悪役は出てこず、みんなそれぞれ

大変だなと思える物語だった。


子供の頃の未知の世界を信じる心や、

子育てをする親の置かれた状況とかが

そっと描かれていてドキッとする。



猫のポーのことで

この世界にたった一度だけ生まれ

そのかわりなんて、もう二度といない」

の言葉も、ぐっときた。

“たった一度だけ生まれて”の言葉が良い。


たった一度だけ生まれた奇跡なんだよな~



あと両親のケンカのとき、気配を消して

タケルが自分の部屋に引きあげながら、

酷いケンカにならなきゃいいと思う場面。


いくら防災グッズをそろえてても、

これじゃどこへ逃げたって助かりそうもない

という言葉が面白かった。


家事を父もすれば母が追い詰められて

鬼の形相になることも少なかったはず。


タケルが最後、両親にちゃんと

言いたいこと言えたのは良かった。

子供も大人もお互い振り回されてた。



内容はよくある設定かな。

でも簡単に読めて、絵も可愛いし、

ぼーっと読むには良かった。


内容より、キラリと光る言葉のセンスに、

ハッとさせられた照れクローバー