建築制限との戦い | 自宅購入4件目大家が建てる賃貸併用住宅

自宅購入4件目大家が建てる賃貸併用住宅

自宅購入4件目の普通の会社員が、
都内のスーパー変形地にローンギリギリで賃貸併用住宅を建築する課題モリモリな珍道中を記録してきたいと思います

賃貸併用住宅の場合、好立地で土地代が高いことが多いので、いかにその土地でできる最大サイズまで建物を建てれるか、が成功の鍵になります。


普通の土地ならそこまで大きな制限はないのであまり苦労しないのですが、今回の土地は旗竿地です。


旗竿地で賃貸併用住宅のような集合住宅を建てる場合、非常にきつい建築制限がかかるため、設計が難しくなります。


⭐︎賃貸併用住宅でよくある建築制限⭐︎

①建蔽率/容積率

②北側斜線規制

③用途地域による高さ制限

④賃貸部分の面積比率

⑤重層長屋の規制


①から③はどんな土地でも関わる規制で、④も建物の建築費用を住宅ローンで借りたい場合、賃貸部分は50%未満にしないとそもそも銀行が貸してくれない場合が多いのでほぼ必須になります。


問題は⑤の重層長屋規制です。


そもそも重層長屋ってなんぞやって話なんですが、

共用廊下や共同階段などの共用部分を持たず、各住戸が独立した玄関を持った集合住宅のことです。

具体的には2階の部屋なのに玄関は一階にあって入ったらすぐ中に階段があるタイプのアパートは大体重層長屋です。



建築基準法で、通常のアパート、マンションなどは共同住宅と呼ばれ、敷地と道路との接道が4m以上ないと建てられません。

重層長屋にするとこの制限が緩くなり最低2mあれば建築可能になります。(ただし床面積300平米以下)

旗竿地の場合、道路との接道が2mしかない土地がほとんどで、へろ吉の土地も接道2.08mというギリギリを攻めた区画割のため、重層長屋しか選択肢がありませんでした。


⭐︎重層長屋にする場合にかかる制限⭐︎

①接道2mの場合は延床面積300平米以下

②各住戸に独立した玄関が必要

③各玄関から道路まで通じる2m以上の通路幅を避難経路として敷地内に確保する

④各住戸に玄関以外の開口部から避難経路へ通じる50cm以上の通路幅を確保する


通常の共同住宅より緩いとはいえ、これだけの制限があります。

敷地ギリギリまで建てたいときの1番の弊害になるのが③の避難経路です。


2mって大したことないやん?って思いますよね?

ところが賃貸併用だとめちゃくちゃ建築面積が削られるんです。


よくある旗竿地に普通の家を建てる場合、こうなります↓


これが、賃貸併用で玄関を3つ付けたい場合、こうなります↓



一気に建築面積が3/4になりました。


避難経路として、一番端の玄関から道路までずっと2m以上の幅を取らないといけないので、かなりの面積がもってかれます。


さらに厄介なのがこの避難経路、建築士や行政によって結構見解がわかれるのです。


例えば、下記三つはそれぞれ別のハウスメーカーの建築士が実際に言っていた内容です。


•この2mには玄関開いた時の扉がかかっちゃダメ

•屋根も雨樋もかかっちゃダメ

•階段とかポーチとかの段差もダメ

•機能門柱や門扉も設置不可


屋根って壁から平気で50cmくらい飛び出てくるし、ポーチない家なんてありえないし、これ全部聞いてると建てれる面積なくなってこない??

ってなりますよね。


へろ吉宅の避難経路は、とにかく建築面積減らさないことを意識してこうしました。



あまり苦労が伝わらないと思いますが、

この形になるまで、


軽く20回くらい間取り描き直してます!


ポーチは必要最低限にして機能門柱とかポストは空いた隙間狙って置けばなんとかなるだろ精神です。

玄関屋根とかは最悪建築確認後につければいいと思っています口笛


というわけで今回は建築制限の中でも避難経路メインのお話しでした。


実際に建築士さんが入ってからは、他にも北側斜線とか採光基準とかばんばん引っ掛かってきますがそれはまだ次回以降で笑い泣き


もう少し記事をコンパクトにできるように頑張ります……。