約束された破滅 | 七拍子の投機家

約束された破滅

http://blog.livedoor.jp/b_o/archives/50707541.html

 

一部で話題になっているこのブログ。要はリーマンショック以前に短期間で100万を1300万にした経験が、すべてを破滅に導いたということだ。キーワードは「間違った成功体験」ということになるだろう。この人の記事をすべて読んだが、「リーマンショックさえ起きなければいまごろは・・・・」というのが何回も出てくる。リーマンショック以前の体験が実は危険な取引でたまたま勝っていた、という結論にはならないようだ。これは良くわかるんだな。僕は過去何回も文無しになっているし、サラ金に借金さえあった。借金をしてまで相場にしがみ付かせたのは過去のまちがった成功体験だろう。投機生活15年の中で最初の年に間違った成功体験があったので、都合10年くらいはこれに囚われていたことになる。僕はたまたま仕事がSEだったので、会社を辞めても派遣で幾らでもけっこうな時給で仕事があり、かつ専業をしていた期間はごくわずかだったのが大きい。この人のように時給700円だったら多分職を転々としていたと思う。いまそれなりに金が残せているのはたまたまなのだ。

 

この破滅譚だが、自分に重ね合わせてみると、何を考えてそうなったかよくわかる部分が多々ある。例えば、この人は1300万の資金のときに800万の損切りになった。今までは下がってもナンピンしたら助かったという悪しき成功体験もあったのだろう。でもそれだけじゃない。勝ち続けている時は、負けるのが気持ち悪いというのがあるのだ。事実リーマン直前の9月は「9月全勝!」というように喜んでいて、勝つのが当たり前になっていたのだろう。相場はデイトレしかしないならともかく、減らしながら増やしていくというのが基本になるのだが、こういうのが受け入れられなくなり、ちょっとした損失を気にして転がる雪だるまを作る。こうなってしまうと破滅は約束されたも同然だ。

 

相場で破産状態になったとき「相場さえやらなければ」ということを誰でも思い浮かべることだと思う。僕も思ったし、この人もそう書いている。そして、一度は「目が覚めた」と感じて相場を離れるものなのだ。僕も短期間だがそう言う時期があった。が、残念ながら相場で破滅した人間が復活する方法は再度相場で復活するしかない。破滅から学んでどうこうというのは一切無くて、破滅が破滅を呼ぶだけなのだ。