とは、特定のことを意識することで日常の中でそのことに関する情報が自然と目につく現象を意味します。
人間は、聴覚、視覚などの五感で得た情報を無意識に取捨選択しているのです。
自分にとって必要性の高いものを意識することで、見逃したりキャッチできたりする可能性も高くなるという効果です。
このカラーバス効果を生活で取り入れることで、見逃していたものや出来事にも気が付きやすくなります。
・物事を難しく考えない
何かをすぐ行動に移せない、見誤るのが怖くて行動できないなど、様々なことを考えてしまうと、自分自身を縛ってしまいます。
何かトラブルが起こった時、その原因を考えすぎて何をしたらいいのかわからなくなるケースもあるでしょう。
しかし、これは難しく考えすぎて自分自身で身動きを取らせなくする可能性が高いです。
また、物事を難しく考えすぎることで本質を見落としてしまうこともあります。
できるだけ、物事を難しく考えることなく、シンプルに考えるように意識することから始めましょう。
・想像力を豊かにしてみる
機転が利く人は、1つの出来事に対して1つの結果だけを考えません。
常にいくつかの結果を想像し、それに対応するために何が必要かを考えてみましょう。
想像力を豊かにするには、日々の様々なことに対して想像してみてください。
日頃から仕事の進捗を考え見たり、相手の気持ちを想像したりすることで、次第に想像力を働かせる力が付いてきます。
・固定観念を取り払う
多様な思考を持っていることは、機転を利かせるために必要です。
どうしても過去の経験から、同じことが起こったらその経験を活かすという流れになりがちです。
もちろん、過去の経験を活かすことも大切ですが、「これはこれ」といった固定観念を持ちすぎてしまうと、同じパターンでしか動けなくなってしまいます。
これは経験から動いているだけで、機転を利かせているわけではありません。
視点を変えて考えたり、物事を客観視したり、他の人の意見を聞いたりするなど、今までの固定観念にとらわれすぎることのないようにしてみましょう。
機転が利く人は、その場で起こった出来事に対して臨機応変に対応できることを言います。
相手に対して思いやりがあり、誰も困らずに解決できるように対応する姿は憧れられる存在になるでしょう。
上記の内容を参考にしながら、機転が利く人の特徴を把握してみましょう。
そして、機転が利く人になれるように様々なことに目を向けて意識していくと自然と機転が利く人になっていきます。